初心者がVRMMOをやります(仮)
火薬と採掘
最近、一部の弾で着弾距離が飛躍的に延びたとジャッジは思う。
「ディス、火薬替えたか?」
「替えてねぇ。替えるとなると薬莢のほうまで替える必要でてくるんだぞ?」
そんなわけで、外れた弾丸の話をディスカスにしてみせる。
「ミント。カナリア呼んできてくれ」
何故そこにカナリアが出てくるのか分からなかった。
呼び寄せられたカナリアの話を聞いて、思わずため息をついた。
カナリアは肥料にするために、骨粉や乾燥した落ち葉の粉末を混ぜていたのだという。
もう少しで堆肥と混ぜるところだったらしく、そうなっていたら少しの火気で燃えていただろ。
「比率、覚えてる?」
「適当に混ぜました」
使えないものを適当に混ぜただけ。そう言われてしまえば、ディスカスがため息をついた。
「骨粉がよかったのか落ち葉がよかったのかは分からんが……。実験してみる価値はあるな。ジャッジ、付き合え」
「おうよ」
距離が延びれば、もう少し遠くの位置からでもモンスターにダメージを与えられる。特にライフルや大砲に使えればダメージ量も多くできるかも知れない。
二人の意見が一致し、タカも混ぜて仕事へと取り掛かった。
こういうとき、ジャッジはカナリアのことは言えない。没頭して他を忘れる。
それをクィーンがほくそ笑んでみていた。
その頃、カナリアはユウとスカーレットと共に、鉱物の採取に来ていた。
「あんまり奥深くに行くなよ。活火山地帯だ。マグマが噴出してもおかしくないからな」
「そそそ……そんなところにいても大丈夫なんですか!?」
「まぁ、リアルじゃ無理だが、ゲームだからな。一応奥にも植物が生えてるらしいが、俺らの装備じゃ採取は無理だからとりあえず火山地帯で取れるかんらん石とか、玄武岩とか取れるだけ取って、あとは撤退。OK?」
「はいっ!」
道理でピッケルだけを持たされたわけだ。そう思うと同時に、初めて来た火山地帯に思いをはせていた。
「とりあえず火属性のモンスターが多いから、火属性ダメージ軽減の魔法よろしく」
カナリアは「水の加護」でなりに防御できるが、二人は無理だということを思い出した。
かけると、すぐに行動に移る。
「……ストーカーか。あいつらは」
トールを見つけたユウは思わず呟いた。それが聞こえたのはスカーレットのみである。
「カナリアちゃんが二つの限定クエストに関わったからでしょ。トールたちはこれ以上カナリアちゃんに限定クエストクリアして欲しくないんじゃないの?」
「だろうな。俺がプログラムしたクエストは問答無用ではかされたからな。……それの称号持ってるはずなんだが」
「あとギルドカウンターも問題よね。カナリアちゃんが関わってるクエストを教えるんだもの」
「……不当解雇されたくないんだろ」
このゲーム運営会社や開発会社の人間と血縁関係にあることを示唆すれば、スカーレットが呆れていた。
「ま、今回はクエスト自体受注してないんだから、限定クエストにいかないと思うけど」
「とも言えない。このゲーム不思議でさ。零細開発会社に名だたるプログラマーが集結してる。俺が関わったのはほんの少し。メインは五人って言われてる。
隠しクエストは、通常クエストを受ければ一定のルートを攻略すれば行けるが、限定クエストは何が鍵になって、どんな条件で発動するのか分からん」
「つまり、ただ採取してるだけだったのに限定クエストに行く場合もあるって事?」
「さすが先生の妹様。そのとおり」
正直に言えば通常クエスト以上の限定クエストがあると思っていいのだ。……普通はそんなこと思いもつかないだろうが。
「なんかさ、たまに小説であるけどこっちが異世界なんてことはないわよね?」
「あ、それはない。安心して」
そんな会話をしながらも、必要な鉱石を採取していく。
「カナリアちゃん。火打石とか小石は要らないからね」
「でも、この石綺麗なので持って帰りたいなって。火打石はMPが切れたとき火をおこすのに便利かなって。それに火打石なら町の人たちに頼まれましたから」
「……町の人たちっていうと……」
「『初心者の町』の人達とマリル諸島の人たちです」
つまりはNPCだ。己たちと同等に扱うということに、ユウは少しばかり驚いた。
「そういうことならレットさん。俺らも採取して行きましょう」
「そうね。クィーンさんも使いそうだし」
予想以上に採取して山を降りた。
ちなみに。
一緒に採掘していたはずのスカーレットは半ばエロ親父と化していた。
あんなシリアスな会話をしていたはずなのに、である。
そして、そんな彼女の感想は「カナリアちゃんからウサミミがなくなったのが残念。エンチャントで楽しい時ピクピク動いて可愛かったのよね」だった。
全く採掘に対しての感想はなかった。
「ディス、火薬替えたか?」
「替えてねぇ。替えるとなると薬莢のほうまで替える必要でてくるんだぞ?」
そんなわけで、外れた弾丸の話をディスカスにしてみせる。
「ミント。カナリア呼んできてくれ」
何故そこにカナリアが出てくるのか分からなかった。
呼び寄せられたカナリアの話を聞いて、思わずため息をついた。
カナリアは肥料にするために、骨粉や乾燥した落ち葉の粉末を混ぜていたのだという。
もう少しで堆肥と混ぜるところだったらしく、そうなっていたら少しの火気で燃えていただろ。
「比率、覚えてる?」
「適当に混ぜました」
使えないものを適当に混ぜただけ。そう言われてしまえば、ディスカスがため息をついた。
「骨粉がよかったのか落ち葉がよかったのかは分からんが……。実験してみる価値はあるな。ジャッジ、付き合え」
「おうよ」
距離が延びれば、もう少し遠くの位置からでもモンスターにダメージを与えられる。特にライフルや大砲に使えればダメージ量も多くできるかも知れない。
二人の意見が一致し、タカも混ぜて仕事へと取り掛かった。
こういうとき、ジャッジはカナリアのことは言えない。没頭して他を忘れる。
それをクィーンがほくそ笑んでみていた。
その頃、カナリアはユウとスカーレットと共に、鉱物の採取に来ていた。
「あんまり奥深くに行くなよ。活火山地帯だ。マグマが噴出してもおかしくないからな」
「そそそ……そんなところにいても大丈夫なんですか!?」
「まぁ、リアルじゃ無理だが、ゲームだからな。一応奥にも植物が生えてるらしいが、俺らの装備じゃ採取は無理だからとりあえず火山地帯で取れるかんらん石とか、玄武岩とか取れるだけ取って、あとは撤退。OK?」
「はいっ!」
道理でピッケルだけを持たされたわけだ。そう思うと同時に、初めて来た火山地帯に思いをはせていた。
「とりあえず火属性のモンスターが多いから、火属性ダメージ軽減の魔法よろしく」
カナリアは「水の加護」でなりに防御できるが、二人は無理だということを思い出した。
かけると、すぐに行動に移る。
「……ストーカーか。あいつらは」
トールを見つけたユウは思わず呟いた。それが聞こえたのはスカーレットのみである。
「カナリアちゃんが二つの限定クエストに関わったからでしょ。トールたちはこれ以上カナリアちゃんに限定クエストクリアして欲しくないんじゃないの?」
「だろうな。俺がプログラムしたクエストは問答無用ではかされたからな。……それの称号持ってるはずなんだが」
「あとギルドカウンターも問題よね。カナリアちゃんが関わってるクエストを教えるんだもの」
「……不当解雇されたくないんだろ」
このゲーム運営会社や開発会社の人間と血縁関係にあることを示唆すれば、スカーレットが呆れていた。
「ま、今回はクエスト自体受注してないんだから、限定クエストにいかないと思うけど」
「とも言えない。このゲーム不思議でさ。零細開発会社に名だたるプログラマーが集結してる。俺が関わったのはほんの少し。メインは五人って言われてる。
隠しクエストは、通常クエストを受ければ一定のルートを攻略すれば行けるが、限定クエストは何が鍵になって、どんな条件で発動するのか分からん」
「つまり、ただ採取してるだけだったのに限定クエストに行く場合もあるって事?」
「さすが先生の妹様。そのとおり」
正直に言えば通常クエスト以上の限定クエストがあると思っていいのだ。……普通はそんなこと思いもつかないだろうが。
「なんかさ、たまに小説であるけどこっちが異世界なんてことはないわよね?」
「あ、それはない。安心して」
そんな会話をしながらも、必要な鉱石を採取していく。
「カナリアちゃん。火打石とか小石は要らないからね」
「でも、この石綺麗なので持って帰りたいなって。火打石はMPが切れたとき火をおこすのに便利かなって。それに火打石なら町の人たちに頼まれましたから」
「……町の人たちっていうと……」
「『初心者の町』の人達とマリル諸島の人たちです」
つまりはNPCだ。己たちと同等に扱うということに、ユウは少しばかり驚いた。
「そういうことならレットさん。俺らも採取して行きましょう」
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あんなシリアスな会話をしていたはずなのに、である。
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