ペンシルナイト
その4・切り裂き魔ジャック
カッター男を探して街を歩く。
リュウ「やっぱり逃げたからか、見つからねぇなぁ…」
またもや数十分歩いているが、見つからない。
シンジョウ「まぁ現実でガキ殺してた頃も、何ヶ月も捕まらなかったそうだ。こういう所とはいえ、逃げ方ってモンを知ってんだろう。」
リュウ「逃げ方、ねぇ。」
シンジョウ「まぁ俺と2度とカチ合わない、ってだけだろうがな。」
レン「あたしたち、それ見つけられるの?」
不安になる。
シンジョウ「知らねーよ。」
リュウ「そんなバッサリと…」
シンジョウ「嘘言っても仕方ねーだろーが。」
リュウ「まぁねー。っと、ねぇあれ。」
道の先で、血を引きずったような跡がある。
レン「なにこれ…」
シンジョウ「死体か…そうでなくても誰か怪我させて運搬させたかだろうな。」
リュウ「ここって、動物とかいんの?」
シンジョウ「……いないらしいぞ。」
リュウ「らしい?」
シンジョウ「俺の案内人が言ってる。」
リュウ「あぁ…。」
(他の参加者にも案内人いるんだよな…時々忘れる…)
レン「これ…誰の仕業?」
血の痕跡の前でしゃがみこむ。
リュウ「カッター男…と決めつけるのも早計ってやつだよな。」
シンジョウ「奴以外にも色んなやつがいるだろうしな。だが、これを辿るのも悪くはないだろ。」
リュウ「じゃあ行こう。」
各々が武器を構えて血の跡を辿る。
●
数分歩いた先で物音が聞こえる。
リュウ「なんか聞こえない?」
シンジョウ「聞こえるな。」
何か鈍い物がぶつかる音と同時に、誰かの声も聞こえる。
レン「なんの声…?」
シンジョウ「あいつか…?」
シンジョウが駆け出す。
リュウ「あ、ちょっと!」
シンジョウを追いかける。
道を曲がった先で、男が地面に向かって何度かカッターを突き立てている現場に出くわす。
シンジョウ「こいつだ…」
先ほどシンジョウと死闘を繰り広げていたカッター男がいた。
リュウ「うわぁ…」
よく見ると、カッター男の前に誰かの死体が転がっている。
明らかに身長が小さい。
レン「もしかして…」
シンジョウ「他の参加者…しかも、ガキか。」
カッター男「ん〜?」
リュウ達に気がつく。
カッター男「オウッ!さっきの奴らですか?」
服に返り血が大量に付いている。
リュウ「ん?日本語うまい?」
シンジョウ「さっきも俺と戦う前は日本語がうまかった。」
レン「バイリンガルってやつ?」
カッター男「残念ながら自分は3つの言語まで余裕なのさ。トリリンガル、ってやつ。」
レン「そんな頭良いのに、子どもを…」
カッター男「頭の良さと趣味は関係ない。日本人ってのはムダにモノとモノとを繋げようとするよな?ん?」
シンジョウ「黙りやがれ!ガキを殺すなんざ正気じゃねぇ!」
カッター男「ハッ!正気とか、他人の趣味に対して言う言葉じゃないねぇ!自分の好きなことを我慢してるあんたらの方が、イかれてるって思わないか?」
シンジョウ「人を殺すってのは異常なんだよ!」
リュウ「シンジョウさん、無理。話通じない。」
シンジョウ「クソッタレが…」
カッター男「ハッハー!初めましてもいるみたいだし、自己紹介しなくちゃね!My name is Jack ! ジャックと呼んでくれたまえ!」
リュウ「いつぞやのイギリスの殺人鬼のつもりかよ。」
ジャック「一応本名なのになぁ。で、1on3なのかい?それはちょっとやだなぁ。」
シンジョウ「うるせぇ!ぶっ殺してや…」
ジャックに近づこうと足を踏み出した瞬間、ジャックがカッターを投げる。
レン「ひっ!」
カッターはレンに向かって投げられたが、シンジョウが消しゴムを構えて前に立ち、カッターを受け止める。
レン「シンジョウさん!」
シンジョウ「クズが…!」
ジャック「ハッハハー!まだまだあるぞ!」
手から次々とカッターが現れ、それを投げる。
シンジョウ「ちぃっ‼︎」
リュウ「うおっ!うわっ!」
鉛筆を使ってカッターを叩き落とす。
シンジョウ「リュウ!」
シンジョウはレンを守るのに手一杯で、リュウにまで手を回せない。
リュウ「大丈夫っ‼︎じゃない、かも‼︎」
飛んできたカッターを集中して落とすが、投げられた物を叩き落とす経験の少ないリュウには厳しい。
シンジョウ「チクショウ‼︎」
ジャック「ヘイヘイ!どうしたどうした?」
投げる速度が一向に緩まない。
リュウ「シンジョウさん!」
シンジョウ「逃げろ!これはマズイ!」
リュウ「いや、いけるかもしれません!」
シンジョウ「あぁ⁉︎」
リュウ「レンは僕が引き受けるんで、その盾持って奴に突貫してください!」
シンジョウ「突貫だと⁉︎」
レン「リュウさん⁉︎その作戦大丈夫⁉︎」
リュウ「やらなきゃ、あいつ、倒せない‼︎」
シンジョウ「ふざけんな!その鉛筆で叩き落そうってか⁉︎」
リュウ「ジリ貧よりかマシでしょ‼︎逃げてもあいつ多分追いかけてくるよ‼︎」
ジャック「逃げる?ハハッ、逃げたら追いかける?Of course ! これ以上仲間増やされるのも面倒だ!逃がしはしないぞ!」
シンジョウ「ちぃっ…しくじるなよ‼︎」
シンジョウが消しゴムを構えて突進する。
ジャック「ワオ⁉︎」
ジャックがシンジョウに集中してカッターを投げる。
リュウ「よし、多少は!」
飛んでくるカッターも少なくなり、叩き落とすのに支障はない。
シンジョウ「おらぁ‼︎」
ジャックにたどり着き、タックルをかます。
ジャック「Shit ! 簡単にやられるか!」
シンジョウの猛攻を捌きながらも、リュウに向かってカッターを投げ続ける。
リュウ「この程度なら!」
レン「痛っ!」
リュウ「え?」
守りきっているはずなのにレンが声を上げるので振り向くと、レンの足にカッターの破片が刺さっていた。
レン「痛…ああ…あああ…」
リュウ「レン?どうした?」
レンの様子がおかしい。
レン「あああ…ああああああああ‼︎」
突然大きな声で叫ぶ。
リュウ「レン⁉︎おい、おい!」
レン「あああ足があああああ‼︎」
足にダメージを負うことによる恐怖から、ヒステリックに叫ぶ。
リュウ「レン!うがああ‼︎」
よそ見をしすぎたせいでカッターの何本かが背中に刺さる。
シンジョウ「てめぇこの‼︎」
ジャック「ハッハー!ガキはやはり殺しやすいな!」
リュウ「レン…!レン!」
レン「あしぃ…あしが痛い…!」
レンの足のすぐ近くにカッターが飛んでくる。
カッターの先端が地面に命中するが、その衝撃で歯が折れ、折れた歯がレンの太ももに突き刺さる。
レン「ひぎゃああああああ‼︎」
かなり深く刺さったらしく、絶叫を上げる。
リュウ「なんで⁉︎クソ、マズイ‼︎」
レンを抱えてジャックの攻撃が当たらない物陰まで走る。
(そうか…カッターは歯を折れるから…それも能力か‼︎こういう攻撃があんのか‼︎)
レン「ひぃっ…ひぃっ…」
リュウ「落ち着けレン!やっぱり逃げとくべきだったか!」
レン「うぅ…ぐぅぅ…!!」
リュウ「もう大丈夫だから少し待ってろ‼︎」
近くにアパートのような建物があった。
(仕方ない、あそこに一旦逃げよう!)
リュウ「やっぱり逃げたからか、見つからねぇなぁ…」
またもや数十分歩いているが、見つからない。
シンジョウ「まぁ現実でガキ殺してた頃も、何ヶ月も捕まらなかったそうだ。こういう所とはいえ、逃げ方ってモンを知ってんだろう。」
リュウ「逃げ方、ねぇ。」
シンジョウ「まぁ俺と2度とカチ合わない、ってだけだろうがな。」
レン「あたしたち、それ見つけられるの?」
不安になる。
シンジョウ「知らねーよ。」
リュウ「そんなバッサリと…」
シンジョウ「嘘言っても仕方ねーだろーが。」
リュウ「まぁねー。っと、ねぇあれ。」
道の先で、血を引きずったような跡がある。
レン「なにこれ…」
シンジョウ「死体か…そうでなくても誰か怪我させて運搬させたかだろうな。」
リュウ「ここって、動物とかいんの?」
シンジョウ「……いないらしいぞ。」
リュウ「らしい?」
シンジョウ「俺の案内人が言ってる。」
リュウ「あぁ…。」
(他の参加者にも案内人いるんだよな…時々忘れる…)
レン「これ…誰の仕業?」
血の痕跡の前でしゃがみこむ。
リュウ「カッター男…と決めつけるのも早計ってやつだよな。」
シンジョウ「奴以外にも色んなやつがいるだろうしな。だが、これを辿るのも悪くはないだろ。」
リュウ「じゃあ行こう。」
各々が武器を構えて血の跡を辿る。
●
数分歩いた先で物音が聞こえる。
リュウ「なんか聞こえない?」
シンジョウ「聞こえるな。」
何か鈍い物がぶつかる音と同時に、誰かの声も聞こえる。
レン「なんの声…?」
シンジョウ「あいつか…?」
シンジョウが駆け出す。
リュウ「あ、ちょっと!」
シンジョウを追いかける。
道を曲がった先で、男が地面に向かって何度かカッターを突き立てている現場に出くわす。
シンジョウ「こいつだ…」
先ほどシンジョウと死闘を繰り広げていたカッター男がいた。
リュウ「うわぁ…」
よく見ると、カッター男の前に誰かの死体が転がっている。
明らかに身長が小さい。
レン「もしかして…」
シンジョウ「他の参加者…しかも、ガキか。」
カッター男「ん〜?」
リュウ達に気がつく。
カッター男「オウッ!さっきの奴らですか?」
服に返り血が大量に付いている。
リュウ「ん?日本語うまい?」
シンジョウ「さっきも俺と戦う前は日本語がうまかった。」
レン「バイリンガルってやつ?」
カッター男「残念ながら自分は3つの言語まで余裕なのさ。トリリンガル、ってやつ。」
レン「そんな頭良いのに、子どもを…」
カッター男「頭の良さと趣味は関係ない。日本人ってのはムダにモノとモノとを繋げようとするよな?ん?」
シンジョウ「黙りやがれ!ガキを殺すなんざ正気じゃねぇ!」
カッター男「ハッ!正気とか、他人の趣味に対して言う言葉じゃないねぇ!自分の好きなことを我慢してるあんたらの方が、イかれてるって思わないか?」
シンジョウ「人を殺すってのは異常なんだよ!」
リュウ「シンジョウさん、無理。話通じない。」
シンジョウ「クソッタレが…」
カッター男「ハッハー!初めましてもいるみたいだし、自己紹介しなくちゃね!My name is Jack ! ジャックと呼んでくれたまえ!」
リュウ「いつぞやのイギリスの殺人鬼のつもりかよ。」
ジャック「一応本名なのになぁ。で、1on3なのかい?それはちょっとやだなぁ。」
シンジョウ「うるせぇ!ぶっ殺してや…」
ジャックに近づこうと足を踏み出した瞬間、ジャックがカッターを投げる。
レン「ひっ!」
カッターはレンに向かって投げられたが、シンジョウが消しゴムを構えて前に立ち、カッターを受け止める。
レン「シンジョウさん!」
シンジョウ「クズが…!」
ジャック「ハッハハー!まだまだあるぞ!」
手から次々とカッターが現れ、それを投げる。
シンジョウ「ちぃっ‼︎」
リュウ「うおっ!うわっ!」
鉛筆を使ってカッターを叩き落とす。
シンジョウ「リュウ!」
シンジョウはレンを守るのに手一杯で、リュウにまで手を回せない。
リュウ「大丈夫っ‼︎じゃない、かも‼︎」
飛んできたカッターを集中して落とすが、投げられた物を叩き落とす経験の少ないリュウには厳しい。
シンジョウ「チクショウ‼︎」
ジャック「ヘイヘイ!どうしたどうした?」
投げる速度が一向に緩まない。
リュウ「シンジョウさん!」
シンジョウ「逃げろ!これはマズイ!」
リュウ「いや、いけるかもしれません!」
シンジョウ「あぁ⁉︎」
リュウ「レンは僕が引き受けるんで、その盾持って奴に突貫してください!」
シンジョウ「突貫だと⁉︎」
レン「リュウさん⁉︎その作戦大丈夫⁉︎」
リュウ「やらなきゃ、あいつ、倒せない‼︎」
シンジョウ「ふざけんな!その鉛筆で叩き落そうってか⁉︎」
リュウ「ジリ貧よりかマシでしょ‼︎逃げてもあいつ多分追いかけてくるよ‼︎」
ジャック「逃げる?ハハッ、逃げたら追いかける?Of course ! これ以上仲間増やされるのも面倒だ!逃がしはしないぞ!」
シンジョウ「ちぃっ…しくじるなよ‼︎」
シンジョウが消しゴムを構えて突進する。
ジャック「ワオ⁉︎」
ジャックがシンジョウに集中してカッターを投げる。
リュウ「よし、多少は!」
飛んでくるカッターも少なくなり、叩き落とすのに支障はない。
シンジョウ「おらぁ‼︎」
ジャックにたどり着き、タックルをかます。
ジャック「Shit ! 簡単にやられるか!」
シンジョウの猛攻を捌きながらも、リュウに向かってカッターを投げ続ける。
リュウ「この程度なら!」
レン「痛っ!」
リュウ「え?」
守りきっているはずなのにレンが声を上げるので振り向くと、レンの足にカッターの破片が刺さっていた。
レン「痛…ああ…あああ…」
リュウ「レン?どうした?」
レンの様子がおかしい。
レン「あああ…ああああああああ‼︎」
突然大きな声で叫ぶ。
リュウ「レン⁉︎おい、おい!」
レン「あああ足があああああ‼︎」
足にダメージを負うことによる恐怖から、ヒステリックに叫ぶ。
リュウ「レン!うがああ‼︎」
よそ見をしすぎたせいでカッターの何本かが背中に刺さる。
シンジョウ「てめぇこの‼︎」
ジャック「ハッハー!ガキはやはり殺しやすいな!」
リュウ「レン…!レン!」
レン「あしぃ…あしが痛い…!」
レンの足のすぐ近くにカッターが飛んでくる。
カッターの先端が地面に命中するが、その衝撃で歯が折れ、折れた歯がレンの太ももに突き刺さる。
レン「ひぎゃああああああ‼︎」
かなり深く刺さったらしく、絶叫を上げる。
リュウ「なんで⁉︎クソ、マズイ‼︎」
レンを抱えてジャックの攻撃が当たらない物陰まで走る。
(そうか…カッターは歯を折れるから…それも能力か‼︎こういう攻撃があんのか‼︎)
レン「ひぃっ…ひぃっ…」
リュウ「落ち着けレン!やっぱり逃げとくべきだったか!」
レン「うぅ…ぐぅぅ…!!」
リュウ「もう大丈夫だから少し待ってろ‼︎」
近くにアパートのような建物があった。
(仕方ない、あそこに一旦逃げよう!)
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