老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
154話 拠点破壊ミッション
「リンガー一度しか言わないから刻み込んでくれ!
この剣士から攻撃を受けると回復できなくなる恐れがある。
  そのつもりで攻撃は完璧に捌け!
あと、常識を捨ててどんな攻撃にも対応できるように覚悟しといてくれ!」
ユキムラらしくなく強い言葉で忠告する。
それ以外のメンバーも肝に命じておく。
ユキムラは肘部分まで覆う籠手のような武器を両手に装備している。
丸みを帯びたフォルムはその武器の恐ろしさをわかりづらくする。
ユキムラが一気に銀騎士の懐へと入り込む、騎士はすさまじい早さで手に持つ剣を振りその侵入を阻もうとする。
ぎゃりん!!
剣は籠手の丸みで滑るようにはじかれる。
急いで逆の腕に持つ剣を振るおうとするときにはすでに懐に侵入している。
振るおうとしている剣の柄を内側から殴りつける。
その一撃で剣を手放さなかったことは賞賛に値するが完全に身体が開く。
「虎撃! 龍倒!! 8連華!!!」
目にもとまらぬ早さで打ち込まれる無慈悲な打撃、丸みを持つ籠手は受ければ敵の攻撃をはじき、殴ればその重みを十二分に乗せた一撃となる。
喉、両肩、鳩尾、丹田、金的、股関節。
人体であればその打撃を受けるだけでもうまともに動くことは不可能だろう。
事実銀騎士もその腕や脚ははじけ飛びガラガラと音を立てながら床を転がる。
「龍鳳撃」
両手による打撃で胴体部分もはじき飛ばす。
「ユキムラちゃん、まだまだだから気を抜かないでね」
ヴァリィが言うまでもない、あまりに手応えがなさ過ぎる。
殴りつけても空っぽのバケツを殴っているような感触だ。
「ヴァリィはアレどうやって倒したの?」
「もう何度も何度もぶったたいてぺっちゃんこのバラバラにするしかなかったわ」
吹き飛ばされた胴体のところに手足が集まり、少しへこみはできていたが元通りに人型を形成した。
「なるほど、よくわかった。レン!
たぶん攻撃魔法は効き目薄だと思うから、阻害系魔法でたたみかけよう。
ソーカはもうバラバラの粉みじんにしよう。
そしたら熱で消し炭にしてやろう。
タロもおんなじ、粉々にして、少しづつ消していこう。リンガーも引き裂いちゃって!」
銀騎士の攻撃はその両手に持った剣をまるで重量もないように振り回す。
力任せに振り回すわけではなく剣技も修めている動きだ。
関節もめちゃくちゃなので物理法則に縛られていると思わぬ攻撃を喰らう。
そして、一番の問題は圧倒的なスピード。
ヴァリィやユキムラが一度体感して身構えていなければ、突然の速度に対応することは困難を極める。
「もう、慣れてんのよ!!」
ヴァリィの棍が胴体部分の鎧をねじりきるように突き刺さる。
そのまま持ち上げて叩きつける。
叩きつけられた地面から無数の触手が鎧に絡みつき、溶解液をはき出す。
レンが召還した魔法生物だ。
じゅうじゅうと音を立てて鎧が腐食していく。
無理矢理引きちぎり立ち上がろうとする騎士にソーカが襲いかかる。
見事に関節の隙間を切り裂いてバラバラにする。
腕の一本に狙いを定める。
「秘剣 千夢霞!」
ソーカの刀が消えたと錯覚するほどの連続斬り、まるで蒸発するかのように腕が細切れになる。
「ヘルズファイア!!」
すぐにレンが魔法を放つ。
地獄の火を思わせる超高温の炎が細切れになった鎧を包む。
金属であろうが一瞬で蒸発する。
黒い部分だけが残るが、依代を失い地面に落ちると灰になって消えていく。
ボロボロになった騎士が中央の石のそばに寄っていく。
追撃をしようとするユキムラたちに中央の石柱から黒い石が打ち込まれる。
一撃ももらうわけにいかないので必死での回避を余儀なくされる。
その隙に騎士が柱に触れると、みるみると今崩した部位が回復していく。
「そういう仕組みか・・・・・・」
そしてもう一体の騎士が産み落とされる。
「この騎士はいくら倒しても無駄だな、大元の柱の岩を排除する!」
ユキムラはすぐに目標を変える。
いわゆる拠点破壊ミッションといわれるやつだ。
対象の耐久度を削りきるまで敵は無限に沸いてくる。
「風龍はあんなだけど、あの保護からはすごい力を感じる。
思いっきりいこう!」
「わかりました!」
「ヴァリィどう? あいつらの強さは?」
「たぶん、私がやられたのと同じくらい強いわね。
でも、皆が居るし、装備もあの時より向上してる」
「1人で1体維持できる? あいつら倒すと増えるからしのぎ続けないといけないけど……」
「余裕!」
「なら任せた! 俺とヴァリィで騎士は足止めする。皆は柱に集中して!」
ユキムラは一体の騎士に猛然と突進する。
襲いかかる斬撃を避けそのまま壁まで叩きつける。
ヴァリィも棍による連続突によって部屋の隅にジリジリと追いやっていく。
「さて、もうお前は逃さないよ」「逃さないわよ~」
ユキムラが言うのと、ヴァリィが言うのとだとなぜか恐怖が違う。なぜだろう?
ユキムラの籠手状の武器もヴァリィの棍も守勢に徹すると非常に固い。
騎士の剣技は威力、精度、そしてスピードは桁外れだ。
それでもすでに慣れている二人が防御に徹している状態で、その鉄壁を抜くことは出来ない。
さらに部屋の角を使い、大きなモーションのある攻撃は封じている。
単純な突き、払いぐらいしか出来ない、振りかぶれば後方の壁に当たる。
そしてユキムラもヴァリィも一歩として後方へは下がらない。
脇を抜ける隙きなどあるはずもない。
その間に残った4人は女神にまとわりつく【穢れ】を破壊していく。
「万物をつなぐ理よ今その縁を断つ。分子崩壊」
まとわりつく【穢れ】レンが放った魔法の範囲内全て粉へと変わる……
「ちょっ! レン! いくらなんでも危険な魔法でしょそれ!?」
「一応風のバリアにも触れないように打ちましたよ?」
「そ、そうか。なんかごめん」
「まぁ師匠が慌てるのもわかります、やばいですねコレ……」
使った本人もドン引きだ。
なぜかこんな凶悪な魔法もVOの中だとごっそりHP削られるだけで済む。
この世界で食らってみようとは思わないけどね。
女神を包む【穢れ】は3人と一匹の猛攻に晒され、あっという間に粉微塵になっていく。
そうして外壁を剥がしていくと禍々しく揺らぐオーブが現れる。
この剣士から攻撃を受けると回復できなくなる恐れがある。
  そのつもりで攻撃は完璧に捌け!
あと、常識を捨ててどんな攻撃にも対応できるように覚悟しといてくれ!」
ユキムラらしくなく強い言葉で忠告する。
それ以外のメンバーも肝に命じておく。
ユキムラは肘部分まで覆う籠手のような武器を両手に装備している。
丸みを帯びたフォルムはその武器の恐ろしさをわかりづらくする。
ユキムラが一気に銀騎士の懐へと入り込む、騎士はすさまじい早さで手に持つ剣を振りその侵入を阻もうとする。
ぎゃりん!!
剣は籠手の丸みで滑るようにはじかれる。
急いで逆の腕に持つ剣を振るおうとするときにはすでに懐に侵入している。
振るおうとしている剣の柄を内側から殴りつける。
その一撃で剣を手放さなかったことは賞賛に値するが完全に身体が開く。
「虎撃! 龍倒!! 8連華!!!」
目にもとまらぬ早さで打ち込まれる無慈悲な打撃、丸みを持つ籠手は受ければ敵の攻撃をはじき、殴ればその重みを十二分に乗せた一撃となる。
喉、両肩、鳩尾、丹田、金的、股関節。
人体であればその打撃を受けるだけでもうまともに動くことは不可能だろう。
事実銀騎士もその腕や脚ははじけ飛びガラガラと音を立てながら床を転がる。
「龍鳳撃」
両手による打撃で胴体部分もはじき飛ばす。
「ユキムラちゃん、まだまだだから気を抜かないでね」
ヴァリィが言うまでもない、あまりに手応えがなさ過ぎる。
殴りつけても空っぽのバケツを殴っているような感触だ。
「ヴァリィはアレどうやって倒したの?」
「もう何度も何度もぶったたいてぺっちゃんこのバラバラにするしかなかったわ」
吹き飛ばされた胴体のところに手足が集まり、少しへこみはできていたが元通りに人型を形成した。
「なるほど、よくわかった。レン!
たぶん攻撃魔法は効き目薄だと思うから、阻害系魔法でたたみかけよう。
ソーカはもうバラバラの粉みじんにしよう。
そしたら熱で消し炭にしてやろう。
タロもおんなじ、粉々にして、少しづつ消していこう。リンガーも引き裂いちゃって!」
銀騎士の攻撃はその両手に持った剣をまるで重量もないように振り回す。
力任せに振り回すわけではなく剣技も修めている動きだ。
関節もめちゃくちゃなので物理法則に縛られていると思わぬ攻撃を喰らう。
そして、一番の問題は圧倒的なスピード。
ヴァリィやユキムラが一度体感して身構えていなければ、突然の速度に対応することは困難を極める。
「もう、慣れてんのよ!!」
ヴァリィの棍が胴体部分の鎧をねじりきるように突き刺さる。
そのまま持ち上げて叩きつける。
叩きつけられた地面から無数の触手が鎧に絡みつき、溶解液をはき出す。
レンが召還した魔法生物だ。
じゅうじゅうと音を立てて鎧が腐食していく。
無理矢理引きちぎり立ち上がろうとする騎士にソーカが襲いかかる。
見事に関節の隙間を切り裂いてバラバラにする。
腕の一本に狙いを定める。
「秘剣 千夢霞!」
ソーカの刀が消えたと錯覚するほどの連続斬り、まるで蒸発するかのように腕が細切れになる。
「ヘルズファイア!!」
すぐにレンが魔法を放つ。
地獄の火を思わせる超高温の炎が細切れになった鎧を包む。
金属であろうが一瞬で蒸発する。
黒い部分だけが残るが、依代を失い地面に落ちると灰になって消えていく。
ボロボロになった騎士が中央の石のそばに寄っていく。
追撃をしようとするユキムラたちに中央の石柱から黒い石が打ち込まれる。
一撃ももらうわけにいかないので必死での回避を余儀なくされる。
その隙に騎士が柱に触れると、みるみると今崩した部位が回復していく。
「そういう仕組みか・・・・・・」
そしてもう一体の騎士が産み落とされる。
「この騎士はいくら倒しても無駄だな、大元の柱の岩を排除する!」
ユキムラはすぐに目標を変える。
いわゆる拠点破壊ミッションといわれるやつだ。
対象の耐久度を削りきるまで敵は無限に沸いてくる。
「風龍はあんなだけど、あの保護からはすごい力を感じる。
思いっきりいこう!」
「わかりました!」
「ヴァリィどう? あいつらの強さは?」
「たぶん、私がやられたのと同じくらい強いわね。
でも、皆が居るし、装備もあの時より向上してる」
「1人で1体維持できる? あいつら倒すと増えるからしのぎ続けないといけないけど……」
「余裕!」
「なら任せた! 俺とヴァリィで騎士は足止めする。皆は柱に集中して!」
ユキムラは一体の騎士に猛然と突進する。
襲いかかる斬撃を避けそのまま壁まで叩きつける。
ヴァリィも棍による連続突によって部屋の隅にジリジリと追いやっていく。
「さて、もうお前は逃さないよ」「逃さないわよ~」
ユキムラが言うのと、ヴァリィが言うのとだとなぜか恐怖が違う。なぜだろう?
ユキムラの籠手状の武器もヴァリィの棍も守勢に徹すると非常に固い。
騎士の剣技は威力、精度、そしてスピードは桁外れだ。
それでもすでに慣れている二人が防御に徹している状態で、その鉄壁を抜くことは出来ない。
さらに部屋の角を使い、大きなモーションのある攻撃は封じている。
単純な突き、払いぐらいしか出来ない、振りかぶれば後方の壁に当たる。
そしてユキムラもヴァリィも一歩として後方へは下がらない。
脇を抜ける隙きなどあるはずもない。
その間に残った4人は女神にまとわりつく【穢れ】を破壊していく。
「万物をつなぐ理よ今その縁を断つ。分子崩壊」
まとわりつく【穢れ】レンが放った魔法の範囲内全て粉へと変わる……
「ちょっ! レン! いくらなんでも危険な魔法でしょそれ!?」
「一応風のバリアにも触れないように打ちましたよ?」
「そ、そうか。なんかごめん」
「まぁ師匠が慌てるのもわかります、やばいですねコレ……」
使った本人もドン引きだ。
なぜかこんな凶悪な魔法もVOの中だとごっそりHP削られるだけで済む。
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