俺の高校生活に平和な日常を
第11章 #64「急襲」
「ハア…ハア…」
草木の中を300メートルぐらい進むとひらけた場所が見えてきた。おそらく悲鳴がしたのはそこだと思う。
「だ、誰か助けてー!?」
「ッ!?」
俺の予想通りそこから女性の声が聞こえてくる。かなり切羽詰まっているようだ。
すでにみんな戦闘体勢は整っていて、すぐに戦える状態にあった。
「行くわよ!?」
有紗のかけ声と同時にひらけた場所に出た俺達。
「ッ!?」
ひらけた場所に出るとすぐ目の前に洞穴があるのが見えた。村の人が言っていた洞穴ってコレのことか。
その洞穴の入り口のところには裸で倒れている女性とそれに戯れる数体のゴブリンが立っていた。物音が聞こえたからか、全員こっちに視線を向けていた。
「グガガガアァ!?」
ゴブリン達は俺達を見るなり、一斉に襲いかかってきた。
「グゲェ!?」
しかし、ゴブリン達の攻撃が届く前に有紗の銃弾がゴブリン2匹の眉間に撃ち込まれた。撃たれたゴブリンは断末魔を上げ倒れていく。
「はあっ!!」
「ギガァッ!?」
倒れたゴブリンを見て一瞬他のゴブリン達が足を止めた。
その隙を逃さず、みのりが双剣でゴブリン2匹の首を掻っ捌いた。
「うおりゃあっ!!」
「ゴギャグッ!?」
あっという間に4匹倒され、残りは1匹。残りのゴブリンは困惑しているかのように辺りをキョロキョロ見回している。そして、自分だけしか残っていないことを悟ると一気に怖気付いた。
少しばかり同情してしまう、わけでもなく、俺は残ったゴブリンの脳天に向かって木の棒を振り下ろした。
俺が使用している木の棒は少しアレンジしていて釘バットみたいに無数の釘を刺している。それにより殺傷能力が高くなっているはず。
そんな木の棒をゴブリンの脳天目掛けて振り下ろすと、グチャという生々しい音と共にゴブリンの頭から血飛沫が上がった。
思いの外グロテスクなことになったゴブリンは断末魔を上げ倒れた。自分で作っておいて言うのもなんだが、想像以上に恐ろしいなこの武器。
「大丈夫ですか?!」
ゴブリン達を倒したあと、梓が女性の方に向かって駆け寄って行った。俺達もそれに続い…
「テンッ!?」
「近づくんじゃないわよ、変態!!」
「…すいません」
行こうとしたが、有紗が俺の顔面に裏拳を入れて制止した。女性が裸にされていたからなのだろうが、なぜ拳で止めた?
---「そしたらいきなりゴブリンが洞穴から出てきて、足を掴まれ、服を引き裂かれて、それから…」
「……」
梓が女性を介抱していると、女性が事の詳細を話してくれた。
どうやらこの女性は隣村の人らしく、近くで薬草や食用の木の実を採取しに来ていた。
しかし、隣村の人達はゴブリン達が近くに住みついたことを知らず、迂闊にも洞穴の近くまで来てしまい、そこでゴブリン達に襲われさっきの状況になってしまったそうだ。
女性は詳細を話していくうちに顔を手で覆い涙を流し始めた。嫌なことを思い出させてしまったようだ。
「…梓ちゃん。その人、村まで送って行って」
「え?」
すると、有紗は梓に女性を村まで送り届けるよう促した。その声からはどことなく怒りを感じた。
「最後に1つだけ聞いておきたいんだけど、他に襲われてる人は見かけなかった?」
「えっ? え、えっと、洞穴の中に連れて行かれそうになった時、微かに人の声が聞こえた、と思います」
有紗は最後に1つだけと言い、女性に問いかけた。女性は覆い隠した顔を恐る恐るあらわにしながら、有紗の問いかけに答えた。女性の言うことがたしかなら他にもゴブリンに襲われ、この洞穴の中に連れて行かれた人がいるってことか。
「わかったわ。ありがとう」
女性の返答に礼を言うと、有紗の視線は洞穴の方に移った。
「行くわよ!」
そして、俺とみのりに向かって一言言うと、洞穴の方へ向かって行った。
「梓、悪いけどその人を頼む」
「え?! う、うん」
「行こうみのり!」
「は、はい!?」
置いて行かれる前に俺は梓に女性を任せるとみのりと一緒に有紗のあとを追いかけて行った。
草木の中を300メートルぐらい進むとひらけた場所が見えてきた。おそらく悲鳴がしたのはそこだと思う。
「だ、誰か助けてー!?」
「ッ!?」
俺の予想通りそこから女性の声が聞こえてくる。かなり切羽詰まっているようだ。
すでにみんな戦闘体勢は整っていて、すぐに戦える状態にあった。
「行くわよ!?」
有紗のかけ声と同時にひらけた場所に出た俺達。
「ッ!?」
ひらけた場所に出るとすぐ目の前に洞穴があるのが見えた。村の人が言っていた洞穴ってコレのことか。
その洞穴の入り口のところには裸で倒れている女性とそれに戯れる数体のゴブリンが立っていた。物音が聞こえたからか、全員こっちに視線を向けていた。
「グガガガアァ!?」
ゴブリン達は俺達を見るなり、一斉に襲いかかってきた。
「グゲェ!?」
しかし、ゴブリン達の攻撃が届く前に有紗の銃弾がゴブリン2匹の眉間に撃ち込まれた。撃たれたゴブリンは断末魔を上げ倒れていく。
「はあっ!!」
「ギガァッ!?」
倒れたゴブリンを見て一瞬他のゴブリン達が足を止めた。
その隙を逃さず、みのりが双剣でゴブリン2匹の首を掻っ捌いた。
「うおりゃあっ!!」
「ゴギャグッ!?」
あっという間に4匹倒され、残りは1匹。残りのゴブリンは困惑しているかのように辺りをキョロキョロ見回している。そして、自分だけしか残っていないことを悟ると一気に怖気付いた。
少しばかり同情してしまう、わけでもなく、俺は残ったゴブリンの脳天に向かって木の棒を振り下ろした。
俺が使用している木の棒は少しアレンジしていて釘バットみたいに無数の釘を刺している。それにより殺傷能力が高くなっているはず。
そんな木の棒をゴブリンの脳天目掛けて振り下ろすと、グチャという生々しい音と共にゴブリンの頭から血飛沫が上がった。
思いの外グロテスクなことになったゴブリンは断末魔を上げ倒れた。自分で作っておいて言うのもなんだが、想像以上に恐ろしいなこの武器。
「大丈夫ですか?!」
ゴブリン達を倒したあと、梓が女性の方に向かって駆け寄って行った。俺達もそれに続い…
「テンッ!?」
「近づくんじゃないわよ、変態!!」
「…すいません」
行こうとしたが、有紗が俺の顔面に裏拳を入れて制止した。女性が裸にされていたからなのだろうが、なぜ拳で止めた?
---「そしたらいきなりゴブリンが洞穴から出てきて、足を掴まれ、服を引き裂かれて、それから…」
「……」
梓が女性を介抱していると、女性が事の詳細を話してくれた。
どうやらこの女性は隣村の人らしく、近くで薬草や食用の木の実を採取しに来ていた。
しかし、隣村の人達はゴブリン達が近くに住みついたことを知らず、迂闊にも洞穴の近くまで来てしまい、そこでゴブリン達に襲われさっきの状況になってしまったそうだ。
女性は詳細を話していくうちに顔を手で覆い涙を流し始めた。嫌なことを思い出させてしまったようだ。
「…梓ちゃん。その人、村まで送って行って」
「え?」
すると、有紗は梓に女性を村まで送り届けるよう促した。その声からはどことなく怒りを感じた。
「最後に1つだけ聞いておきたいんだけど、他に襲われてる人は見かけなかった?」
「えっ? え、えっと、洞穴の中に連れて行かれそうになった時、微かに人の声が聞こえた、と思います」
有紗は最後に1つだけと言い、女性に問いかけた。女性は覆い隠した顔を恐る恐るあらわにしながら、有紗の問いかけに答えた。女性の言うことがたしかなら他にもゴブリンに襲われ、この洞穴の中に連れて行かれた人がいるってことか。
「わかったわ。ありがとう」
女性の返答に礼を言うと、有紗の視線は洞穴の方に移った。
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