俺の高校生活に平和な日常を
第11章 #35「登録完了」
「…ぷっ」
「………」
後ろから吹き出し笑いのような声が聞こえ、俺は後ろを振り返った。
すると、笑いを堪えようと口を手で覆ったり、頬を膨らましたり後ろを向いたままクスクスしている有紗達3人がいた。盛大に笑ってくれるならまだしも、若干気遣われている方が傷つくんだけど。本当に気を遣っているのかどうかは知らんが。
「えっ、えっーと、和彦さんのステータスは全体的に少し低いんですけど、LUKはかなり高い方なので賭け事とかには多少向いていると思いますよ」
一方、サキさんは必死にフォローを入れてくれているが、それ冒険者に必要なのか? っていうかそれは最早ただのギャンブラーなのでは?
「あっ、でもレベル20に上がれば賢者に転職できるっていう…」
「すいません。そのようなシステムはありませんね」
「…そ、そうですか」
『ド◯クエなら賢者に転職できるからこの世界でも』と思ったが、俺の期待も虚しくサキさんが食い気味に首を横に振った。遊び人というジョブがある割りに転職システムがないなんて辛すぎだろ。
「で、でもそれぞれのジョブには特有のスキルがありますし、それをうまく使えば戦闘や探索にもきっと役立つと思います」
落ち込む俺を見かねてかサキさんは再び俺にフォローを入れてきた。俺がサキさんを困らせているように思えるのはなぜだろう。
「…まあ、いっか」
けど、サキさんの言葉を聞いて少しは希望が見えてきた気がした。もしサキさんの言うことが本当なら俺でも少しは役に立つかもしれない。
そう思った俺は現実を受け入れることにした。それにいつまで落ち込んでも状況が変わるわけないしな。
「遊び人で登録お願いします」
俺はサキさんにそう言った。
---「これで皆様の登録は完了しました。冒険者の皆様には防具一式と資金をお渡し致しますので少々お待ちください」
その後、全員なんとか冒険者登録を済ませると、サキさんは防具と資金を取りに受付の奥へ消えて行った。
「ねえ、お兄ちゃん」
「ん?」
そんななか、梓が俺に話しかけてきた。
「その…大丈夫?」
梓は心配そうな表情を浮かべていた。さっきは不意を突かれたから思わず笑ってしまったのだろうけど、なんだかんだで心配してくれてるいい妹だ。
「まあ、なんとかなるって」
そんな梓に俺は短絡的な言い方で返した。現状、それ以上言えることがなかったしな。
---「お待たせしました。こちら防具一式と資金になります。どうぞお役立てください」
サキさんは帰ってくると、せっせと防具と資金が入った小さい布袋を4人分に分け、俺達の前に出してくれた。防具一式といっても鉄の胸当てとアイテムを入れるためのポーチだけだし、資金もちょっとだけしか入っていなかった。まあ支給用なんてこんなものか。
「色々とありがとうございました」
「いえ。皆様の冒険が素晴らしいものになりますよう心より願っております」
俺がサキさんにお礼を言うと、サキさんは微笑みを浮かべて一礼した。
そして俺達は今後の予定を立てるべく1度宿に戻ることにした。
「………」
後ろから吹き出し笑いのような声が聞こえ、俺は後ろを振り返った。
すると、笑いを堪えようと口を手で覆ったり、頬を膨らましたり後ろを向いたままクスクスしている有紗達3人がいた。盛大に笑ってくれるならまだしも、若干気遣われている方が傷つくんだけど。本当に気を遣っているのかどうかは知らんが。
「えっ、えっーと、和彦さんのステータスは全体的に少し低いんですけど、LUKはかなり高い方なので賭け事とかには多少向いていると思いますよ」
一方、サキさんは必死にフォローを入れてくれているが、それ冒険者に必要なのか? っていうかそれは最早ただのギャンブラーなのでは?
「あっ、でもレベル20に上がれば賢者に転職できるっていう…」
「すいません。そのようなシステムはありませんね」
「…そ、そうですか」
『ド◯クエなら賢者に転職できるからこの世界でも』と思ったが、俺の期待も虚しくサキさんが食い気味に首を横に振った。遊び人というジョブがある割りに転職システムがないなんて辛すぎだろ。
「で、でもそれぞれのジョブには特有のスキルがありますし、それをうまく使えば戦闘や探索にもきっと役立つと思います」
落ち込む俺を見かねてかサキさんは再び俺にフォローを入れてきた。俺がサキさんを困らせているように思えるのはなぜだろう。
「…まあ、いっか」
けど、サキさんの言葉を聞いて少しは希望が見えてきた気がした。もしサキさんの言うことが本当なら俺でも少しは役に立つかもしれない。
そう思った俺は現実を受け入れることにした。それにいつまで落ち込んでも状況が変わるわけないしな。
「遊び人で登録お願いします」
俺はサキさんにそう言った。
---「これで皆様の登録は完了しました。冒険者の皆様には防具一式と資金をお渡し致しますので少々お待ちください」
その後、全員なんとか冒険者登録を済ませると、サキさんは防具と資金を取りに受付の奥へ消えて行った。
「ねえ、お兄ちゃん」
「ん?」
そんななか、梓が俺に話しかけてきた。
「その…大丈夫?」
梓は心配そうな表情を浮かべていた。さっきは不意を突かれたから思わず笑ってしまったのだろうけど、なんだかんだで心配してくれてるいい妹だ。
「まあ、なんとかなるって」
そんな梓に俺は短絡的な言い方で返した。現状、それ以上言えることがなかったしな。
---「お待たせしました。こちら防具一式と資金になります。どうぞお役立てください」
サキさんは帰ってくると、せっせと防具と資金が入った小さい布袋を4人分に分け、俺達の前に出してくれた。防具一式といっても鉄の胸当てとアイテムを入れるためのポーチだけだし、資金もちょっとだけしか入っていなかった。まあ支給用なんてこんなものか。
「色々とありがとうございました」
「いえ。皆様の冒険が素晴らしいものになりますよう心より願っております」
俺がサキさんにお礼を言うと、サキさんは微笑みを浮かべて一礼した。
そして俺達は今後の予定を立てるべく1度宿に戻ることにした。
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