俺の高校生活に平和な日常を
第11章 #27「同行しない理由」
---「えっ?! 明日も一緒に来てくれるんじゃないんですか?!」
腹がいっぱいになり、少し落ち着くと明日の話をしていたのだが、シルヴィアさんから『明日からは自分達で行動して欲しい』と言われた。俺はてっきり明日までは一緒に行動してくれるのかと思っていたから少々驚いていた。
「ああ。今日は君達に街の案内をする為に特別に休暇を貰ったんだ。明日からは仕事に戻るつもりだよ」
「そ、そんな」
シルヴィアさんは酒を飲みながら子供に納得させるかのように理由を述べた。
それでも俺はショックと不安に襲われた。明日からこの見ず知らずの世界で自分達の力で生きていかなければいけないのだから。
「…いいかカズヒコ」
俺がそのことに不安を抱いていると、シルヴィアさんが優しい表情を浮かべながらも真面目な口調で話始めた。
「この世界は色んな世界から来た者達と盛んに交流し合っている。特にアルディーンはな。あそこの2人を見てみろ」
話の最中にシルヴィアさんは突然、俺の後ろの方に指を指し、見るように促してきた。俺達はシルヴィアさんが指を指した方に視線を移した。
そこにはカウンター席で2人の男達が酒を飲みながら談笑していた。
1人は30代ぐらいのガタイのいい普通のおじさんだが、もう1人は、っと言っても人と呼んでいいのかわからないが、長身で全身緑色の鱗を纏っていた。人型のトカゲのようだ。
「あのガタイのいい男はは元々アルディーンの出身だが、もう1人は竜人(りゅうびと)族と呼ばれる人種で、君達と同じく別の世界から来た者だ」
シルヴィアさんは2人のことについて説明を入れてくれた。もう1人のトカゲのような人は俺達と同じ転移者らしい。それにしては随分と馴染んでいるというか、すっかり溶け込んでいるように見える。言われるまで同じ境遇だとは思わなかったと思う程に。
「彼だけじゃない。周りをよく見てみろ。ここにいる殆どは別の世界からやって来た者達ばかりだ。ドワーフ族、エルフ族、巨人族、小人族、獣人族。他にも色んな種族がいるが、どの種族も元々はこの世界には居なかったんだ。今では人口の割合は6:4でほぼ同じぐらいの割合でその者達が占めている」
シルヴィアさんに促され周りを見ると、たしかに色んな種族の人達が種族関係なく酒を飲み、笑い合っている。てっきり最初からこの世界にいた人達かと思っていた。
「皆、君達と同じ境遇に合ってきた。無論、最初は不安なことだらけだっただろうが、見ての通り今は皆種族は違えど楽しく酒を飲み交わしている。私が言いたいのは、皆君達と同じ境遇を味わったからこそ君達の気持ちを良く理解している。だから、怖がらず君達自身で交流してみて欲しい。大丈夫、きっと快く受け入れてくれる筈さ」
シルヴィアさんの話を聞いて、同行しない本当の理由がわかった気がする。きっとシルヴィアさんはこの世界の人達とたくさん交流して欲しいのだろう。そして、この世界のことをもっと知り、なおかつ他種族とも親睦を深めてもらいたいのかもしれない。あくまで推測にすぎないが。
人見知りな俺には酷な話だが、異世界で生活せざるを得ない以上、避けては通れまい。まあいざとなればコミュ力の高い梓とみのりがいるしきっと大丈夫だろう。
---そう思いながらその後は食後のデザートに舌鼓を打つ俺達だった。
腹がいっぱいになり、少し落ち着くと明日の話をしていたのだが、シルヴィアさんから『明日からは自分達で行動して欲しい』と言われた。俺はてっきり明日までは一緒に行動してくれるのかと思っていたから少々驚いていた。
「ああ。今日は君達に街の案内をする為に特別に休暇を貰ったんだ。明日からは仕事に戻るつもりだよ」
「そ、そんな」
シルヴィアさんは酒を飲みながら子供に納得させるかのように理由を述べた。
それでも俺はショックと不安に襲われた。明日からこの見ず知らずの世界で自分達の力で生きていかなければいけないのだから。
「…いいかカズヒコ」
俺がそのことに不安を抱いていると、シルヴィアさんが優しい表情を浮かべながらも真面目な口調で話始めた。
「この世界は色んな世界から来た者達と盛んに交流し合っている。特にアルディーンはな。あそこの2人を見てみろ」
話の最中にシルヴィアさんは突然、俺の後ろの方に指を指し、見るように促してきた。俺達はシルヴィアさんが指を指した方に視線を移した。
そこにはカウンター席で2人の男達が酒を飲みながら談笑していた。
1人は30代ぐらいのガタイのいい普通のおじさんだが、もう1人は、っと言っても人と呼んでいいのかわからないが、長身で全身緑色の鱗を纏っていた。人型のトカゲのようだ。
「あのガタイのいい男はは元々アルディーンの出身だが、もう1人は竜人(りゅうびと)族と呼ばれる人種で、君達と同じく別の世界から来た者だ」
シルヴィアさんは2人のことについて説明を入れてくれた。もう1人のトカゲのような人は俺達と同じ転移者らしい。それにしては随分と馴染んでいるというか、すっかり溶け込んでいるように見える。言われるまで同じ境遇だとは思わなかったと思う程に。
「彼だけじゃない。周りをよく見てみろ。ここにいる殆どは別の世界からやって来た者達ばかりだ。ドワーフ族、エルフ族、巨人族、小人族、獣人族。他にも色んな種族がいるが、どの種族も元々はこの世界には居なかったんだ。今では人口の割合は6:4でほぼ同じぐらいの割合でその者達が占めている」
シルヴィアさんに促され周りを見ると、たしかに色んな種族の人達が種族関係なく酒を飲み、笑い合っている。てっきり最初からこの世界にいた人達かと思っていた。
「皆、君達と同じ境遇に合ってきた。無論、最初は不安なことだらけだっただろうが、見ての通り今は皆種族は違えど楽しく酒を飲み交わしている。私が言いたいのは、皆君達と同じ境遇を味わったからこそ君達の気持ちを良く理解している。だから、怖がらず君達自身で交流してみて欲しい。大丈夫、きっと快く受け入れてくれる筈さ」
シルヴィアさんの話を聞いて、同行しない本当の理由がわかった気がする。きっとシルヴィアさんはこの世界の人達とたくさん交流して欲しいのだろう。そして、この世界のことをもっと知り、なおかつ他種族とも親睦を深めてもらいたいのかもしれない。あくまで推測にすぎないが。
人見知りな俺には酷な話だが、異世界で生活せざるを得ない以上、避けては通れまい。まあいざとなればコミュ力の高い梓とみのりがいるしきっと大丈夫だろう。
---そう思いながらその後は食後のデザートに舌鼓を打つ俺達だった。
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