俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第11章 #22「宿『エルブ』」

 ---「ここはアルディーン国内でも評判の良い宿場だ」

 ギルドから少し離れ、やや人通りの多い道の途中でシルヴィアさんは足を止めた。どうやらここら辺は宿場街らしくそれらしき建物があちこちに建っていた。

 なかでも他の建物よりひと回り大きな木造建築の建物の前で足を止めたシルヴィアさんは一言だけ説明すると、そのまま中に入って行った。無論、俺達もそのあとに続いた。

 ---「すまないアリア。4人分の部屋を借りたいのだが、部屋は空いているだろうか?」

 「あー、シルヴィアちゃーん?! いらっしゃいませー。えーっと、4名様ですかー? 少々お待ちくださーい」

 中に入るとすぐ目の前に受付カウンターがあり、そこには受付嬢らしき女性が立っていた。

 背丈は俺とほとんど同じくらいだろうか。ロングで赤髪のゆるふわカールをしており、ロングのメイド服っぽい服装を身につけていた。あと、服がはち切れそうなほど豊満な胸が特徴的だ。

 シルヴィアさんが話しかけると、おっとりとした口調と表情で対応していた。話を聞いている感じどうやら2人は知り合いのようだ。

 「シルヴィアさんはこちらの方とお知り合いなんですか?」

 そのことが気になったのか、みのりがそのことをシルヴィアさんに問いかけた。

 「ああ。彼女はアリア・エルブシュタイン。ここの宿『エルブ』の1人娘で、私の数少ない友人だ」

 みのりの問いかると、シルヴィアさんは彼女の簡単な紹介をしてくれた。シルヴィアさんの紹介が終わるとアリアさんは「どーもー」とまたおっとりとした口調と表情で軽く手を振った。なんというか、シルヴィアさんの友人とは思えないほどおっとりしている。性格とか相対してそうだが。

 「えーっと、今空いているお部屋はー…」

 アリアさんは後ろにある書棚から1冊の本を取り出し、パラパラと本をめくり出した。多分、宿泊者名簿を見て空き部屋を確認しているのだろう。

 「んー、ごめんなさい。4部屋は空いてないんですけど…」

 「けど?」

 しかし、アリアさんは申し訳なさそうにそう告げるが、まだ続きがあるようで、シルヴィアさんが食い気味に問いかけた。

 「2人部屋のお部屋ならー、2部屋空いてますけどー、どーなさいますー?」

 「ふむ。2人部屋2つか…うん。それで構わない。よろしく頼む」

 「はいはーい!」

 さすがに4部屋は空いていなかったようだが、2人部屋なら2部屋空いているそうだ。

 シルヴィアさんは仕方ないとアリアさんの提案に乗ったが、2人部屋となると、だれと一緒の部屋になるかが問題だ。

 泊まるのは俺と有紗とみのりと梓だから…ってアレ?

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