俺の高校生活に平和な日常を
第11章 #21「ギルド」
---「さて、ここがギルドと呼ばれる冒険者達をサポートしてくれる為の施設だ」
この世界に時間の概念がないという事実を知り、驚愕しているなか、シルヴィアさんは大きな建物の前で立ち止まった。
趣のある木造建築に大きな看板が立ててあるが、この国の言葉だからだろうか、まったく読めない文字が書かれていた。
「アレは『ウディール』と書かれていて、それがギルドの正式な名前だ。名前の由来はたしか、冒険の神の名から取ったらしい」
それを察したかのようにシルヴィアさんが説明を入れてくれた。日本には八百万の神がいると言われているが、冒険の神なんて初めて聞いたな。この世界独自の神なのだろうか?
「君達はこれから冒険者となるから色々と世話になるだろうが、今日はあまり時間がないからな。冒険者登録は後日してみるといい」
「…はい?」
シルヴィアさんからサラリと初耳の情報が飛び出し、俺は目を丸くした。冒険者? 登録?
「ああ、すまない。肝心な事を言い忘れていたようだな。君達はこれから冒険者になって貰う。国からの支援には限界がある。だが、ギルドに冒険者登録しておけば、各国の他ギルドからの支援が受けられるから魔王討伐を目指すならその方が良いだろう。まあ支援と言っても安物の武具とポーション類等の回復アイテム、あと食べ物ぐらいしかないがな」
「な、なるほど」
またしてもシルヴィアさんは俺の意思を察するかのように説明をしてくれた。そういう理由ならば仕方ないかと俺は納得した。
「だが、ギルドはそれだけではない。ギルドに依頼された任務をこなせれば報酬が出る。今後、君達がこの世界で暮らしていく為の資金や魔王軍と戦う為の強力な装備もきっと手に入れられるだろう。依頼をこなし経験値を得、その上報酬も貰えるのだから君達にとっては良い事づくめだと思うぞ」
さらに付け足すようにギルドの説明をするシルヴィアさん。たしかに話を聞く限りだと俺達にとっては悪い話ではなさそうだ。この世界の勝手も知らずに魔王討伐なんて夢のまた夢だ。まあ最初(はな)から魔王に勝てるだなんて思ってはいないが、有紗がああ言ってしまった以上、元いた世界に帰るにはやるしかない。
「さて、とりあえずその事については後日ギルドの者に色々と聞いて貰うことにして、次に行こうか」
ひとしきり説明を終えたシルヴィアさんはギルドの中には入らず、そのまま次の場所に向かって歩いて行った。そのあとを俺達はなにも言わずについて行くことにした。
この世界に時間の概念がないという事実を知り、驚愕しているなか、シルヴィアさんは大きな建物の前で立ち止まった。
趣のある木造建築に大きな看板が立ててあるが、この国の言葉だからだろうか、まったく読めない文字が書かれていた。
「アレは『ウディール』と書かれていて、それがギルドの正式な名前だ。名前の由来はたしか、冒険の神の名から取ったらしい」
それを察したかのようにシルヴィアさんが説明を入れてくれた。日本には八百万の神がいると言われているが、冒険の神なんて初めて聞いたな。この世界独自の神なのだろうか?
「君達はこれから冒険者となるから色々と世話になるだろうが、今日はあまり時間がないからな。冒険者登録は後日してみるといい」
「…はい?」
シルヴィアさんからサラリと初耳の情報が飛び出し、俺は目を丸くした。冒険者? 登録?
「ああ、すまない。肝心な事を言い忘れていたようだな。君達はこれから冒険者になって貰う。国からの支援には限界がある。だが、ギルドに冒険者登録しておけば、各国の他ギルドからの支援が受けられるから魔王討伐を目指すならその方が良いだろう。まあ支援と言っても安物の武具とポーション類等の回復アイテム、あと食べ物ぐらいしかないがな」
「な、なるほど」
またしてもシルヴィアさんは俺の意思を察するかのように説明をしてくれた。そういう理由ならば仕方ないかと俺は納得した。
「だが、ギルドはそれだけではない。ギルドに依頼された任務をこなせれば報酬が出る。今後、君達がこの世界で暮らしていく為の資金や魔王軍と戦う為の強力な装備もきっと手に入れられるだろう。依頼をこなし経験値を得、その上報酬も貰えるのだから君達にとっては良い事づくめだと思うぞ」
さらに付け足すようにギルドの説明をするシルヴィアさん。たしかに話を聞く限りだと俺達にとっては悪い話ではなさそうだ。この世界の勝手も知らずに魔王討伐なんて夢のまた夢だ。まあ最初(はな)から魔王に勝てるだなんて思ってはいないが、有紗がああ言ってしまった以上、元いた世界に帰るにはやるしかない。
「さて、とりあえずその事については後日ギルドの者に色々と聞いて貰うことにして、次に行こうか」
ひとしきり説明を終えたシルヴィアさんはギルドの中には入らず、そのまま次の場所に向かって歩いて行った。そのあとを俺達はなにも言わずについて行くことにした。
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