俺の高校生活に平和な日常を
第10章 #15「違うに決まってんでしょ!?」
---「和彦、あんた、見た?」
「な、なにが?」
店を出たあと、有紗が不意にそう問いかけてきた。不意を突かれて一瞬驚いてしまったが、なんとかごまかそうとした。
「…なんでもない」
すると、自分から口にするのが恥ずかしくなったのか、有紗はそっぽを向いてそれ以上は聞いてこなかった。
「あら? 和彦君と有紗さんじゃないですか?」
「ん?」
気まずい雰囲気になりかけたそのとき、後ろからだれかが声をかけてきた。
「あっ、綴さん!」
振り返るとそこにはチャイナドレス姿の綴さんがいた。紙の束を持っているところからすると多分、宣伝のビラ配りとかだろう。
「……」
「?」
それにしても綴さんのチャイナドレス姿が見事に似合っているというか、ちょっとエロく見える。まあチャイナドレスって大体エロく見えるんだろうけど。
「んぐすっ!?」
そんなことを思いながら綴さんを見ていると、有紗の肘が俺の脇腹にものすごいスピードで入ってきた。あまりのスピードの勢いとものすごい激痛によろめいて倒れそうになったが、ギリギリのところでなんとか耐えた。
イーリスちゃんといい有紗といいどっからそんな人間離れした瞬発的なスピードが出てくるのだろうか?
「そ、それより司君は一緒じゃないの?姿が見えないけど」
「え? 司ですか? 司ならあそこでお店の宣伝してますけど」
「ん?」
俺は綴さんにエロい目で見てしまったことを気づかれないようにふとした疑問を綴さんに問いかけてみた。いつも一緒にいる司君の姿が見当たらなかったのだ。
そんな問いかけに綴さんは俺達の後ろの方を指差しながらあっさりと俺の問いかけに答えた。その指に促されるように俺と有紗は後ろを向いた。
すると、ちょっと離れた場所にカラフルでかわいらしいフォントで『1-2 コスプレ喫茶 営業中!!』と書かれた看板を大きく掲げたトラの着ぐるみがいた。
「…ひょっとして、あれが、司君?」
「はい。そうですけど」
俺はいちおう確認のために綴さんに問いかけてみると、綴さんはほぼ即答でそう答えた。
トラの着ぐるみを着ているから一瞬だれかわからなかったが、「うまいっスよー! 安いっスよー!! 楽しいっスよー!!!」的なことを叫んでいたから間違いなくあのトラの着ぐるみが司君であると理解した。
どうやら一生懸命店の宣伝してくれているようだ。まあ着ぐるみがコスプレの部類に入るのかどうかは疑問だが、学園祭だしあまり気にしないようにしとこう。
「それより、2人は今『デート』中、なんですか?」
「…えっ?!」
「ッ?!」
司君の様子をしばらく眺めていると、突然綴さんがとんでもないことを口にした。その発言に俺と有紗は驚愕していた。
しかし、言われてみればたしかにこれは世間の人から見たら立派なデートに見える。そう言われると嬉しいような恥ずかしいような。
「あの、前から気になっていたんですけど」
「な、なに?」
そんな中、綴さんはなにか聞きたそうにしていた。この流れで聞きたいことって、まさか…
「お2人は『お付き合い』されているんですか?」
「「ッッ!?!?」」
と思っていた矢先、俺の予感は的中してしまった。やっぱりそうくるか。
「いや、俺達はそういうんじゃ…」
「違うに決まってんでしょ!?」
「ッ!?」
そう見られるのも多少なりの優越感があったが、さすがに誤解されるのはダメだと思い、俺はやんわり否定しようとした。
すると、有紗が必死な表情を浮かべながら怒声を放つかように大声で否定した。
なぜだろう。事実なのにこんなに悲しい気持ちになるのは。
「な、なにが?」
店を出たあと、有紗が不意にそう問いかけてきた。不意を突かれて一瞬驚いてしまったが、なんとかごまかそうとした。
「…なんでもない」
すると、自分から口にするのが恥ずかしくなったのか、有紗はそっぽを向いてそれ以上は聞いてこなかった。
「あら? 和彦君と有紗さんじゃないですか?」
「ん?」
気まずい雰囲気になりかけたそのとき、後ろからだれかが声をかけてきた。
「あっ、綴さん!」
振り返るとそこにはチャイナドレス姿の綴さんがいた。紙の束を持っているところからすると多分、宣伝のビラ配りとかだろう。
「……」
「?」
それにしても綴さんのチャイナドレス姿が見事に似合っているというか、ちょっとエロく見える。まあチャイナドレスって大体エロく見えるんだろうけど。
「んぐすっ!?」
そんなことを思いながら綴さんを見ていると、有紗の肘が俺の脇腹にものすごいスピードで入ってきた。あまりのスピードの勢いとものすごい激痛によろめいて倒れそうになったが、ギリギリのところでなんとか耐えた。
イーリスちゃんといい有紗といいどっからそんな人間離れした瞬発的なスピードが出てくるのだろうか?
「そ、それより司君は一緒じゃないの?姿が見えないけど」
「え? 司ですか? 司ならあそこでお店の宣伝してますけど」
「ん?」
俺は綴さんにエロい目で見てしまったことを気づかれないようにふとした疑問を綴さんに問いかけてみた。いつも一緒にいる司君の姿が見当たらなかったのだ。
そんな問いかけに綴さんは俺達の後ろの方を指差しながらあっさりと俺の問いかけに答えた。その指に促されるように俺と有紗は後ろを向いた。
すると、ちょっと離れた場所にカラフルでかわいらしいフォントで『1-2 コスプレ喫茶 営業中!!』と書かれた看板を大きく掲げたトラの着ぐるみがいた。
「…ひょっとして、あれが、司君?」
「はい。そうですけど」
俺はいちおう確認のために綴さんに問いかけてみると、綴さんはほぼ即答でそう答えた。
トラの着ぐるみを着ているから一瞬だれかわからなかったが、「うまいっスよー! 安いっスよー!! 楽しいっスよー!!!」的なことを叫んでいたから間違いなくあのトラの着ぐるみが司君であると理解した。
どうやら一生懸命店の宣伝してくれているようだ。まあ着ぐるみがコスプレの部類に入るのかどうかは疑問だが、学園祭だしあまり気にしないようにしとこう。
「それより、2人は今『デート』中、なんですか?」
「…えっ?!」
「ッ?!」
司君の様子をしばらく眺めていると、突然綴さんがとんでもないことを口にした。その発言に俺と有紗は驚愕していた。
しかし、言われてみればたしかにこれは世間の人から見たら立派なデートに見える。そう言われると嬉しいような恥ずかしいような。
「あの、前から気になっていたんですけど」
「な、なに?」
そんな中、綴さんはなにか聞きたそうにしていた。この流れで聞きたいことって、まさか…
「お2人は『お付き合い』されているんですか?」
「「ッッ!?!?」」
と思っていた矢先、俺の予感は的中してしまった。やっぱりそうくるか。
「いや、俺達はそういうんじゃ…」
「違うに決まってんでしょ!?」
「ッ!?」
そう見られるのも多少なりの優越感があったが、さすがに誤解されるのはダメだと思い、俺はやんわり否定しようとした。
すると、有紗が必死な表情を浮かべながら怒声を放つかように大声で否定した。
なぜだろう。事実なのにこんなに悲しい気持ちになるのは。
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