俺の高校生活に平和な日常を
第10章 #14「有紗と2人で(後編)」
---「お待たせしました! こちら、パンケーキとオレンジジュースになります!」
「…あのー」
「はい?」
注文してから数分後、店員さんが俺達のテーブルに注文したパンケーキとオレンジジュースを運んできた、のだが、俺はそれを見た瞬間に違和感を感じ、思わず店員さんに声をかけた。
「あのー、パンケーキとジュース、2人前で注文したはずなんですけど」
「? はい」
「いや、はいじゃなくて…」
俺は申しわけないと思いながらもどうにかその違和感を伝えようとしたが、店員さんは全く気づく様子がない。見た瞬間に気づくほどに違和感はあると思うんだが。
俺がなにを言いたいかと言うと、同じものを2人前で注文したはずなのに、パンケーキ一皿とオレンジジュースの入ったやや大きめのグラスが1つしか運ばれてきていないのだ。
パンケーキ(上にかわいらしくイチゴクリームでハートマークが描かれている)は6段に積まれ、オレンジジュースに至ってはストローがハートの形になっている。こんなのアニメとかでしか見たことないんだけど。
「すいません。ウチの店では2人前はこういう形で提供させて頂いてまして」
「は、はあ…」
そのことに店員さんはそう説明したが、全然納得はしていなかった。だって、明らかにカップル向けのやつじゃん。男2人で来たらどうすんだよ?
「では、ごゆっくりー♡」
店員さんはそう言うと、また元の位置に戻って行った。なんか店員さんの顔が上機嫌っぽく見えたのは気のせいだろうか?
---「……」
それからしばらくはお互い様子を伺うように顔をチラ見てしていた。自分からいくべきなのか、それとも相手に譲るべきなのか迷っているのだ。
「あの2人、まだ手ぇつけてないの? もー、焦ったい!」
「でも、その方がピュアな感じがして逆にかわいくていいじゃん♡」
それにしても、俺の後ろで店員さん達がヒソヒソとなにか言ってるのがものすごく気になる。明らかに俺達のことを言ってるんだろうけど、それがなおさら気になってしまう。
---「……」
パンケーキとジュースが運ばれてから数分が経つが、未だに俺達はどちらにも口をつけれずにいた。最早、チキンレースでもやっているのかとさえ思えてくる。
だがしかし、それもそろそろ終わりを迎えそうだ。
なぜなら、めちゃくちゃのどが渇いてきたのだ。午前中はほぼ飲まず食わずで動いてたし、その上この妙な緊張感のせいで変な汗が出まくっていた。
「……」
俺はおもむろに目を閉じながらストロー口のところに口を近づけていった。大丈夫、ちょっと飲み物飲むだけた。他意はないわけだからこれぐらいなんの問題もないはずだ。
「…んっ」
そして俺はとうとうストローに口をつけた。そのときだった。
「きゃあー♡」
俺がストローに口をつけた途端、どこからか嬉しそうな悲鳴が聞こえてきた。おそらく店員さん達なのだろうが、ようやく口をつけたぐらいで騒ぎ過ぎな気がする。
あまりにも気になった俺は、おもむろに目を開けた。一体、なにがそんなに嬉しいのだろう…
「ッ!?」
かと思っていた矢先だった。俺の視界に映ったのは、同じように目を閉じ、同じようにストローに口をつけ、そして同じようにジュースを飲もうとする有紗の姿だった。
驚くあまり思わず声を出してしまいそうになったが、バレるとヤバいと思い、なんとか声を押し殺した。
「……」
バレないように薄目で見ているが、なんかものすごい胸がドキドキする。まるでキス顔でも見ているかのようだ。
「……」
淡いピンク色にプルっとした唇が俺の目の前にある。その唇は口づけしたくなるほどにきれいだった。
そんなことを考えてしまうと余計胸がドキドキしてきた。たが不思議と悪くはなかった。
---そんなことがありながらも俺達は急ぐように店を後にするのだった。会計のときに店員さんに「がんばってください♡」と言われたのは妙に気になるけどな。
「…あのー」
「はい?」
注文してから数分後、店員さんが俺達のテーブルに注文したパンケーキとオレンジジュースを運んできた、のだが、俺はそれを見た瞬間に違和感を感じ、思わず店員さんに声をかけた。
「あのー、パンケーキとジュース、2人前で注文したはずなんですけど」
「? はい」
「いや、はいじゃなくて…」
俺は申しわけないと思いながらもどうにかその違和感を伝えようとしたが、店員さんは全く気づく様子がない。見た瞬間に気づくほどに違和感はあると思うんだが。
俺がなにを言いたいかと言うと、同じものを2人前で注文したはずなのに、パンケーキ一皿とオレンジジュースの入ったやや大きめのグラスが1つしか運ばれてきていないのだ。
パンケーキ(上にかわいらしくイチゴクリームでハートマークが描かれている)は6段に積まれ、オレンジジュースに至ってはストローがハートの形になっている。こんなのアニメとかでしか見たことないんだけど。
「すいません。ウチの店では2人前はこういう形で提供させて頂いてまして」
「は、はあ…」
そのことに店員さんはそう説明したが、全然納得はしていなかった。だって、明らかにカップル向けのやつじゃん。男2人で来たらどうすんだよ?
「では、ごゆっくりー♡」
店員さんはそう言うと、また元の位置に戻って行った。なんか店員さんの顔が上機嫌っぽく見えたのは気のせいだろうか?
---「……」
それからしばらくはお互い様子を伺うように顔をチラ見てしていた。自分からいくべきなのか、それとも相手に譲るべきなのか迷っているのだ。
「あの2人、まだ手ぇつけてないの? もー、焦ったい!」
「でも、その方がピュアな感じがして逆にかわいくていいじゃん♡」
それにしても、俺の後ろで店員さん達がヒソヒソとなにか言ってるのがものすごく気になる。明らかに俺達のことを言ってるんだろうけど、それがなおさら気になってしまう。
---「……」
パンケーキとジュースが運ばれてから数分が経つが、未だに俺達はどちらにも口をつけれずにいた。最早、チキンレースでもやっているのかとさえ思えてくる。
だがしかし、それもそろそろ終わりを迎えそうだ。
なぜなら、めちゃくちゃのどが渇いてきたのだ。午前中はほぼ飲まず食わずで動いてたし、その上この妙な緊張感のせいで変な汗が出まくっていた。
「……」
俺はおもむろに目を閉じながらストロー口のところに口を近づけていった。大丈夫、ちょっと飲み物飲むだけた。他意はないわけだからこれぐらいなんの問題もないはずだ。
「…んっ」
そして俺はとうとうストローに口をつけた。そのときだった。
「きゃあー♡」
俺がストローに口をつけた途端、どこからか嬉しそうな悲鳴が聞こえてきた。おそらく店員さん達なのだろうが、ようやく口をつけたぐらいで騒ぎ過ぎな気がする。
あまりにも気になった俺は、おもむろに目を開けた。一体、なにがそんなに嬉しいのだろう…
「ッ!?」
かと思っていた矢先だった。俺の視界に映ったのは、同じように目を閉じ、同じようにストローに口をつけ、そして同じようにジュースを飲もうとする有紗の姿だった。
驚くあまり思わず声を出してしまいそうになったが、バレるとヤバいと思い、なんとか声を押し殺した。
「……」
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