俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第10章 #10「大繁盛?」

 ---「ありがとうこざいましたー!」

 「あ、ありがとう、ござい、ました」

 写真撮影が終わったあと、女性2人組はコーヒーを飲んで帰って行った。有紗は気恥ずかしそうに2人の接客させられていたなぁ。

 「はあ」

 2人が帰ると、有紗はため息を吐いていた。よっぽど疲れたのだろう。精神的に。

 「疲れましたか、夏目さん?」

 そんな有紗を見て、みのりが有紗に話しかけていた。

 「疲れたに決まってんじゃない! なんで私があんなことしなきゃいけないのよ?!」

 有紗はみのりの問いかけにやや怒り口調で返した。

 「いいじゃないですか。きっと、夏目さんがあまりにもかわいかったから、つい撮りたくなったんだと思いますよ」

 「なっ!?」

 しかし、みのりは落ち着いた表情で有紗の疑問に答えていた。それを聞いて有紗は三度、顔を赤くした。どうやら有紗はかわいいと言われて、嬉し恥ずかしくなってしまったようだ。

 「あっ、またお客さんが来ましたよ。ほら、夏目さん」

 「わ、わかってる!?」

 そんな中、男女2人組が店に入って来たのを確認すると、有紗はみのりに促されるように慌てて接客に戻って行った。

 ---「すいませーん! その子といいですか?」

 「は、はいー!?」

 「すいません、じゃあ俺達、チアの子で」

 「は、はい! わかりましたー」

 「私、どの子にしよっかなー?」

 「………」

 気がつくと、ウチの店は大繁盛していた。あまりにも大繁盛し過ぎて、外に行列ができてしまうほどだ。

 しかし、ここまで大繁盛するとはだれも予測できず、俺達のクラスは大慌てしていた。

 なぜ俺達クラスの店が行列ができるほどの人気店になったのだろうか? まあ俺には大体想像がついていた。

 その理由は、ズバリ『写真撮影』であった。

 どうやらさっき有紗と写真を撮っていた女性2人組がSNSにその写真をアップしたようで、それが思いのほか話題となり、SNSを見た人達が次々と俺達の店に押し寄せて来たのだ。

 最初はタダでやっていたのだが、写真撮影目的のお客さんがあまりにも多かったため、みのりが急遽、『写真撮影・千円』という有料サービスを追加した。サービスなのにウチの店の中では1番値段が高いメニューだけどな。

 しかしそれでも頼むお客さんが多かった。いちおう、一品頼んだうえでの有料サービスとなっているのだが、最早仕方なく注文しているようで、そっちの方が有料サービスになっている気がする。

 無論、指名は女子が多く、男子は、特に俺は撮影を頼まれる羽目になってしまうのだった。

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