俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第9章 #8「みのりの提案」

 ---「えーっと、多数決の結果、1組の出し物はコスプレ喫茶に決まりました!」

 「イエーーッイ!!」

 「えっーーー!?」

 多数決は思いのほか白熱し、同票から絞りに絞った結果、俺達1組の出し物はコスプレ喫茶に決まった。

 ちなみに最終選考にまで残ったのはお化け屋敷と模擬店とコスプレ喫茶の3つだった。

 しかしその3つとも同票で絞られたのだが、最後にきてまさかのどんでん返しが起きた。

 なんと、クラスの男子全員がコスプレ喫茶に1票を投じたのだ。まあなぜなのかは俺には大体想像がついていた。

 なぜならさっき、お化け屋敷と模擬店に票を入れた男子に耳元で『好きな子のコスプレ姿が見れるんだぞ!』と囁いている男子を見ていたからだ。そりゃあそんなこと言われたらそっちに入れるしかないよな。

 しかし多数決で決まったものの教室は賛否両論の意見が飛びかっていた。まあ当然、賛が男子で否が女子なのだが。

 「どうせ男子のことだから、女子にエロい格好でもさせるつもりでしょ!?」

 「いやいや、だれもエロい格好させるなんて言ってねーぞ!? 勘違い激しいんじゃないですか?!」

 「俺達高校生なんだから健全なやつに決まってるじゃねーか!」

 「はっ、どうだか」

 そんな口論が行われる中、チラッと白石先生の方を見ると、あきらかに『青春っていいわねー』とでも言いたそうに微笑ましくその様子を見守っていた。完全に止める気ゼロである。

 「あの、みなさん。1ついいですか?」

 しばらく口論が続いていると、みのりが割って入ってきた。突然のことに思わずみんなはみのりに注目していた。

 しかしみのりの表情は不気味なほどに微笑みを浮かべていた。なんだか嫌な予感がするな。

 「いちおう多数決で決めるという話だったので、出し物はコスプレ喫茶で決まりです」

 みのりは微笑みながらそう告げた。それを聞いて男子達は歓声を上げるが、みのりのあの微笑みはなにか企んでいるときの微笑み方だと俺は知っている。

 「そこで提案なんですけど、だれがなんのコスプレをするかは『くじ引き』で決めたいと思うんですけど」

 「く、くじ引き?」

 「はい。その方が面白いんじゃないかと思うんですけど。あっ、ちなみにそのくじ引きは『みんな』引くんですよ。当然、『男子』もです!」

 「…えっ?」

 するとみのりは1つ提案を出してきた。その提案を聞いて男子達がポカンとした表情を浮かべていた。

 キーンコーンカーンコーン

 「あっ、もうLHRの時間が終わってしまったので、あとのことは私が考えておきますね」

 そしてみのりの一言を最後にLHRは終わったのだった。俺の嫌な予感は見事に的中してしまった。

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