俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第8章番外編 #10「今度の日曜日に」

 ---しかし、それからというものの彩香は私の家に遊びに来るようになった。きっと司のことを思ってのことなのだろう。ほんと、彩香には申し訳ない。

 「ねーねー2人とも、今度3人でどっか行かない?」

 「『3人で』って、急にどうしたの?」

 そんなある日、彩香から突然、休日にどこか出かけようと提案してきた。あまりにも突然だったから、私は彩香から理由を聞いてみることにした。

 「だって司君、いっつも家で1人、留守番してるんでしょ? たまには外の空気吸った方がいい気がしてさ!」

 「ああ、言われてみればたしかに」

 どうやら彩香は司のためを思って提案してきたらしい。本当は病気でもなんでもないんだけど。

 けど、彩香の言い分は意外と一理あるかもしれない。

 召喚獣とはいえ家の中でずっと待機させていたら、身体が鈍ってしまうのではないかと思ったからだ。いざってときに動けなくなるのは正直困る。まあそんな事例聞いたことはないけど。

 そうなってしまうといざ仕事がきたとき、動けなくなってしまう恐れがある。それは私としても協会としても困る。

 「じゃあーさ、行こうよ!? 今度の日曜日に!?」

 「そうね、私はいいと思うけど、司はどお思う?」

 「姉ちゃんがいいっていうなら、オイラも大丈夫っスよ!」

 彩香が若干、興奮気味になりながら私達に問いかけてくる。私が賛同すると司も同じく賛同してきた。きっと召喚獣だから主人である私の意見に従っているのだろう。

 「いょっっし!! じゃあ決まりだね!?」

 私達が賛同すると彩香は小さくガッツポーズをとって喜んでいた。本当は単純に私達と遊びに行きたかったようだ。

 「じゃあさじゃあさ、どこ行く!? 遊園地? それとも動物園とか水族館とか? あっ、ショッピングとかもいいかも!」

 「ふふっ、彩香、ちょっと落ち着いたら?」

 すると彩香は目を輝かせ興奮しながら予定を立てようとしてきた。その光景がちょっとおもしろくて思わずくすりと笑ってしまった。彩香ってば、本当に楽しそうね。

 ---「じゃあ今度の日曜日、私が迎えに行くから、忘れずに寝坊しないでよね!? じゃあーねー!」

 「はいはい、わかってるわかってるって。それじゃあまた…明日ね」

 それから私達は今度の日曜日にショッピングに行くことになった。

 予定を立て終えると、いつのまにか夕日が沈んで夜を迎えようとしていたので、私は彩香を見送って行った。

 テンションが高い状態の彩香を見送り、その日は終わりを迎えていった。

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