俺の高校生活に平和な日常を
第8章 #10「転入生は…」
「ッ!?」
「…あ、れ?」
スタンガンが俺に向かって振り下ろされた、はずだったのだが、なにも起こらない。今俺は、目を閉じて後ろを向いているからどうなっているのかさっぱりわからない。今どうなっているのか、どうしても気になってしまった俺は再び綴さんの方を恐る恐る振り向いた。
するとなぜか綴さんは苦痛の表情を浮かべていた。なにがあったのだろうか?
「そこまでよ」
「ッ!? 有紗?!」
すると綴さんの背後から聞き覚えのある少女の声が聞こえてきた。俺は綴さんから背後の方に視線を移すと、そこには有紗の姿があった。
「ゔっ!?」
どうやら綴さんは有紗に腕を掴まれていて、だから苦痛の表情を浮かべていたのだ。有紗の握力はチンパンジー並だからな。それを言うと絶対に殴られるから口には出さないが。
「っていうか、なんで有紗がここに?」
そんな中、ふと我に返った俺は有紗に問いかけた。いつのまにそこにいたんだ?
「こんな雨の中、いつまでも帰って来ないし連絡しても返事がなかったから、梓ちゃんに頼まれて傘持って行こうとしたのよ。けどあんた、学校にいなかったからあちこち探し回ったのよ」
「連絡って、あっ」
有紗に言われて俺はふと記憶を思い返していた。そう言われれば、なんか通知がきていたような気がするな。俺は外にいるときは大体、携帯はマナーモードにしている。マナーモードでもバイブの振動はするのだが、意外と気づきにくいんだよなあ、あれ。
「それより、あんたこそなんでこんなところに居るのよ? 家と全然違う方向じゃない。それにこの2人、転入生でしょ? どういうことなのか説明してくれるかしら?」
有紗は自分の説明を終えると、今度は俺に対して問いかけてきた。今、それどころではないのだが。
「それを説明する前に、綴さん、聞かせてくれないかな? 2人は何者なの? なんで俺を襲おうとしたの?」
「……」
やはりどうしても気になってしまい、俺は先に綴さんに説明を求めることにした。この状況、どっからどう見てもおかしいことだらけだ。
すると綴さんは唇を噛みしめながら、言うべきかどうか葛藤していた。その表情は怒りというより恐怖を抱いているかのような表情を浮かべていた。なぜ彼女が恐怖を抱いているのかは俺にはわからなかった。なにをそんなに怖がっているのだろうか?
「…わかりました。すべて、お話しします」
しかししばらく葛藤した結果、観念したかのように綴さんはそう返した。
「私、不二宮綴は、召喚士なんです」
「…あ、れ?」
スタンガンが俺に向かって振り下ろされた、はずだったのだが、なにも起こらない。今俺は、目を閉じて後ろを向いているからどうなっているのかさっぱりわからない。今どうなっているのか、どうしても気になってしまった俺は再び綴さんの方を恐る恐る振り向いた。
するとなぜか綴さんは苦痛の表情を浮かべていた。なにがあったのだろうか?
「そこまでよ」
「ッ!? 有紗?!」
すると綴さんの背後から聞き覚えのある少女の声が聞こえてきた。俺は綴さんから背後の方に視線を移すと、そこには有紗の姿があった。
「ゔっ!?」
どうやら綴さんは有紗に腕を掴まれていて、だから苦痛の表情を浮かべていたのだ。有紗の握力はチンパンジー並だからな。それを言うと絶対に殴られるから口には出さないが。
「っていうか、なんで有紗がここに?」
そんな中、ふと我に返った俺は有紗に問いかけた。いつのまにそこにいたんだ?
「こんな雨の中、いつまでも帰って来ないし連絡しても返事がなかったから、梓ちゃんに頼まれて傘持って行こうとしたのよ。けどあんた、学校にいなかったからあちこち探し回ったのよ」
「連絡って、あっ」
有紗に言われて俺はふと記憶を思い返していた。そう言われれば、なんか通知がきていたような気がするな。俺は外にいるときは大体、携帯はマナーモードにしている。マナーモードでもバイブの振動はするのだが、意外と気づきにくいんだよなあ、あれ。
「それより、あんたこそなんでこんなところに居るのよ? 家と全然違う方向じゃない。それにこの2人、転入生でしょ? どういうことなのか説明してくれるかしら?」
有紗は自分の説明を終えると、今度は俺に対して問いかけてきた。今、それどころではないのだが。
「それを説明する前に、綴さん、聞かせてくれないかな? 2人は何者なの? なんで俺を襲おうとしたの?」
「……」
やはりどうしても気になってしまい、俺は先に綴さんに説明を求めることにした。この状況、どっからどう見てもおかしいことだらけだ。
すると綴さんは唇を噛みしめながら、言うべきかどうか葛藤していた。その表情は怒りというより恐怖を抱いているかのような表情を浮かべていた。なぜ彼女が恐怖を抱いているのかは俺にはわからなかった。なにをそんなに怖がっているのだろうか?
「…わかりました。すべて、お話しします」
しかししばらく葛藤した結果、観念したかのように綴さんはそう返した。
「私、不二宮綴は、召喚士なんです」
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