俺の高校生活に平和な日常を
第8章 #5「付き合ってもらいたいんです」
2016/9/2
---「ふー、そろそろ帰るか」
翌日、俺はようやく日直の仕事を終え帰ろうとしていた。本当はもう1人(女子)居たのだが、
『佐藤君、ごめん! 部活行かないといけないから、あとお願いしていい?』
『ああ、うん。わかった』
みたいな感じで、あっさりと残りの仕事を引き受けることにしたのだ。まあ俺は帰宅部だしとくに用事とかもないから、断る理由がなかったのだけれど。
しかし日誌書いたりチョークを補充しに行ったりその他もろもろ、日直の仕事ってけっこうめんどくさい。安易に引き受けなければよかったとちょっとばかり後悔している。まあ断る理由がなかったから仕方ないとしか言いようがないのだが。
「あとは教室閉めて、鍵返しに行くだけだよな?」
俺は教室を見回しながら残りの仕事をチェックした。
白石先生は意外とそういうのに厳しいからちゃんとやっておかないと後日、説教されかねない。実際、サボったやつが放課後呼び出され、みっちり説教をくらったという話をどこかで聞いたことがある。無論、その説教を受けるのは俺ともう1人の日直の子だ。
そんなことになったらその子に『なんでお願いしたのにやってくれなかったの?』とか『佐藤君、平気で嘘つく人なんだ?』とか嫌味とか言われるかもしれない。女子に嫌われることはすなわち、周りから嫌悪される最悪な学校生活を送らなければならない。それだけはどうしても避けたい。考えすぎなのかもしれないが。
---「これでよしっと」
しかし、取り越し苦労だったようで全て仕事を終えた俺は教室の鍵を閉め職員室に鍵を返しに行った。
---「げっ、降ってきてんなあ」
職員室に鍵を返した後、俺はまっすぐ家に帰ろうと校門に行った。
すると外はあいにくの雨模様だ。朝から曇り空だったしそんなに降っているわけでもなければ、傘がないわけではない。
しかし傘をさしたところで服が濡れてしまう。それが不快なのだ。
「夏休みの時はあんま降ってなかったし、水不足にならずに済むのはいいことかもしれないけどな」
俺は1人そんなことを呟きながらも持ってきた傘をさそうとした。
「あら? 佐藤君?」
「ん?」
傘をさそうとしたその時だった。後ろから声をかけられた。声をかけられた俺は後ろを振り返ってみた。
「ああ、不二宮さん」
「綴でいいですよ。今、帰りですか?」
すると後ろには不二宮さん、もとい綴さんが俺と同じように傘をさそうとしながら俺に声をかけてきたようだ。
「和彦でいいよ。うん。今日、日直だったから。綴さんも今帰り?」
「ええ。ちょっと用事がありまして」
「ふーん。そうなんだ」
綴さんと似たようなことを言いながら軽く会話を交わしていた。最近になって思うが俺、女子と普通に会話できるようになってきている気がする。
「そうだ。あの、和彦君。いきなりで悪いんですけど、ちょっとお願いがありまして」
「え? 俺に? お願い??」
そんなことをふと考えていると綴さんが突然、俺に頼みごとをしようとしてきた。俺に頼みごととはなんだろうか?
「実は…付き合ってもらいたいんです」
---「ふー、そろそろ帰るか」
翌日、俺はようやく日直の仕事を終え帰ろうとしていた。本当はもう1人(女子)居たのだが、
『佐藤君、ごめん! 部活行かないといけないから、あとお願いしていい?』
『ああ、うん。わかった』
みたいな感じで、あっさりと残りの仕事を引き受けることにしたのだ。まあ俺は帰宅部だしとくに用事とかもないから、断る理由がなかったのだけれど。
しかし日誌書いたりチョークを補充しに行ったりその他もろもろ、日直の仕事ってけっこうめんどくさい。安易に引き受けなければよかったとちょっとばかり後悔している。まあ断る理由がなかったから仕方ないとしか言いようがないのだが。
「あとは教室閉めて、鍵返しに行くだけだよな?」
俺は教室を見回しながら残りの仕事をチェックした。
白石先生は意外とそういうのに厳しいからちゃんとやっておかないと後日、説教されかねない。実際、サボったやつが放課後呼び出され、みっちり説教をくらったという話をどこかで聞いたことがある。無論、その説教を受けるのは俺ともう1人の日直の子だ。
そんなことになったらその子に『なんでお願いしたのにやってくれなかったの?』とか『佐藤君、平気で嘘つく人なんだ?』とか嫌味とか言われるかもしれない。女子に嫌われることはすなわち、周りから嫌悪される最悪な学校生活を送らなければならない。それだけはどうしても避けたい。考えすぎなのかもしれないが。
---「これでよしっと」
しかし、取り越し苦労だったようで全て仕事を終えた俺は教室の鍵を閉め職員室に鍵を返しに行った。
---「げっ、降ってきてんなあ」
職員室に鍵を返した後、俺はまっすぐ家に帰ろうと校門に行った。
すると外はあいにくの雨模様だ。朝から曇り空だったしそんなに降っているわけでもなければ、傘がないわけではない。
しかし傘をさしたところで服が濡れてしまう。それが不快なのだ。
「夏休みの時はあんま降ってなかったし、水不足にならずに済むのはいいことかもしれないけどな」
俺は1人そんなことを呟きながらも持ってきた傘をさそうとした。
「あら? 佐藤君?」
「ん?」
傘をさそうとしたその時だった。後ろから声をかけられた。声をかけられた俺は後ろを振り返ってみた。
「ああ、不二宮さん」
「綴でいいですよ。今、帰りですか?」
すると後ろには不二宮さん、もとい綴さんが俺と同じように傘をさそうとしながら俺に声をかけてきたようだ。
「和彦でいいよ。うん。今日、日直だったから。綴さんも今帰り?」
「ええ。ちょっと用事がありまして」
「ふーん。そうなんだ」
綴さんと似たようなことを言いながら軽く会話を交わしていた。最近になって思うが俺、女子と普通に会話できるようになってきている気がする。
「そうだ。あの、和彦君。いきなりで悪いんですけど、ちょっとお願いがありまして」
「え? 俺に? お願い??」
そんなことをふと考えていると綴さんが突然、俺に頼みごとをしようとしてきた。俺に頼みごととはなんだろうか?
「実は…付き合ってもらいたいんです」
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