俺の高校生活に平和な日常を
第7章番外編 #6「私の初めて」
「まずは…」
私は紙を見ながら手順通りに進めていた。接吻だけといってもその前に準備しなければいけないものがあった。
それが『魔法のリップ』というものだった。これは魔法具の1つで種類によって自身の魔力を高めたり魔法をコントロールしたり、色々な効果を発揮させることができる。
魔法具の中でも最も種類が豊富でなおかつ普通のリップとしての役割も果たしているため、普通に使う人も多く、魔法具の中では最も使われている。まあ私はあんまり使ったことなかったけど。
そんな私だが、魔法のリップをわざわざ買いに一度魔法具を取り扱っているお店にまで行ってきた。なんでこんなことのためにあちこち行かなきゃいけないのかしら? その上相手も相手だ。不愉快極まりない。
そして私は買ったばかりの魔法のリップを取り出した。私が買ったのは自分の魔力を相手に伝達させやすくする効果がある。これを塗って紙に書かれてある魔法を詠唱した後、解除させたい相手と接吻を交わすのだ。
別に私はこいつを助けたいわけではないけれど、もし解除に成功したらこいつを死ぬほどコキ使わせてやる。こいつだって多少は役にたつでしょう。そうでなくともコキ使ってやらなければせっかくここまでやった私が報われない。
「…なによコレ…」
そんなことを考えながら私はリップを開けると、またしても私は固まってしまった。
あくまで私は情報だけを仕入れていてブツを見るのは初めてだった。私はてっきり透明なやつかと思っていた。
しかしいざ開けてみると、そのリップは口紅のような紅色をしていた。後に知ったが、これが普通のリップらしく、私が知っていたのは薬用リップのことらしい。
そんなことなど知らなかった私には信じられなかった。こんな口紅みたいなのを塗った状態でこいつと唇を重ねるわけ? 冗談でしょ?
「…くっ」
しかし、ここまできたからには後には引けず、私はそのリップを自分の唇に塗った。なんだか気合い入れているみたいでバカみたい。
「…そ、それじゃあ、い、いくわよ」
リップを塗った後、私は自分に言い聞かせるように呟き、こいつの顔に自分の顔を近づけていった。こいつの顔ときたら幸せそうにしているから余計に腹がたつ。
「強制解除」
お互いの息がかかるところまで顔を近づけた私はボソリと小声で魔法を詠唱した。ここで気づかれるわけにはいかないし、仕方のないことよ。
「…んっ」
そして私は生まれて初めて、人と唇を重ねてしまった。
私は紙を見ながら手順通りに進めていた。接吻だけといってもその前に準備しなければいけないものがあった。
それが『魔法のリップ』というものだった。これは魔法具の1つで種類によって自身の魔力を高めたり魔法をコントロールしたり、色々な効果を発揮させることができる。
魔法具の中でも最も種類が豊富でなおかつ普通のリップとしての役割も果たしているため、普通に使う人も多く、魔法具の中では最も使われている。まあ私はあんまり使ったことなかったけど。
そんな私だが、魔法のリップをわざわざ買いに一度魔法具を取り扱っているお店にまで行ってきた。なんでこんなことのためにあちこち行かなきゃいけないのかしら? その上相手も相手だ。不愉快極まりない。
そして私は買ったばかりの魔法のリップを取り出した。私が買ったのは自分の魔力を相手に伝達させやすくする効果がある。これを塗って紙に書かれてある魔法を詠唱した後、解除させたい相手と接吻を交わすのだ。
別に私はこいつを助けたいわけではないけれど、もし解除に成功したらこいつを死ぬほどコキ使わせてやる。こいつだって多少は役にたつでしょう。そうでなくともコキ使ってやらなければせっかくここまでやった私が報われない。
「…なによコレ…」
そんなことを考えながら私はリップを開けると、またしても私は固まってしまった。
あくまで私は情報だけを仕入れていてブツを見るのは初めてだった。私はてっきり透明なやつかと思っていた。
しかしいざ開けてみると、そのリップは口紅のような紅色をしていた。後に知ったが、これが普通のリップらしく、私が知っていたのは薬用リップのことらしい。
そんなことなど知らなかった私には信じられなかった。こんな口紅みたいなのを塗った状態でこいつと唇を重ねるわけ? 冗談でしょ?
「…くっ」
しかし、ここまできたからには後には引けず、私はそのリップを自分の唇に塗った。なんだか気合い入れているみたいでバカみたい。
「…そ、それじゃあ、い、いくわよ」
リップを塗った後、私は自分に言い聞かせるように呟き、こいつの顔に自分の顔を近づけていった。こいつの顔ときたら幸せそうにしているから余計に腹がたつ。
「強制解除」
お互いの息がかかるところまで顔を近づけた私はボソリと小声で魔法を詠唱した。ここで気づかれるわけにはいかないし、仕方のないことよ。
「…んっ」
そして私は生まれて初めて、人と唇を重ねてしまった。
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