俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第7章番外編 #3「私の書庫」

 ---「あー、かったりー」

 「和彦君、しっかりしてください。夏休みは今日までなんですから!」

 「あんた、本当に大丈夫なの?」

 「お兄ちゃん、麦茶飲む?」

 「だらしないわね」

 昨日と全く同じ会話。私もとりあえず様子見で昨日と同じセリフを言ってみた。間違いない。時間が巻き戻っている。いや、同じ日を過ごしていると言った方がいいのかしら?

 日付を確認したが今日は2016年の8月31日になっている。

 「…一体、どうなっているの?」

 私はだれにも聞こえないような声量でそう呟いた。昨日、世界中でなにかが起こった。だけど、一体なにが起こったというの?

 ---私はとりあえず昨日と同じように行動することにした。ひょっとしたら私と同じように違和感に気づいている人がこの中にいるかもしれないと思ったから。

 けれど、見た感じまだ違和感に気づいている人はいなさそうだった。私はこの世界と隔離した場所に居たからこの違和感に気づいてしまったのだろうか?

 ---「おやすみなさいイーリスちゃん。また明日ね!」

 「…ええ」

 結局最後までなんの変化もなく解散した。やっぱりだれも気づいていないようだった。

 私は家に着くとお風呂にも入らずに書庫に向かった。

 書庫には魔法魔術に関連する本ばかり。ママは書庫で本を読み漁って魔法の研究をよくしてたわね。

 そんなことをふと思い出しながらも私は今回の件に関連していそうな魔法魔術を片っ端から探すことにした。

 本棚には数百冊の本が綺麗に並べられていた。私はたまにしか使っていないが、不思議なことにいつ来てもホコリひとつないほど綺麗にされている。きっとママがなにか書庫に術式を施したのだろう。

 「とりあえず、時間操作系のやつに絞った方がよさそうね」

 とりあえず調べる本を絞った私は手元に小さい画面を出現させ、そこに文字を打ち込んでいった。これもママが仕掛けたもので、この画面にキーワードを入力すると自動的にそのキーワードに関連する本を集めてくれる。だからいちいち自分から本棚まで行って探しにいく手間が省ける。

 「…っていっても、まだこれだけあるの?」

 しかし思っていた以上にまだ数が多く数十冊はあった。どうやらまだ絞らなければいけないようね。

 「なら、これで大分絞られるかしら?」

 私はさっきの画面にキーワードを追加することにした。

 「『タイムループ』っと、うん。大分絞れたわね」

 キーワードを追加入力すると数十冊もあった本のほとんどが元の位置に戻され、残ったのは十冊程度にまで絞られた。

 「あとはこの中からしらみつぶしに探すだけね」

 そして私はその十冊の本を読み漁ることにした。まあこれぐらいの数ならなんとかなるでしょう。

 ---それから私は夜遅くまでひたすら本を読み漁るのだった。

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