俺の高校生活に平和な日常を
第7章 #26「終わったのはいいけど」
---「まったく、あんたって人は」
「…なんか、ごめんなさい」
ルイスさんを倒した俺はなぜかイーリスちゃんから説教を受けていた。
「あんたの作戦はいっつもハイリスクなのよ! もう少しまともな作戦は考えられないのかしら?!」
「そ、そういわれてもなあ。いっつも急に最悪の状況になっちゃうし、その状況でよく思いついたなと思う方なんだけどなあ。それに終わりよければなんとやらって言うし」
「それでももうちょっと後先のことを考えなさいよ!」
「…おっしゃる通りです。すいませんでした!」
わずかに反論してみるもののあっさりとイーリスちゃんに論破されてしまい俺は深々と頭を下げ謝罪した。たしかに俺の作戦は後のことなどまったく考えてなかった気がする。今回の件だって、うまくいく保証はほぼほぼゼロだったしな。奇跡中の奇跡だよアレは。
「それにしても、けっこうあっけなかったな」
そんなことを思いながらも俺はふとルイスさんの方に視線を移した。ルイスさんは未だに白目を剥いたまま気を失っていた。まさかあれだけ息巻いて一撃でやられるとは。
「杖に魔力を集中させ過ぎて、防御の方に魔力がいってなかったようね」
「なるほど」
どうやらエンドレス・リアルに魔力を注ぎ過ぎたせいで防御に魔力を当てるのを忘れていたらしい。まああれだけの威力だ。相当な魔力を消費していて防御に当てるほどの余力はなかったのだろう。
「……」
「? どうしたのよ? 急に黙り込んで」
「えっ? ああ、うん。なんか終わったのはいいけど、色々気になることが多過ぎて」
俺が自分の手のひらを見つめながらボーッとしていると、イーリスちゃんに声をかけられた。今回は色々気になることがありすぎて考え込んでしまっていたようだ。
「なんであんなに時間差があったのかな?」
「多分、意識し過ぎて魔術を出せなかったけど、あいつの話にその意識が削がれて逆に無意識の状態の方が出しやすくなっていたんでしょう」
「? つまり無意識に魔術を使ったってこと?」
「簡潔に言うならそういうこと」
まず気になったのはあのバカみたいな時間差攻撃だ。イーリスちゃんが言うには俺は意識し過ぎると魔術使えないが、無意識だと魔術が使えてしまうようだ。変な理屈だが、イーリスちゃんが言うのだからそういうことなのだろう。
「それと俺とイーリスちゃんだけなんでタイムループが解けたんだ? それもよくわからないんだよな。気づいたのは3回目ぐらいからだし。イーリスちゃんはいつ頃から気づいてたの?」
「‥…」
そして1番気になっていたことをイーリスちゃんに問いかけてみたが、イーリスちゃんはなにも言わなかった。だが若干頰が赤くなっているような気がするが、俺の気のせいだろうか? あとちょっとこっちを睨んでいるような気もするが、これも気のせいか?
「さて、用事も済んだことだし、私は帰るわ」
「えっ?」
そんなイーリスちゃんは俺の話を無視して帰ろうとしていた。ひょっとして、夜出歩いてたのは今回の件の犯人を突き止めるためだったようだ。
「それじゃあさようなら。今度会うとしたら今日の昼ごろかもね」
「あっ、そうか」
イーリスちゃんに別れ際の一言を聞いて俺はふと思い出していた。そういえば今日はまだ8月31日。ルイスさんを倒しエンドレス・リアルの魔法は解けたはずだ。だとしたら今日を乗り切れば明日から本当に2学期が始まるのだ。
「…よし。俺も帰るか」
色々気になることがまだまだあったが、ま
あとりあえず一件落着したし、今日はもう帰って寝よう。そして8月31日をいつも通り送って、今度こそ9月1日を迎えるんだ。
「…なんか、ごめんなさい」
ルイスさんを倒した俺はなぜかイーリスちゃんから説教を受けていた。
「あんたの作戦はいっつもハイリスクなのよ! もう少しまともな作戦は考えられないのかしら?!」
「そ、そういわれてもなあ。いっつも急に最悪の状況になっちゃうし、その状況でよく思いついたなと思う方なんだけどなあ。それに終わりよければなんとやらって言うし」
「それでももうちょっと後先のことを考えなさいよ!」
「…おっしゃる通りです。すいませんでした!」
わずかに反論してみるもののあっさりとイーリスちゃんに論破されてしまい俺は深々と頭を下げ謝罪した。たしかに俺の作戦は後のことなどまったく考えてなかった気がする。今回の件だって、うまくいく保証はほぼほぼゼロだったしな。奇跡中の奇跡だよアレは。
「それにしても、けっこうあっけなかったな」
そんなことを思いながらも俺はふとルイスさんの方に視線を移した。ルイスさんは未だに白目を剥いたまま気を失っていた。まさかあれだけ息巻いて一撃でやられるとは。
「杖に魔力を集中させ過ぎて、防御の方に魔力がいってなかったようね」
「なるほど」
どうやらエンドレス・リアルに魔力を注ぎ過ぎたせいで防御に魔力を当てるのを忘れていたらしい。まああれだけの威力だ。相当な魔力を消費していて防御に当てるほどの余力はなかったのだろう。
「……」
「? どうしたのよ? 急に黙り込んで」
「えっ? ああ、うん。なんか終わったのはいいけど、色々気になることが多過ぎて」
俺が自分の手のひらを見つめながらボーッとしていると、イーリスちゃんに声をかけられた。今回は色々気になることがありすぎて考え込んでしまっていたようだ。
「なんであんなに時間差があったのかな?」
「多分、意識し過ぎて魔術を出せなかったけど、あいつの話にその意識が削がれて逆に無意識の状態の方が出しやすくなっていたんでしょう」
「? つまり無意識に魔術を使ったってこと?」
「簡潔に言うならそういうこと」
まず気になったのはあのバカみたいな時間差攻撃だ。イーリスちゃんが言うには俺は意識し過ぎると魔術使えないが、無意識だと魔術が使えてしまうようだ。変な理屈だが、イーリスちゃんが言うのだからそういうことなのだろう。
「それと俺とイーリスちゃんだけなんでタイムループが解けたんだ? それもよくわからないんだよな。気づいたのは3回目ぐらいからだし。イーリスちゃんはいつ頃から気づいてたの?」
「‥…」
そして1番気になっていたことをイーリスちゃんに問いかけてみたが、イーリスちゃんはなにも言わなかった。だが若干頰が赤くなっているような気がするが、俺の気のせいだろうか? あとちょっとこっちを睨んでいるような気もするが、これも気のせいか?
「さて、用事も済んだことだし、私は帰るわ」
「えっ?」
そんなイーリスちゃんは俺の話を無視して帰ろうとしていた。ひょっとして、夜出歩いてたのは今回の件の犯人を突き止めるためだったようだ。
「それじゃあさようなら。今度会うとしたら今日の昼ごろかもね」
「あっ、そうか」
イーリスちゃんに別れ際の一言を聞いて俺はふと思い出していた。そういえば今日はまだ8月31日。ルイスさんを倒しエンドレス・リアルの魔法は解けたはずだ。だとしたら今日を乗り切れば明日から本当に2学期が始まるのだ。
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