俺の高校生活に平和な日常を
第7章 #8「花火イベント(後編)」
---「…なんかごめん有紗」
「べ、別にあんたのせいじゃないわよ! もうちょっとキツく締めてもらえばよかっただけだし」
「…いや、そういう話ではなくって…」
「……」
俺と有紗は入り口の近くに座り梓達との合流するのを待っていた。
ようやく抜け出せのはいいが、有紗の浴衣姿が花魁姿に変貌していた。
俺はとりあえず帯を持ち有紗は人気のない場所におもむろに歩いて行った。
しかし人気のない場所まで来たのはいいが、浴衣の帯を直すことが出来ずどうしようかと悩んでいた。俺はもちろんのこと有紗も店の人にやってもらったようで着付けの仕方を知らないらしい。
そして考え抜いた結果、俺の上に有紗を乗せ、着崩れないように後ろから抱きしめるように俺の腕を帯がわりにした。
一見するとイチャイチャしてるカップルに見えるが、こっちは顔から火が出そうなほど恥ずかしい思いでいるのだ。
それに有紗のお尻が俺の股間に布越しに当たっている。有紗が動くと俺の股間が反応してしまいそうだし、それに気付かれたら後でどんな目にあわされるかと思うと、早く解放されたい気持ちでいっぱいだった。
「……」
「……」
有紗も俺と同じ気持ちなのか口を閉ざし全く動こうとしない。動かないのはありがたいことだが、黙られると気まずくなる。
「…私の方こそごめん」
「…えっ?」
するとしばらくの沈黙の後、有紗は申し訳なさそうな表情を浮かべながら謝罪の言葉を述べてきた。なぜ謝られたのか、俺には分からなかった。
「あんた、私達にいい思い出を作ってあげようとしたんでしょ? 前の一件で散々な目にあったし。それなのにあんたの好意を私が台無しにしちゃって」
「…有紗」
どうやら有紗は責任を感じていたようだ。これは事故みたいなものだし、有紗が悪く思う必要は全くないのだが。
だけど、そう言っても有紗には通用しないだろう。なにかフォロー出来るような一言を言ってあげなければと俺はふと考えていた。
「有紗、あそこ見てみろよ!」
「えっ?」
すると俺は前の方を指差し、有紗の視線を前方に向けさせた。
「…わぁぁ…」
すると有紗の口から歓喜の声が漏れた。そしてさっきまでの暗い雰囲気が一変した。
花火が打ち上げられ、色とりどりの花火が夜空を彩った。前に建物があったりして若干見えづらいではあるが。
それでも花火は綺麗に咲いていた。さっきまで恥ずかしかっていた俺達だったが、そんなことなど忘れてしまうほどに見とれていた。それだけ綺麗だった。
「また来年も来ようぜ! いい比較になりそうだし」
「…うん、そうね」
花火を見上げながら俺がそう呟くと、有紗もボソリと呟いた。ここで見る景色と境内で見る景色がどう違うのか、比較するのも悪くない気がする。来年の楽しみが出来てしまったな。
「あっ、いたいた! お兄ちゃーん! 有紗ちゃーん!!」
2人でしばらく花火を眺めていると、後ろから梓の声が聞こえてきた。後ろを振り返ると梓達が俺達に向かって駆け寄って来ていた。どうやら3人とも無事だったみたいだ。
---その後、みんなで花火を見て祭りは終わりを迎えた。最後はしっちゃかめっちゃかになってしまったが、これはこれでいい思い出になったかもしれない。
「べ、別にあんたのせいじゃないわよ! もうちょっとキツく締めてもらえばよかっただけだし」
「…いや、そういう話ではなくって…」
「……」
俺と有紗は入り口の近くに座り梓達との合流するのを待っていた。
ようやく抜け出せのはいいが、有紗の浴衣姿が花魁姿に変貌していた。
俺はとりあえず帯を持ち有紗は人気のない場所におもむろに歩いて行った。
しかし人気のない場所まで来たのはいいが、浴衣の帯を直すことが出来ずどうしようかと悩んでいた。俺はもちろんのこと有紗も店の人にやってもらったようで着付けの仕方を知らないらしい。
そして考え抜いた結果、俺の上に有紗を乗せ、着崩れないように後ろから抱きしめるように俺の腕を帯がわりにした。
一見するとイチャイチャしてるカップルに見えるが、こっちは顔から火が出そうなほど恥ずかしい思いでいるのだ。
それに有紗のお尻が俺の股間に布越しに当たっている。有紗が動くと俺の股間が反応してしまいそうだし、それに気付かれたら後でどんな目にあわされるかと思うと、早く解放されたい気持ちでいっぱいだった。
「……」
「……」
有紗も俺と同じ気持ちなのか口を閉ざし全く動こうとしない。動かないのはありがたいことだが、黙られると気まずくなる。
「…私の方こそごめん」
「…えっ?」
するとしばらくの沈黙の後、有紗は申し訳なさそうな表情を浮かべながら謝罪の言葉を述べてきた。なぜ謝られたのか、俺には分からなかった。
「あんた、私達にいい思い出を作ってあげようとしたんでしょ? 前の一件で散々な目にあったし。それなのにあんたの好意を私が台無しにしちゃって」
「…有紗」
どうやら有紗は責任を感じていたようだ。これは事故みたいなものだし、有紗が悪く思う必要は全くないのだが。
だけど、そう言っても有紗には通用しないだろう。なにかフォロー出来るような一言を言ってあげなければと俺はふと考えていた。
「有紗、あそこ見てみろよ!」
「えっ?」
すると俺は前の方を指差し、有紗の視線を前方に向けさせた。
「…わぁぁ…」
すると有紗の口から歓喜の声が漏れた。そしてさっきまでの暗い雰囲気が一変した。
花火が打ち上げられ、色とりどりの花火が夜空を彩った。前に建物があったりして若干見えづらいではあるが。
それでも花火は綺麗に咲いていた。さっきまで恥ずかしかっていた俺達だったが、そんなことなど忘れてしまうほどに見とれていた。それだけ綺麗だった。
「また来年も来ようぜ! いい比較になりそうだし」
「…うん、そうね」
花火を見上げながら俺がそう呟くと、有紗もボソリと呟いた。ここで見る景色と境内で見る景色がどう違うのか、比較するのも悪くない気がする。来年の楽しみが出来てしまったな。
「あっ、いたいた! お兄ちゃーん! 有紗ちゃーん!!」
2人でしばらく花火を眺めていると、後ろから梓の声が聞こえてきた。後ろを振り返ると梓達が俺達に向かって駆け寄って来ていた。どうやら3人とも無事だったみたいだ。
---その後、みんなで花火を見て祭りは終わりを迎えた。最後はしっちゃかめっちゃかになってしまったが、これはこれでいい思い出になったかもしれない。
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