俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第6章 #45「結局、アレはなんだったんだ?」

 2016/8/6

 ---あれから1週間が経った。俺達は帰りの船に乗っていた。俺達以外にも今回の件の被害者達も一緒に乗っていた。

 しかし皆んな解放されてホッとするより色々あって疲れきったような表情を浮かべていた。まあまさかあの島に1週間も残されるとは思っていなかっただろうしな。俺達も含めて。

 ---相田さんがいなくなった後、俺達3人は有紗達と合流し、今後のことについて話し合うことにした。

 今回の件はあまりにも被害者が多く、隠すことは難しいと判断した俺達は警察を呼ぶことにした。

 しかし時間も時間で警察が来るのは翌日になった。それはまあ仕方ないことなのだが。

 翌日、警察が来るとすぐさま捜査が行われた。主にこの島にいた人達に聞き込みをしていたようだ。

 当然、俺達もその聞き込みの対象になっていた。無論、俺達はちゃんと答えた。

 しかし相田さんのことについては何も言わなかった。まさか『宇宙に飛んでいきました!』なんて言ったら、警察の人にどう思われるか大体想像がつく。

 結果、首謀者である相田さんは1人逃走し姿をくらましたとして指名手配犯にされた。今頃大気圏外にいるから見つかることはほぼないと思うが。

 島の住人達は事件に関与したことを認めたが、流石に全員を逮捕するということは出来ず、今回の件に最も関与していた数名だけを逮捕した。最初、警察の人がそれを知った時の驚きようは中々のものだった。

 とりあえず今回の件はそれでカタがついたのだが、問題はそれだけではなかった。

 全員眠らされたということもあり、身体に異常がないかや薬物をやらされたりしていないかを調べなければならないらしく、身体検査やら薬物検査を受けなければならなかった。

 しかし島だからいちいち準備するのに時間がかかるらしく、その間に色々証拠やら何やらを調べたりして最終的に1週間も残されるハメになった。まさかこんなに時間がかかるとは思いもしなかった。多分、警察の人も想定外のケースだったからというのもあるだろうが。

 ---「結局、アレはなんだったんだ?」

 船のデッキで俺はイーリスちゃんとバードさんと一緒に居た。珍しい組み合わせのような気もするが。

 そんな中、俺は2人に向かって問いかけてみた。結局、俺はあの銅像がなんなのかを知ることは出来なかった。それだけが妙にモヤモヤしていたのだ。

 「さあ?」

 「知らんな」

 「……」

 しかし2人ともほぼ即答で知らないと言ってきた。そこまで即答で返されると逆に清々しくいな。

 「この世には魔法だけではない、私達の知らないような不思議な力が存在しているってことね。あの時の女もそうだったみたいだし」

 「…ああ。そうみたいだな」

 イーリスちゃんが付け加えるようにそう言うと、なんとなく納得したような気がした。白石先生の超能力や由佳さんの呪力のように、イーリスちゃん達でも知らないような摩訶不思議な力が存在している。

 今回の件もその類だろう。結局、相田さんの言う通り本当に神の御業だったのかもしれないな。

 「…はあ、それにしても…」

 俺はため息をつきながら思った。それにしても、初めての旅行にしては濃密だったなって。

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