俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #39「神の御業」
「面白いものが見れましたね。アレが魔法というものですか? 私、初めてみましたよ」
相田さんはどこか嬉しそうな口調で俺達に歩み寄ってくる。随分と余裕そうだな。
「あなた、自分が今どういう状況か知ってるのかしら?」
「ッ!? イーリスちゃん!?」
するとイーリスちゃんは相田さんの方に向かって片手を出した。その手にはハンドボールサイズの雷の塊が現れた。
それを見て梓は思わずイーリスを呼び止めようとした。まさか、その塊を相田さんに向かって撃つ気か?!
「雷弾!!」
だがイーリスちゃんは躊躇いもなく雷の塊を相田さんに向かって撃ってしまった。雷の塊は思いのほか速く、イーリスちゃんが詠唱し終えた約1秒後に相田さんに直撃した。
「はははっ、これはすごい威力だ。普通だったら即死だったかもしれませんね」
「ッ?! うそ…」
しかし直撃したはずの相田さんは何事もなかったかのように話しを続けていた。流石のイーリスちゃんも信じられないと言いたげそうな表情を浮かべた。
「でも残念でしたね。今の私には魔法だろうとなんだろうと効きませんよ! 愛の女神・アプロディーテー像のご加護がある限り!」
相田さんは両手を広げ自慢するように高らかに叫んだ。アプロディーテー像のご加護? 何を言ってるんだ?
「元々私はカルト宗教の信者でした。神を愛し神の力は実在すると信じていました」
すると相田さんは自ら勝手に語り始めた。カルト宗教って、オ◯ム真理教とか悪い宗教の類か?
「私はひたすら神に祈り全てを捧げ宗教の教えには全て従いました。もちろん、売春もその一環でした」
「……」
売春が宗教の教え? それから何を学ぶというのだろうか? それをさも当たり前だと言わんばかりに言う相田さんを俺は殴りたくなってきていた。だけど今は堪えることにした。
「しかしある日私の居た教団は警察によって潰れてしまいましてね。リーダーとメンバーの数人は捕まってしまいましたが、私や他のメンバーは散り散りに逃げ、行方を眩ましました。その時、私が逃げ込んだところがこの島でした。当時はあまり知られていなかったので、うまくいけば雲隠れ出来ると思ったからです。結果的に上手く雲隠れ出来ましたけどね」
何がおかしいのか、相田さんは話しながら思い出し笑いをした。気味が悪いというか妙な不気味さを感じた。
「そしてこの島で暫く生活をしていた時でした。この島の海で妙なものを見つけたんです!」
「それがあの銅像だったわけね」
「そうです。最初見つけた時はただの好奇心で色々調べてみたんですが、なんの変哲もないただの銅像でした。一通り調べ終えただの銅像だと判断した私はそのまま帰ろうとしました。しかしその時でした!」
「ッ?!」
だんだん興奮気味に話す相田さんは突然、自らの手の甲を見せつけるように俺達に向けた。
すると相田さんの手の甲は奇妙に赤く光る紋章のようなものが浮き出てきた。まるで令◯みたいだ。
「なぜこのような紋章が現れたのかは未だにわかりませんが、この紋章は銅像と同調するように光ったんです!」
「…ホントだ」
相田さんが妙なことを言い出し俺達はふと銅像の方に目を向けると、銅像の目が赤く光り出した。あの時と同じ光りだが、今は目が光っているだけで、周りが光りに包まれるような現象は起こらなかった。
「最初は訳がわからず混乱しましたが、ふと私は思ったのです。これは愛の神・アプロディーテー神による、神の御業なのだと!」
相田さんはどこか嬉しそうな口調で俺達に歩み寄ってくる。随分と余裕そうだな。
「あなた、自分が今どういう状況か知ってるのかしら?」
「ッ!? イーリスちゃん!?」
するとイーリスちゃんは相田さんの方に向かって片手を出した。その手にはハンドボールサイズの雷の塊が現れた。
それを見て梓は思わずイーリスを呼び止めようとした。まさか、その塊を相田さんに向かって撃つ気か?!
「雷弾!!」
だがイーリスちゃんは躊躇いもなく雷の塊を相田さんに向かって撃ってしまった。雷の塊は思いのほか速く、イーリスちゃんが詠唱し終えた約1秒後に相田さんに直撃した。
「はははっ、これはすごい威力だ。普通だったら即死だったかもしれませんね」
「ッ?! うそ…」
しかし直撃したはずの相田さんは何事もなかったかのように話しを続けていた。流石のイーリスちゃんも信じられないと言いたげそうな表情を浮かべた。
「でも残念でしたね。今の私には魔法だろうとなんだろうと効きませんよ! 愛の女神・アプロディーテー像のご加護がある限り!」
相田さんは両手を広げ自慢するように高らかに叫んだ。アプロディーテー像のご加護? 何を言ってるんだ?
「元々私はカルト宗教の信者でした。神を愛し神の力は実在すると信じていました」
すると相田さんは自ら勝手に語り始めた。カルト宗教って、オ◯ム真理教とか悪い宗教の類か?
「私はひたすら神に祈り全てを捧げ宗教の教えには全て従いました。もちろん、売春もその一環でした」
「……」
売春が宗教の教え? それから何を学ぶというのだろうか? それをさも当たり前だと言わんばかりに言う相田さんを俺は殴りたくなってきていた。だけど今は堪えることにした。
「しかしある日私の居た教団は警察によって潰れてしまいましてね。リーダーとメンバーの数人は捕まってしまいましたが、私や他のメンバーは散り散りに逃げ、行方を眩ましました。その時、私が逃げ込んだところがこの島でした。当時はあまり知られていなかったので、うまくいけば雲隠れ出来ると思ったからです。結果的に上手く雲隠れ出来ましたけどね」
何がおかしいのか、相田さんは話しながら思い出し笑いをした。気味が悪いというか妙な不気味さを感じた。
「そしてこの島で暫く生活をしていた時でした。この島の海で妙なものを見つけたんです!」
「それがあの銅像だったわけね」
「そうです。最初見つけた時はただの好奇心で色々調べてみたんですが、なんの変哲もないただの銅像でした。一通り調べ終えただの銅像だと判断した私はそのまま帰ろうとしました。しかしその時でした!」
「ッ?!」
だんだん興奮気味に話す相田さんは突然、自らの手の甲を見せつけるように俺達に向けた。
すると相田さんの手の甲は奇妙に赤く光る紋章のようなものが浮き出てきた。まるで令◯みたいだ。
「なぜこのような紋章が現れたのかは未だにわかりませんが、この紋章は銅像と同調するように光ったんです!」
「…ホントだ」
相田さんが妙なことを言い出し俺達はふと銅像の方に目を向けると、銅像の目が赤く光り出した。あの時と同じ光りだが、今は目が光っているだけで、周りが光りに包まれるような現象は起こらなかった。
「最初は訳がわからず混乱しましたが、ふと私は思ったのです。これは愛の神・アプロディーテー神による、神の御業なのだと!」
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