俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #35「2度目の借り」
「ぐっ!?」
鈍い音が響いた後、男は崩れ落ちるように倒れた。どうやら俺が殴られる前に誰かが気絶させてくれたようだ。
「…フー、命拾いしたようだな小僧」
「バ、バードさん!?」
すると男が立っていた後ろにバードさんが飛んでいた。どうやら俺がバードさんに助けられたようだ。
「なんでここに?」
「なんでって、前にも言ったが、俺は梓の様子を見てたんだぜ! お前達がここに来るのもちゃんと見てたし。本当は高みの見物でも決め込もうと思ったが、気が変わってな。これで借りを作るのも2度目だな小僧!」
俺が問いかけると、バードさんは上機嫌そうに説明してくれた。この状況で何がそんなに楽しいのだろうか? つーか、小僧言うな。
「お兄ちゃん、大丈夫?!」
梓は異常事態に気がつき俺のもとへと駆け寄ってきた。
「ああ、またバードさんに助けられたよ。ありがとなバードさん」
「へっ」
俺はバードさんにお礼を言うとバードさんに鼻で笑われた。さっきからなんか癪にさわる態度を取られている気がするが、バードさんはいちいち上から目線じゃないと喋れないのか?
「そうだ梓、有紗見つけたぜ! まだ目が覚めたばかりだけど」
そんなことを考えていると俺はふと有紗を見つけたことを思い出し、それを梓に伝えた。
「あっ、私もさっきみのりさん見つけたよ! みのりさんもまだ目が覚めたばかりで状況がよくわかってないみたいだけど」
すると梓もみのりを見つけてくれたようだ。ただ2人ともまだ本調子を取り戻すには少し時間がかかりそうだが。
「…2人とも、私…達、どう…なったの?」
そう思っていた矢先、有紗は俺達に状況説明を求めてきた。目を覚ましたばかりだというのに、流石プロの殺し屋というべきか。
「梓、とりあえずみのりもここに連れてきてくれ。ちゃんと2人に説明しないといけないからな。他の人が来る前かもしれないし」
「うん、わかった! ちょっと待ってて!」
俺は梓にみのりを連れてくるようお願いすると、梓はすぐにみのりのいる方へと向かって行った。
---「なるほどね。あの男がこんなバカげたことを企らんでいたのね。やってくれるじゃない」
「ちょっとまだ信じきれませんね。あんなに人が良さそうな人がそんな酷いことをしようとしてたなんて」
梓がみのりを連れてくると、俺はイーリスちゃんから聞いた話を交えながら状況をゆっくり説明した。話すのが下手くそだから理解してくれるかと心配したが、なんとか理解してくれたようだ。
「とりあえず問題はこれからどうするかよね。これだけの人を助けるのはかなり難しいわよ」
「……」
しかし理解してくれただけでは状況が良くなるわけではなかった。結局のところ、どうやって大勢の人を救い出すかという話しになってくるのだ。島ぐるみでの計画だとしたら、この島に住んでいる住人全員が俺達の計画を阻止しにかかるだろう。
「皆さんに状況を説明して協力してもらうというのはどうですか?」
「いや、状況を説明しても信じてもらえないかもしれない。仮に信じてもらえたとしてもパニックになる可能性が高い。出来れば皆んなが目を覚ます前になんとかしたいんだけど」
みのりは皆んなに協力を申し出る案を出してきたが、俺は無理だと判断した。こんな目にあってはいるが、俺達の話しを本当に信じてくれるだろうか? もし信じてもらえたとしても皆んなパニックに陥る可能性が高い。それが一番望ましくない展開だ。
俺の理想を言えば、皆んなが目を覚ます前にここから脱出出来ればいいのだが、そんなもの不可能に近いというのはなんとなくわかっている。
「方法ならなくはないぜ!」
「えっ?!」
そう思っていた時、ふと誰かが喋りかけてきた。俺達は上の方に視線を向けた。するとそこにはバードさんが飛んでいた。
「…何、この鳥」
「ひょっとして、今喋ったのって…」
そうか。そういえば、2人がバードさんを見るのは初めてだったか。有紗とみのりは不思議そうな顔をしながら飛んでいるバードさんを見つめていた。
「そうだよ! 今喋ったのは俺だよ! バードさんっていうんだ! よろしくな!!」
するとバードさんは2人に軽く挨拶をしてきた。しかし2人はただただどうしたらいいのかわからず、「はあ」と声を漏らしただけだった。ただでさえ今の状況を把握したばかりなのに、さらによくわからない生き物が出てきて驚愕どころか、どう反応したらいいのかと戸惑うばかりだ。変なタイミングで出てきてしまったなバードさん。
「バードさんのことなら後で私が説明するので! とりあえずバードさん、さっき方法があるとか言ってたけど」
「ん? ああ、そういう話だったな。たしかに方法ならあるぜ!」
それを見かねてか梓が話を切り替えようとバードさんにさっきの発言について問いかけていた。その問いかけに対してバードさんはあっさりとそう返した。
「その方法って?」
そう返すと今度は俺が急かすように問いかけた。一体どうやって皆んなを救出しようというのだろうか?
「この建物ごとどっかに転送させればいいのさ!」
鈍い音が響いた後、男は崩れ落ちるように倒れた。どうやら俺が殴られる前に誰かが気絶させてくれたようだ。
「…フー、命拾いしたようだな小僧」
「バ、バードさん!?」
すると男が立っていた後ろにバードさんが飛んでいた。どうやら俺がバードさんに助けられたようだ。
「なんでここに?」
「なんでって、前にも言ったが、俺は梓の様子を見てたんだぜ! お前達がここに来るのもちゃんと見てたし。本当は高みの見物でも決め込もうと思ったが、気が変わってな。これで借りを作るのも2度目だな小僧!」
俺が問いかけると、バードさんは上機嫌そうに説明してくれた。この状況で何がそんなに楽しいのだろうか? つーか、小僧言うな。
「お兄ちゃん、大丈夫?!」
梓は異常事態に気がつき俺のもとへと駆け寄ってきた。
「ああ、またバードさんに助けられたよ。ありがとなバードさん」
「へっ」
俺はバードさんにお礼を言うとバードさんに鼻で笑われた。さっきからなんか癪にさわる態度を取られている気がするが、バードさんはいちいち上から目線じゃないと喋れないのか?
「そうだ梓、有紗見つけたぜ! まだ目が覚めたばかりだけど」
そんなことを考えていると俺はふと有紗を見つけたことを思い出し、それを梓に伝えた。
「あっ、私もさっきみのりさん見つけたよ! みのりさんもまだ目が覚めたばかりで状況がよくわかってないみたいだけど」
すると梓もみのりを見つけてくれたようだ。ただ2人ともまだ本調子を取り戻すには少し時間がかかりそうだが。
「…2人とも、私…達、どう…なったの?」
そう思っていた矢先、有紗は俺達に状況説明を求めてきた。目を覚ましたばかりだというのに、流石プロの殺し屋というべきか。
「梓、とりあえずみのりもここに連れてきてくれ。ちゃんと2人に説明しないといけないからな。他の人が来る前かもしれないし」
「うん、わかった! ちょっと待ってて!」
俺は梓にみのりを連れてくるようお願いすると、梓はすぐにみのりのいる方へと向かって行った。
---「なるほどね。あの男がこんなバカげたことを企らんでいたのね。やってくれるじゃない」
「ちょっとまだ信じきれませんね。あんなに人が良さそうな人がそんな酷いことをしようとしてたなんて」
梓がみのりを連れてくると、俺はイーリスちゃんから聞いた話を交えながら状況をゆっくり説明した。話すのが下手くそだから理解してくれるかと心配したが、なんとか理解してくれたようだ。
「とりあえず問題はこれからどうするかよね。これだけの人を助けるのはかなり難しいわよ」
「……」
しかし理解してくれただけでは状況が良くなるわけではなかった。結局のところ、どうやって大勢の人を救い出すかという話しになってくるのだ。島ぐるみでの計画だとしたら、この島に住んでいる住人全員が俺達の計画を阻止しにかかるだろう。
「皆さんに状況を説明して協力してもらうというのはどうですか?」
「いや、状況を説明しても信じてもらえないかもしれない。仮に信じてもらえたとしてもパニックになる可能性が高い。出来れば皆んなが目を覚ます前になんとかしたいんだけど」
みのりは皆んなに協力を申し出る案を出してきたが、俺は無理だと判断した。こんな目にあってはいるが、俺達の話しを本当に信じてくれるだろうか? もし信じてもらえたとしても皆んなパニックに陥る可能性が高い。それが一番望ましくない展開だ。
俺の理想を言えば、皆んなが目を覚ます前にここから脱出出来ればいいのだが、そんなもの不可能に近いというのはなんとなくわかっている。
「方法ならなくはないぜ!」
「えっ?!」
そう思っていた時、ふと誰かが喋りかけてきた。俺達は上の方に視線を向けた。するとそこにはバードさんが飛んでいた。
「…何、この鳥」
「ひょっとして、今喋ったのって…」
そうか。そういえば、2人がバードさんを見るのは初めてだったか。有紗とみのりは不思議そうな顔をしながら飛んでいるバードさんを見つめていた。
「そうだよ! 今喋ったのは俺だよ! バードさんっていうんだ! よろしくな!!」
するとバードさんは2人に軽く挨拶をしてきた。しかし2人はただただどうしたらいいのかわからず、「はあ」と声を漏らしただけだった。ただでさえ今の状況を把握したばかりなのに、さらによくわからない生き物が出てきて驚愕どころか、どう反応したらいいのかと戸惑うばかりだ。変なタイミングで出てきてしまったなバードさん。
「バードさんのことなら後で私が説明するので! とりあえずバードさん、さっき方法があるとか言ってたけど」
「ん? ああ、そういう話だったな。たしかに方法ならあるぜ!」
それを見かねてか梓が話を切り替えようとバードさんにさっきの発言について問いかけていた。その問いかけに対してバードさんはあっさりとそう返した。
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