俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #26「メインイベント」
---「ハア、ハア」
なんとか人混みの流れを抜けた俺達だったが、大分体力を持っていかれ道の端で休憩をとっていた。
「ハア、凄い人混みだったね。私、危うく押し潰されるところだったよ」
梓は胸をなでおろすようにため息と言葉をもらした。たしかに身長が低い梓達からすれば、あの人混みは迫り来る壁みたいなものだ。下手をすれば呼吸すらまともに出来なくなるだろう。そんな事態にならずに済んでよかった。
「本当ですね。なんとか抜けきれてよかったです」
梓につられるようにみのりも胸をなでおろした。俺もそれに同感するように「そうだな」と返した。みんなケガはしてないみたいだしな。
「ねえ和彦、日本の祭ってどこもこうなの?」
「いや、流石にあそこまで人がいる祭は珍しいかもな。少なくとも俺はあんなに人がごった返す祭は夏のコミケを除けば初めてだ」
そんな時、珍しく有紗が俺に問いかけてきたので俺は素直に返してあげた。そうか、有紗は日本の祭は初めてだったのか。ならとんでもないカルチャーショックを受けただろう。
有紗は俺の返答を聞いて「はあ」とため息をついた。やっぱり流石の有紗も相当堪えてるな。
ピンポンパンポーン
『皆さま、大変お待たせいたしました! まもなく『愛結びの儀』を執り行いたいと思います! ご参加される方は愛ヶ咲岬までお越しくださいませ!』
ピンポンパンポーン
俺達が休憩していた時だった。祭り会場全体にアナウンスが流れてきた。アナウンスが聞こえてくると、皆、ぞろぞろと岬の方まで歩いて行く。
「そろそろみたいですね。行きましょうか」
するとみのりも俺達に声をかけた後、皆と同じように岬へ向かおうと歩き出した。俺達はみのりに促され休憩を終え、岬へと歩いて行った。どうやらその愛結びの儀とやらが目的のメインイベントらしい。
「…みんな、これ目当てで来てたんだな」
俺は歩きながらみのりにボソッと問いかけてみた。アナウンスが聞こえた途端、屋台で屯してた連中が次々と岬に向かって歩いて行くのだ。おかげで繁盛していたであろうお店からどんどん人が居なくなっていった。お店側からしたらこのメインイベントはとんでもなく傍迷惑なイベントだろう。
「そりゃあそうですよ! 恋愛成就のイベントですからね。若い人はみんなその手のイベントが好きなんですよ!」
「なるほど。たしかに若い人ばっかだな」
みのりがそう返すと、俺はふと辺りを見回してみた。たしかに祭りに来ている人の大半、いや、ほとんどが20代前半ぐらいの女性組やそれより下のカップルらしき人ばかりだった。くそ、カップルなら恋愛成就とか必要ないだろ。嫌がらせか?
『まもなく愛結びの儀を執り行いたいと思います! ご参加される方は…』
定期的に流れるアナウンスを聞きながら、俺達はようやく愛ヶ咲岬までたどり着くのだった。
なんとか人混みの流れを抜けた俺達だったが、大分体力を持っていかれ道の端で休憩をとっていた。
「ハア、凄い人混みだったね。私、危うく押し潰されるところだったよ」
梓は胸をなでおろすようにため息と言葉をもらした。たしかに身長が低い梓達からすれば、あの人混みは迫り来る壁みたいなものだ。下手をすれば呼吸すらまともに出来なくなるだろう。そんな事態にならずに済んでよかった。
「本当ですね。なんとか抜けきれてよかったです」
梓につられるようにみのりも胸をなでおろした。俺もそれに同感するように「そうだな」と返した。みんなケガはしてないみたいだしな。
「ねえ和彦、日本の祭ってどこもこうなの?」
「いや、流石にあそこまで人がいる祭は珍しいかもな。少なくとも俺はあんなに人がごった返す祭は夏のコミケを除けば初めてだ」
そんな時、珍しく有紗が俺に問いかけてきたので俺は素直に返してあげた。そうか、有紗は日本の祭は初めてだったのか。ならとんでもないカルチャーショックを受けただろう。
有紗は俺の返答を聞いて「はあ」とため息をついた。やっぱり流石の有紗も相当堪えてるな。
ピンポンパンポーン
『皆さま、大変お待たせいたしました! まもなく『愛結びの儀』を執り行いたいと思います! ご参加される方は愛ヶ咲岬までお越しくださいませ!』
ピンポンパンポーン
俺達が休憩していた時だった。祭り会場全体にアナウンスが流れてきた。アナウンスが聞こえてくると、皆、ぞろぞろと岬の方まで歩いて行く。
「そろそろみたいですね。行きましょうか」
するとみのりも俺達に声をかけた後、皆と同じように岬へ向かおうと歩き出した。俺達はみのりに促され休憩を終え、岬へと歩いて行った。どうやらその愛結びの儀とやらが目的のメインイベントらしい。
「…みんな、これ目当てで来てたんだな」
俺は歩きながらみのりにボソッと問いかけてみた。アナウンスが聞こえた途端、屋台で屯してた連中が次々と岬に向かって歩いて行くのだ。おかげで繁盛していたであろうお店からどんどん人が居なくなっていった。お店側からしたらこのメインイベントはとんでもなく傍迷惑なイベントだろう。
「そりゃあそうですよ! 恋愛成就のイベントですからね。若い人はみんなその手のイベントが好きなんですよ!」
「なるほど。たしかに若い人ばっかだな」
みのりがそう返すと、俺はふと辺りを見回してみた。たしかに祭りに来ている人の大半、いや、ほとんどが20代前半ぐらいの女性組やそれより下のカップルらしき人ばかりだった。くそ、カップルなら恋愛成就とか必要ないだろ。嫌がらせか?
『まもなく愛結びの儀を執り行いたいと思います! ご参加される方は…』
定期的に流れるアナウンスを聞きながら、俺達はようやく愛ヶ咲岬までたどり着くのだった。
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