俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第6章 #25「愛咲祭へ」

 ---「ハー、楽しかったですね!」

 時間は夕方の5時過ぎ。海を満喫しきった俺達は宿へと戻り早めの夕食をとっていた。愛咲祭に参加する為だ。夕食を食べる間、梓が今日のことを思い出しながら話しているのを俺とみのりは受け答え、有紗とイーリスちゃんは話を聞きながらも一言も発さず黙々と夕食を頬張っていた。

 ---そして夕食を食べ終えた俺達は身支度を済ませて祭り会場へと向かって行った。

 会場は岬の方にあるらしく、途中まではバスで行けるようだが、後は徒歩になるらしい。

 「随分と辺鄙へんぴな場所でやるんだな」

 俺はボソッとみのりに問いかけてみた。祭りなら神社とか広めの公園とかでやればいいのに。

 「岬には愛ヶ咲島名物の銅像があるみたいなんですけど、その銅像がこの祭りのメインイベントに使われるそうですよ」

 「銅像をメインイベントに? なんだそりゃ?」

 みのりはちゃんと俺の問いかけに返してくれだが、さらに疑問が浮かび上がってきた。なんとも珍しい祭りだな。

 俺はさらにみのりに問いかけてみたが、みのりは「そこまでは」と言って少し困った表情を見せた。ということは割と最近になって始まった祭りなのだろうか?

 「あっ、ここら辺みたいですね!」

 そんなことを考えていると、みのりが前方を指差していた。俺はそれに促され前方を見つめた。

 「…多っ!?」

 するとそこには見慣れた提灯が道沿いに飾られていて、その提灯の下で屋台がズラッときれいに並んでいた。店の数はけっこうあるな。

 しかし驚いたのはそこではなく、屋台が並ぶ道に人だかりが出来ていた。その数は朝の海にいた人より10倍以上はいるだろうか? 店を出してる人もさぞや大変かろう。

 「たしかに凄い数の人ですね。迂闊に離れると迷子になっちゃいそうです」

 「イーリスちゃん、大丈夫? 手、繋ぐ?」

 「んっ」

 「これが日本の祭? 人口密度、高過ぎるんじゃない?!」

 入り口らしき場所から入るやいなや、川のように人混みに流されていく。俺達は離れないように近くに寄っているが、一度離れるとこの流れの終着点まで合流出来ないだろう。

 しかし改めて思うが、異常なくらいに人口密度が高い。こんなわけのわからないマイナーな祭りによく来たものだ。これも噂の影響なのだろうか?

 「って、いづづづ!?」

 そんなことを思いながら、俺達は時折、何者かにぶつかりながら(特に俺)流れの終着点まで流されて行った。一体、この祭りのメインイベントとはどんなものなのだろうか?

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