俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #24「みのりの好きな人」
---「…ふー」
休憩しようと俺は荷物を置いた場所に戻り腰をおろした。久しぶりに身体を目一杯動かした気がする。
水かけ合戦が終わった後は、有紗とみのりが泳ぎ勝負をし出したり、俺と梓とイーリスちゃんの3人で砂の城を作ったり、みんなでビーチバレーしたり、アニメとかでよく見ることを俺は今実体験していた。ああ、これがリア充というやつか。
時間は昼の12時前、朝の9時ごろから来たからまだ2、3時間しか経ってないのか。もう満足なんだけどな。
「よいしょっと」
そんなことをボーッと水で戯れる梓達を眺めながら考えていると、俺の隣にみのりが座ってきた。どうやらみのりも疲れたようだ。高校に入ってから、部活はやってないようだし、俺と同じく運動不足に陥ってしまったのだろうか?
「いやー、久しぶりに身体を動かしたので、疲れちゃいましたね?」
「お、おう。そうだな」
みのりは俺の方を振り向きながら話しかけてきたが、俺は急に緊張感に襲われ若干声が詰まってしまった。
濡れた髪、微かに水滴がついた白い肌、潤んだ瞳と唇、そしてみのりから発せられるフローラルな香りが俺の大事ななにかを刺激してくる。ダメだ。変に意識してしまう。
「? どうかしましたか?」
「えっ? あっ、ああ、いや、別に、なんでも」
「?」
ふと我に帰ると、みのりが俺の顔を覗き込みながら問いかけてきていた。俺は緊張してしまい慌てて曖昧な返事を返すと、みのりは小首を傾げた。
最近、みのりの行動が意識的にやっているのか無意識的にやっているのかわからなくなってきていて困る。
「和彦君? さっきからボーッとしてますけど、本当にどうかしたんですか? ひょっとして熱中症とかにかかってたりします?」
「う、ううん。本当になんでもないって」
しかしみのりはそんな俺の心中など察する様子もなく、心配そうな表情で次から次へと問いかけてくる。マズイな。色々考えてると変に心配されるな。なんか話題とか出さないと。
「あっ」
そんなことを思っていた俺はふと梓としていた話しを思い出した。
「みのりってさ」
「はい?」
俺はあの時の疑問をみのりに直接聞いてみることにした。この話は本人にしていいのかとも思ったが、友達同士での会話としてなら問題ないっか。それにこの島の噂を聞いてここに来たとみのりが言っていたのだから、聞いてもおかしいことではないだろう。
「好きな人っているの?」
「……」
俺が問いかけるとみのりはわずかに頰を赤らめた。
「いやさ、この島って恋愛が成就するんだろ? 特にこの島の愛咲祭、だっけ? それに参加すると好きな人と結ばれるって。みのりもこの島の祭りに参加する為にって言ってたのを思い出してさ。それってさ、みのりもそういう目的で来たってことなんだろ? いや別にそれが誰なのか知りたいっていうわけじゃないというか、単純に気になったというか…」
そんなみのりの表情を見て気まずくなってしまい、俺は弁明をするように話した。必死に弁明するあまり、自分でも何を言ってるのかわからなくなってきたが。
「…和彦君は、どう思います?」
「…えっ?」
するとみのりは潤んだ瞳で俺を見つめながら逆に俺に問いかけてきた。頰を赤らめているからか、それが妙に色気を感じさせた。
「どうっ、ていうのは?」
しかし俺は意味が理解出来ず、その意味をみのりに聞き返してみた。
「私に好きな人がいるかどうかですよ? 和彦君はどう思います?」
「ッ!?」
みのりは俺の問いかけに返してくれたが、なんともイジワルな問いかけだった。
みのりは中学時代、ファンクラブが出来る程モテていたが、色恋話は聞いたことがない。告白されたという話しはイヤというほど聞いているが。
しかし告白して成功したという話しは聞いたことがない。あまりにも成功例がなかった為、噂で他校の生徒と付き合ってるというデマが一時期流れていた程だ。実際、そんなことはなかったらしいが。
というか、中学時代のみのりは俺の血を吸う為に色々行動していたのだ。色恋などにかまけているとは思えない。まあ結果的に意味はあまりなかったみたいだが。
けれど、そんな色恋話のないみのりがこの島に興味を持ち、そしてこの島の祭に参加しようと言い出してきたのだ。
ということは、高校から好きな人が出来たということか? でも、他の男子生徒と話しているところをあんまり見たことがない。イヤ、案外みのりは好きな人に対して奥手なのか? 俺らが気づいていないだけで、実はその人のことを見守っているのか? イヤ、それにしても…
「ふふっ♡ どうですか?」
俺が色々考えを巡らせていると、みのりはそれを愉快そうに見守っていた。なんだか楽しそうだな。
「んー、わからん! お手上げだ!」
「ふふふっ♡ 残念でした♡」
俺は両手を上げ降参の意思を示して後ろに倒れ込んだ。その姿を見てさらに愉快そうに笑うみのり。くそ、なんかしてやられた感がハンパない。
「さてと、そろそろお昼ですし、準備しましょうか?」
「ああ、そうだ、っな!」
そしてみのりは満足したのか、昼飯の準備をしようと腰を上げた。俺はみのりに促されるように起き上がり手伝いをすることにした。
休憩しようと俺は荷物を置いた場所に戻り腰をおろした。久しぶりに身体を目一杯動かした気がする。
水かけ合戦が終わった後は、有紗とみのりが泳ぎ勝負をし出したり、俺と梓とイーリスちゃんの3人で砂の城を作ったり、みんなでビーチバレーしたり、アニメとかでよく見ることを俺は今実体験していた。ああ、これがリア充というやつか。
時間は昼の12時前、朝の9時ごろから来たからまだ2、3時間しか経ってないのか。もう満足なんだけどな。
「よいしょっと」
そんなことをボーッと水で戯れる梓達を眺めながら考えていると、俺の隣にみのりが座ってきた。どうやらみのりも疲れたようだ。高校に入ってから、部活はやってないようだし、俺と同じく運動不足に陥ってしまったのだろうか?
「いやー、久しぶりに身体を動かしたので、疲れちゃいましたね?」
「お、おう。そうだな」
みのりは俺の方を振り向きながら話しかけてきたが、俺は急に緊張感に襲われ若干声が詰まってしまった。
濡れた髪、微かに水滴がついた白い肌、潤んだ瞳と唇、そしてみのりから発せられるフローラルな香りが俺の大事ななにかを刺激してくる。ダメだ。変に意識してしまう。
「? どうかしましたか?」
「えっ? あっ、ああ、いや、別に、なんでも」
「?」
ふと我に帰ると、みのりが俺の顔を覗き込みながら問いかけてきていた。俺は緊張してしまい慌てて曖昧な返事を返すと、みのりは小首を傾げた。
最近、みのりの行動が意識的にやっているのか無意識的にやっているのかわからなくなってきていて困る。
「和彦君? さっきからボーッとしてますけど、本当にどうかしたんですか? ひょっとして熱中症とかにかかってたりします?」
「う、ううん。本当になんでもないって」
しかしみのりはそんな俺の心中など察する様子もなく、心配そうな表情で次から次へと問いかけてくる。マズイな。色々考えてると変に心配されるな。なんか話題とか出さないと。
「あっ」
そんなことを思っていた俺はふと梓としていた話しを思い出した。
「みのりってさ」
「はい?」
俺はあの時の疑問をみのりに直接聞いてみることにした。この話は本人にしていいのかとも思ったが、友達同士での会話としてなら問題ないっか。それにこの島の噂を聞いてここに来たとみのりが言っていたのだから、聞いてもおかしいことではないだろう。
「好きな人っているの?」
「……」
俺が問いかけるとみのりはわずかに頰を赤らめた。
「いやさ、この島って恋愛が成就するんだろ? 特にこの島の愛咲祭、だっけ? それに参加すると好きな人と結ばれるって。みのりもこの島の祭りに参加する為にって言ってたのを思い出してさ。それってさ、みのりもそういう目的で来たってことなんだろ? いや別にそれが誰なのか知りたいっていうわけじゃないというか、単純に気になったというか…」
そんなみのりの表情を見て気まずくなってしまい、俺は弁明をするように話した。必死に弁明するあまり、自分でも何を言ってるのかわからなくなってきたが。
「…和彦君は、どう思います?」
「…えっ?」
するとみのりは潤んだ瞳で俺を見つめながら逆に俺に問いかけてきた。頰を赤らめているからか、それが妙に色気を感じさせた。
「どうっ、ていうのは?」
しかし俺は意味が理解出来ず、その意味をみのりに聞き返してみた。
「私に好きな人がいるかどうかですよ? 和彦君はどう思います?」
「ッ!?」
みのりは俺の問いかけに返してくれたが、なんともイジワルな問いかけだった。
みのりは中学時代、ファンクラブが出来る程モテていたが、色恋話は聞いたことがない。告白されたという話しはイヤというほど聞いているが。
しかし告白して成功したという話しは聞いたことがない。あまりにも成功例がなかった為、噂で他校の生徒と付き合ってるというデマが一時期流れていた程だ。実際、そんなことはなかったらしいが。
というか、中学時代のみのりは俺の血を吸う為に色々行動していたのだ。色恋などにかまけているとは思えない。まあ結果的に意味はあまりなかったみたいだが。
けれど、そんな色恋話のないみのりがこの島に興味を持ち、そしてこの島の祭に参加しようと言い出してきたのだ。
ということは、高校から好きな人が出来たということか? でも、他の男子生徒と話しているところをあんまり見たことがない。イヤ、案外みのりは好きな人に対して奥手なのか? 俺らが気づいていないだけで、実はその人のことを見守っているのか? イヤ、それにしても…
「ふふっ♡ どうですか?」
俺が色々考えを巡らせていると、みのりはそれを愉快そうに見守っていた。なんだか楽しそうだな。
「んー、わからん! お手上げだ!」
「ふふふっ♡ 残念でした♡」
俺は両手を上げ降参の意思を示して後ろに倒れ込んだ。その姿を見てさらに愉快そうに笑うみのり。くそ、なんかしてやられた感がハンパない。
「さてと、そろそろお昼ですし、準備しましょうか?」
「ああ、そうだ、っな!」
そしてみのりは満足したのか、昼飯の準備をしようと腰を上げた。俺はみのりに促されるように起き上がり手伝いをすることにした。
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