俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #8「両手に花?」
2016/7/23
---「んー♡ このチョコレートパフェ、美味しいね、お兄ちゃん、イーリスちゃん!」
「ああ、そうだな」
「…んっ」
デパートにあるファミレスで3人、仲良く大きなチョコレートパフェを頬張っていた。いくら甘党な俺でもこの量は流石に1人では食い切れないだろうな。
「それにしても3人で出かけるなんて初めてだね!」
「ああ、そういえばそうだな」
たしかに梓の言う通りこのメンツで出かけたのは初めてかもしれない。そもそも俺は外出あんまりしないから休日にだれかと出かけること自体、かなり久しぶりかもしれない。
「ごめんねお兄ちゃん、せっかくの休みに手伝ってもらって」
「ん? いいよ別に。2人じゃ大変なんだろ?」
梓は申し訳なさそうな態度をとっているが、俺は別に気にしてはいなかった。なんだか久しぶりに妹に頼られた気がして、ちょっと嬉しかったしな。
なぜこの3人でデパートに来たかというと、来週の小旅行のために色々と準備しないといけないという梓の提案で、デパートに買い物しに来たのだ。まあ2人の主目的は水着なのだろうが。それなら俺も今日買いにこればよかったと少しばかり反省している。あんな恥ずかしい思いをせずに済んだかもしれないしな。
要は俺はその荷物運びで2人にお願いされたのだ。いや、頼んできたのは梓1人だったけど。
とはいえ買い物といっても、宿泊用の必需品やら洋服を買うだけで、大して多くはなかった。これじゃあ俺がいる必要もなかったかな?
そしてある程度買い物を済ませた俺達は、ひと息つくためにファミレスに入った。そこで新作のチョコレートパフェを頼み3人でもくもくと頬張っていたのだ。
「あと他に買うものあるか?」
俺は他に買うものがあるか梓に確認してみると、梓はスマホのメモアプリを開き買い物リストを確認しているようだ。
「んー、後は水着だけかなあ?」
「…そ、そっか…」
確認し終えた梓がそう返してくると、俺は額に脂汗をかきながら微妙な表情で返した。この前の有紗の件をふと思い出してしまったのだ。流石にもうあの気まずくなる展開はごめんなのだが。
「……」
「ん? どうしたのお兄ちゃん?」
「…えっ? いや、なんでもないけど?」
「?」
チョコレートパフェを食べながらよくよく考えてみたが、これって両手に花というやつだろうか?
こんな可愛い年下の女の子2人とこうやって一緒に買い物して、同じチョコレートパフェを食べ、そして今から水着を見に行くのだが。いや別に俺も一緒に見に行くのではないが。
明らかに浮世離れした2人と共に行動している俺は他所から見たらそういう風に見えているのだろうかとふと考えてしまった。そう考えると少し2人と歩くのが恥ずかしくなってきた。
「じゃあ2人とも、そろそろ行こう!」
「ん? あっ、ああ、そうだな」
「…んっ」
しかし梓はそんな俺の考えてることなど気にもせず、席を立ちファミレスを出て行こうとした。気がつくとチョコレートパフェは空になっていた。イーリスちゃんが黙々と幸せそうな表情を浮かべながら食べていた。多分、3分の2ぐらいはイーリスちゃんが食べていたんだろうな。当の本人は満足そうな表情を浮かべながら口元を拭き、梓の後を続くように席を立っていた。
「じゃあ俺、会計してくるから、2人で先に行っといてくれ」
「うん、わかった! 行こう、イーリスちゃん!」
「んっ」
俺は途端に2人と行動するのが恥ずかしくなり会計を済ませるという名目で2人を先に行かせた。なんで妹とその友達に気を遣わなければいけないのだろう俺。
2人がファミレスを出て行くのを見届けた後、俺は伝票を取ってレジで会計を済ませた。
「…適当に本屋で時間潰しとくか」
そんなことを呟きながら俺はファミレスを出て行き、水着売り場近くの本屋で時間を潰すことにした。
---「お兄ちゃーん!」
「んっ?」
本屋に入って20分ぐらいすると梓とイーリスちゃんが叫びながら俺に向かって駆け寄って来た。その際、若干人目が俺に向いていて恥ずかしくて反応に少し困った。
「もう水着買ったのか?」
「うん! とってもかわいいの見つけたの! ねっ、イーリスちゃん!」
俺が問いかけてみると、梓は満面の笑みで返してきた。よっぽどいいのを見つけたのだろう。イーリスちゃんもいいのが見つかったのか小さく首を縦に振り肯定した。
「そっか、じゃあそろそろ帰ろうか」
「うん!」
荷物もちょっと多くなったからそろそろ帰ろうかと思い2人の荷物を持ち本屋を後にしようとしたその時だった。
「お兄ちゃん♡」
「ん?」
急に梓に呼び止められた。しかし、どこか様子がおかしいというか、声が弾んでいた。そんなにいい水着が見つかったのだろうか?
「手、繋いでもいいかな?」
「えっ?」
すると梓から意外な発言が出てきた。俺は一瞬驚いたが、ふと昔のことを思い出した。そういえば昔は当たり前のように手を繋いで出かけていたっけな。
「ああ、いいよ」
「ほんと!?」
まあ別にいっかと思った俺は承諾すると梓は再び満面の笑みを見せてくれた。
「えへへっ♡」
梓は俺が持っていた荷物を1つ取ると俺の手を嬉しそうに握ってきた。ちょっとだけ昔の頃に戻った気がしたがなんだか恥ずかしくなってきた。
「んっ」
「ん?」
するとなぜかイーリスちゃんが俺に向けて手を差し伸べてきた。急にどうしたんだ?
「お兄ちゃん、イーリスちゃんもだって」
「えっ? イーリスちゃんも?」
「……」
俺は梓の発言でさらに驚いた。まさかあのイーリスちゃんが俺と手を繋ぎたいだなんて。でも、イーリスちゃん、ふてくされてる気がするのだが。
「じゃ、じゃあ、手、繫ごっか、イーリスちゃん」
「んっ」
俺がイーリスちゃんの手を握ってあげるが、イーリスちゃんの顔が不機嫌そうに見えるのだが、本当に繋ぎたかったのだろうか?
そんな感じで、俺達3人は仲良く? 手を繋いで家路について行った。やっぱりこれって両手に花って言うのかな?
---「んー♡ このチョコレートパフェ、美味しいね、お兄ちゃん、イーリスちゃん!」
「ああ、そうだな」
「…んっ」
デパートにあるファミレスで3人、仲良く大きなチョコレートパフェを頬張っていた。いくら甘党な俺でもこの量は流石に1人では食い切れないだろうな。
「それにしても3人で出かけるなんて初めてだね!」
「ああ、そういえばそうだな」
たしかに梓の言う通りこのメンツで出かけたのは初めてかもしれない。そもそも俺は外出あんまりしないから休日にだれかと出かけること自体、かなり久しぶりかもしれない。
「ごめんねお兄ちゃん、せっかくの休みに手伝ってもらって」
「ん? いいよ別に。2人じゃ大変なんだろ?」
梓は申し訳なさそうな態度をとっているが、俺は別に気にしてはいなかった。なんだか久しぶりに妹に頼られた気がして、ちょっと嬉しかったしな。
なぜこの3人でデパートに来たかというと、来週の小旅行のために色々と準備しないといけないという梓の提案で、デパートに買い物しに来たのだ。まあ2人の主目的は水着なのだろうが。それなら俺も今日買いにこればよかったと少しばかり反省している。あんな恥ずかしい思いをせずに済んだかもしれないしな。
要は俺はその荷物運びで2人にお願いされたのだ。いや、頼んできたのは梓1人だったけど。
とはいえ買い物といっても、宿泊用の必需品やら洋服を買うだけで、大して多くはなかった。これじゃあ俺がいる必要もなかったかな?
そしてある程度買い物を済ませた俺達は、ひと息つくためにファミレスに入った。そこで新作のチョコレートパフェを頼み3人でもくもくと頬張っていたのだ。
「あと他に買うものあるか?」
俺は他に買うものがあるか梓に確認してみると、梓はスマホのメモアプリを開き買い物リストを確認しているようだ。
「んー、後は水着だけかなあ?」
「…そ、そっか…」
確認し終えた梓がそう返してくると、俺は額に脂汗をかきながら微妙な表情で返した。この前の有紗の件をふと思い出してしまったのだ。流石にもうあの気まずくなる展開はごめんなのだが。
「……」
「ん? どうしたのお兄ちゃん?」
「…えっ? いや、なんでもないけど?」
「?」
チョコレートパフェを食べながらよくよく考えてみたが、これって両手に花というやつだろうか?
こんな可愛い年下の女の子2人とこうやって一緒に買い物して、同じチョコレートパフェを食べ、そして今から水着を見に行くのだが。いや別に俺も一緒に見に行くのではないが。
明らかに浮世離れした2人と共に行動している俺は他所から見たらそういう風に見えているのだろうかとふと考えてしまった。そう考えると少し2人と歩くのが恥ずかしくなってきた。
「じゃあ2人とも、そろそろ行こう!」
「ん? あっ、ああ、そうだな」
「…んっ」
しかし梓はそんな俺の考えてることなど気にもせず、席を立ちファミレスを出て行こうとした。気がつくとチョコレートパフェは空になっていた。イーリスちゃんが黙々と幸せそうな表情を浮かべながら食べていた。多分、3分の2ぐらいはイーリスちゃんが食べていたんだろうな。当の本人は満足そうな表情を浮かべながら口元を拭き、梓の後を続くように席を立っていた。
「じゃあ俺、会計してくるから、2人で先に行っといてくれ」
「うん、わかった! 行こう、イーリスちゃん!」
「んっ」
俺は途端に2人と行動するのが恥ずかしくなり会計を済ませるという名目で2人を先に行かせた。なんで妹とその友達に気を遣わなければいけないのだろう俺。
2人がファミレスを出て行くのを見届けた後、俺は伝票を取ってレジで会計を済ませた。
「…適当に本屋で時間潰しとくか」
そんなことを呟きながら俺はファミレスを出て行き、水着売り場近くの本屋で時間を潰すことにした。
---「お兄ちゃーん!」
「んっ?」
本屋に入って20分ぐらいすると梓とイーリスちゃんが叫びながら俺に向かって駆け寄って来た。その際、若干人目が俺に向いていて恥ずかしくて反応に少し困った。
「もう水着買ったのか?」
「うん! とってもかわいいの見つけたの! ねっ、イーリスちゃん!」
俺が問いかけてみると、梓は満面の笑みで返してきた。よっぽどいいのを見つけたのだろう。イーリスちゃんもいいのが見つかったのか小さく首を縦に振り肯定した。
「そっか、じゃあそろそろ帰ろうか」
「うん!」
荷物もちょっと多くなったからそろそろ帰ろうかと思い2人の荷物を持ち本屋を後にしようとしたその時だった。
「お兄ちゃん♡」
「ん?」
急に梓に呼び止められた。しかし、どこか様子がおかしいというか、声が弾んでいた。そんなにいい水着が見つかったのだろうか?
「手、繋いでもいいかな?」
「えっ?」
すると梓から意外な発言が出てきた。俺は一瞬驚いたが、ふと昔のことを思い出した。そういえば昔は当たり前のように手を繋いで出かけていたっけな。
「ああ、いいよ」
「ほんと!?」
まあ別にいっかと思った俺は承諾すると梓は再び満面の笑みを見せてくれた。
「えへへっ♡」
梓は俺が持っていた荷物を1つ取ると俺の手を嬉しそうに握ってきた。ちょっとだけ昔の頃に戻った気がしたがなんだか恥ずかしくなってきた。
「んっ」
「ん?」
するとなぜかイーリスちゃんが俺に向けて手を差し伸べてきた。急にどうしたんだ?
「お兄ちゃん、イーリスちゃんもだって」
「えっ? イーリスちゃんも?」
「……」
俺は梓の発言でさらに驚いた。まさかあのイーリスちゃんが俺と手を繋ぎたいだなんて。でも、イーリスちゃん、ふてくされてる気がするのだが。
「じゃ、じゃあ、手、繫ごっか、イーリスちゃん」
「んっ」
俺がイーリスちゃんの手を握ってあげるが、イーリスちゃんの顔が不機嫌そうに見えるのだが、本当に繋ぎたかったのだろうか?
そんな感じで、俺達3人は仲良く? 手を繋いで家路について行った。やっぱりこれって両手に花って言うのかな?
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