俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第5章番外編 #4「私の初めての相手」

 ---私は家に帰ると、すぐに自室にこもりました。

 机に鞄を置くと中を漁り、彼の止血に使ったハンカチを取り出した。

 彼にそこまでしてあげたのには理由がありました。その理由がこの血が付着したハンカチにあるのです。

 「…フーー」

 私はハンカチを広げしっかりと両手で持つと心を落ち着かせるために、一度深呼吸しました。

 「……」

 そして緊張した面持ちでハンカチを見つめていました。こんなに緊張したのは初めてかもしれませんでした。

 「…んっ!!」

 しばらく見つめた後、思いきり顔をハンカチでうずめました。

 「スー…ハー…」

 ハンカチを顔いっぱいに埋めた私は、大きく深呼吸を1つつきました。

 「ッ!?」

 すると鉄の匂いが私の鼻の中に満たされていきました。

 時間が経って生暖かさはなくなってましたが、アルデヒド分子のTrans-4,5-Epoxy-(E)-2-Decenal(トランズ-4,5-エポキシ-(E)-2-デセナール)という血液に含まれる化学物質が私の鼻を刺激してきました。

 「ハアーー」

 10秒ほど深呼吸した後、顔を上げ空気を吸い込んでいました。

 すると、彼の血の匂いの余韻が空気を吸うことによって鼻の奥に流れ込んで身体中に染み渡ってくる感じがしました。

 「ハア♡ いい匂い♡ こんなに興奮するのは初めてかも♡」

 私は彼の血の匂いを嗅いで、身体中が火照り出し興奮してしまいました。こんなに興奮するのは初めてで、理性が抑えきれず、何度もそのハンカチに付着した彼の血の匂いを吸いまくっていました。

 「ハア♡ ハア♡ ハア♡」

 自分自身でも信じられないほど興奮して、他の人には絶対見せられないような状態になっていました。

 そんな時、彼に優しくしておいてよかったと心から思っていました。

 彼の手当てをしてあげた理由、それはこの時のためにしてあげただけでした。

 吸血鬼は同じ血液型を好みますが、さらに異性となると理性が抑えきれなくなるほどに興奮してしまうのです。

 今まで母以外で同じ血液型の人に出会ったことがなく、その上異性の人のだったので、初めての快感に自我を失いかけそうでした。

 「ハア♡ もっと、欲しい♡ 彼の、アレが♡」

 そして私の欲はどんどん大きくなり、彼を欲したくなる気持ちが強くなっていました。

 「ハア♡ 決めました! 彼を、私のモノにします!」

 とうとう私は彼を初めての相手に選ぶことを決意しました。今まで人を襲うようなことはしたことはありませんが、同じ学校の人ならそのチャンスはいくらでもあります。

 「その為にはまず、彼のことを調べる必要がありそうですね」

 そして私は彼のことについて調査することにしました。ちなみにその日の晩はずっと彼のことばかり考えていました。

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