俺の高校生活に平和な日常を
第5章 #22「みのりVS由佳さん(前編)」
「ふふふっ、いいわよ。ただし…」
由佳さんは不敵な笑みを浮かべながらみのりの売り言葉に買い言葉で返した。だが、由佳さんはすぐに闇に消えていった。
「私を捉えきれるかしら?」
部屋の四方八方から消え入るような由佳さんの声が聞こえてくる。これではどこにいるのか全く分からない。
「和彦君、大丈夫ですか?」
そんな中、みのりは俺のところに向かって来る。こんな状況で迂闊に動いて大丈夫なのだろうか?
「……」
ところが、みのりは急に時を止められたかのように硬直した。気のせいか顔が赤くなっているような…
「!?」
俺はふと自分の状況を確認した。上は問題ないが、下では有紗が俺の股間を枕替わりにした状態でいつのまにか眠っていた。しかもズボンを下されたままの状態で。
気を失っているのだろうが、側から見たらとんでもない淫らな光景だ。まあもう少しで淫らな行為が始まるところだったのだが。
「……」
今すぐに弁明したいところだったが、まだ声が出せない。だから俺は慌ててズボンを履こうとしたが、有紗が邪魔で上手く履けない。
しかもよりによってうつ伏せになっていて有紗の顔が股間に当たって変な気分が込み上げてくる。
「ふ、2人共、だ、大丈夫そうで良かったです」
そんな姿を見かねてか、みのりは視線を逸らしながらも有紗を抱え起こしてくれた。その間に俺は急いでズボンを履いた。申し訳ない気持ちがふと湧き上がってきた。
「ふふふっ、随分と余裕そうね」
「!?」
そんなことをしていた時だった。いつの間にか由佳さんがみのりの背後に現れていた。両手を広げみのりを捕まえようとしている。
しかし俺はそれを目にしながらも声が出せずただその光景を見ていることしか出来ない。ヤバい! 気づいてくれみのり!
「ふんっ!」
「ッ!?」
由佳さんがみのりを捕まえようとしたその時、由佳さんが突然、横に吹っ飛んでいった。何が起こったのか、見ていた俺もよくわからなかったが、吹っ飛んだ由佳さん自身もよくわかっていないようだ。
「ぐうっ!!」
吹っ飛んだ由佳さんは思いっきり壁に激突し呻き声をあげた。その顔面には鼻血が付着していた。
「あなたが後ろにいることぐらい、見なくてもわかりましたよ、サキュバスさん」
「ゔっ、なん…です…って?」
そんな由佳さんに語りかけるようにみのりは喋り始めた。
よく見るとみのりの片腕を後ろに振りかざしていた。その片腕の拳には血が付着していた。
それを見て俺はすぐに理解した。由佳さんが吹っ飛んだのは、みのりが由佳さんの顔面に裏拳をくらわしたのだろう。あまりの速さで見えなかったが。
「さあ、続けましょうか、サキュバスさん」
由佳さんは不敵な笑みを浮かべながらみのりの売り言葉に買い言葉で返した。だが、由佳さんはすぐに闇に消えていった。
「私を捉えきれるかしら?」
部屋の四方八方から消え入るような由佳さんの声が聞こえてくる。これではどこにいるのか全く分からない。
「和彦君、大丈夫ですか?」
そんな中、みのりは俺のところに向かって来る。こんな状況で迂闊に動いて大丈夫なのだろうか?
「……」
ところが、みのりは急に時を止められたかのように硬直した。気のせいか顔が赤くなっているような…
「!?」
俺はふと自分の状況を確認した。上は問題ないが、下では有紗が俺の股間を枕替わりにした状態でいつのまにか眠っていた。しかもズボンを下されたままの状態で。
気を失っているのだろうが、側から見たらとんでもない淫らな光景だ。まあもう少しで淫らな行為が始まるところだったのだが。
「……」
今すぐに弁明したいところだったが、まだ声が出せない。だから俺は慌ててズボンを履こうとしたが、有紗が邪魔で上手く履けない。
しかもよりによってうつ伏せになっていて有紗の顔が股間に当たって変な気分が込み上げてくる。
「ふ、2人共、だ、大丈夫そうで良かったです」
そんな姿を見かねてか、みのりは視線を逸らしながらも有紗を抱え起こしてくれた。その間に俺は急いでズボンを履いた。申し訳ない気持ちがふと湧き上がってきた。
「ふふふっ、随分と余裕そうね」
「!?」
そんなことをしていた時だった。いつの間にか由佳さんがみのりの背後に現れていた。両手を広げみのりを捕まえようとしている。
しかし俺はそれを目にしながらも声が出せずただその光景を見ていることしか出来ない。ヤバい! 気づいてくれみのり!
「ふんっ!」
「ッ!?」
由佳さんがみのりを捕まえようとしたその時、由佳さんが突然、横に吹っ飛んでいった。何が起こったのか、見ていた俺もよくわからなかったが、吹っ飛んだ由佳さん自身もよくわかっていないようだ。
「ぐうっ!!」
吹っ飛んだ由佳さんは思いっきり壁に激突し呻き声をあげた。その顔面には鼻血が付着していた。
「あなたが後ろにいることぐらい、見なくてもわかりましたよ、サキュバスさん」
「ゔっ、なん…です…って?」
そんな由佳さんに語りかけるようにみのりは喋り始めた。
よく見るとみのりの片腕を後ろに振りかざしていた。その片腕の拳には血が付着していた。
それを見て俺はすぐに理解した。由佳さんが吹っ飛んだのは、みのりが由佳さんの顔面に裏拳をくらわしたのだろう。あまりの速さで見えなかったが。
「さあ、続けましょうか、サキュバスさん」
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