俺の高校生活に平和な日常を
第4章番外編 #16「裁きの決断を」
 「…なんだよ…あの魔法は…?」
 ミシェーラは私の後ろのものを見て驚愕している。私には後ろに何があるのか見なくても分かっている。それは私の頭の中でイメージ出来ているから。
 白い翼を生やした全長10メートル以上ある女神のような女性が何かに祈りを捧げるようなポーズで出現している。
 最高神・アフラ。家の書庫にあったアフラの神話を見たことがある。善神・スプンタと悪神・アンラとの両者を裁ける立場であったと言われている。あの時のイメージは髭面のおじいさんかと思っていたが、まさか若い女が出てくるとは。
 「……」
 さっきまで怒声を放っていたミシェーラもあまりの神々しさに黙然と見とれてしまっている。
 「さあアフラよ。そこにいる者に聖なる裁きを」
 「!?」
 私がそう言うと今度は我に返り焦り始めるミシェーラ。
 「オイ!こんな事してタダで済むと思ってんのか?!私をヤればママ達も黙ってねーぞ!?」
 「そう」
 ミシェーラが必死に脅してくるが私は素っ気なく返した。けれど、アイツの言っている事はあながち嘘ではないのかもしれない。
 魔女達は同族意識が高く他の魔女が倒されるとあらゆる手を使って復讐するのだそうだ。おそらくその事とミシェーラが言っていたママが同族殺しと言われている話が繋がっているのかもしれない。
 だが今の私にはそんなの関係ない。私はただこの場所を守りたいだけ。誰が来ようとこの場所を奪おうとするなら容赦はしない。たとえアイツを殺して魔女達を敵に回したとしても。
 「ハッ、親も親なら子も子ってか?親子揃ってバカな奴等だな!?ハハハッ!!」
 そう言ってミシェーラは吹っ切れたように笑い出した。憎たらしい笑みだが今の状況を見ると腹ただしいというよりも哀れな気持ちになる。
 「なあイーリス?分かってんだろう?魔女を敵に回すとどうなるか。お前ならよーく分かってるよな?ならどうするか、分かってんだろ?」
 そして畳み掛けるように脅しをかけるミシェーラ。アイツも必死のようだが、確かにこのままアイツを殺せば少なくとも魔女達を敵に回す事にはなるだろう。
 少しの間、私の頭の中で色々な事を考えさせられた。もし他の魔女がこの場所を奪いに来たら?もし私を殺しに来たら?
 さっきまで敵に回す事を恐れてはいなかったが、考えれば考える程、現状の厳しさを思い知らされる。高い魔力を持つ魔女の実力は生半可な私の実力とでは圧倒的な差がある。
 「ほらイーリス、私を解放しろよ。今回は特別に見逃してやってもいいんだぜ?」
 「……」
 ミシェーラのその一言は天使の囁きのように聞こえた。そしてその一言で私の判断は決まった。
 「ッ!?があああっ!!!」
 「無駄よ。その程度で私が揺らぐ訳ないでしょ」
 私はアフラの審判を発動させた。するとミシェーラは息が出来なくなったかのように悶え苦しみ出した。いや、かのようにではなく、本当に息が出来なくなっているのだ。
 「イ…イーリス!!ふざ…けんなよ!!テメエ……!!」
 さっきまで憎たらしい笑みを浮かべていたのに今は苦痛の表情を浮かべている。だがもう少しでその苦痛ともおさらばすることになるだろう。自分の命と共に。
 「たとえ魔女達を敵に回したとしてもなんとかしてみせるわよ。だって私はママの、最強の魔女、アイリス・ヴァンドレッドの娘なんだがら!」
 「…ッ!?クソ…がああああ…!!!!」
 私の決意を告げると共にミシェーラは呻き声をあげそれからピクリとも動かなくなった。
 「…さようなら、ミシェーラ」
 ミシェーラは私の後ろのものを見て驚愕している。私には後ろに何があるのか見なくても分かっている。それは私の頭の中でイメージ出来ているから。
 白い翼を生やした全長10メートル以上ある女神のような女性が何かに祈りを捧げるようなポーズで出現している。
 最高神・アフラ。家の書庫にあったアフラの神話を見たことがある。善神・スプンタと悪神・アンラとの両者を裁ける立場であったと言われている。あの時のイメージは髭面のおじいさんかと思っていたが、まさか若い女が出てくるとは。
 「……」
 さっきまで怒声を放っていたミシェーラもあまりの神々しさに黙然と見とれてしまっている。
 「さあアフラよ。そこにいる者に聖なる裁きを」
 「!?」
 私がそう言うと今度は我に返り焦り始めるミシェーラ。
 「オイ!こんな事してタダで済むと思ってんのか?!私をヤればママ達も黙ってねーぞ!?」
 「そう」
 ミシェーラが必死に脅してくるが私は素っ気なく返した。けれど、アイツの言っている事はあながち嘘ではないのかもしれない。
 魔女達は同族意識が高く他の魔女が倒されるとあらゆる手を使って復讐するのだそうだ。おそらくその事とミシェーラが言っていたママが同族殺しと言われている話が繋がっているのかもしれない。
 だが今の私にはそんなの関係ない。私はただこの場所を守りたいだけ。誰が来ようとこの場所を奪おうとするなら容赦はしない。たとえアイツを殺して魔女達を敵に回したとしても。
 「ハッ、親も親なら子も子ってか?親子揃ってバカな奴等だな!?ハハハッ!!」
 そう言ってミシェーラは吹っ切れたように笑い出した。憎たらしい笑みだが今の状況を見ると腹ただしいというよりも哀れな気持ちになる。
 「なあイーリス?分かってんだろう?魔女を敵に回すとどうなるか。お前ならよーく分かってるよな?ならどうするか、分かってんだろ?」
 そして畳み掛けるように脅しをかけるミシェーラ。アイツも必死のようだが、確かにこのままアイツを殺せば少なくとも魔女達を敵に回す事にはなるだろう。
 少しの間、私の頭の中で色々な事を考えさせられた。もし他の魔女がこの場所を奪いに来たら?もし私を殺しに来たら?
 さっきまで敵に回す事を恐れてはいなかったが、考えれば考える程、現状の厳しさを思い知らされる。高い魔力を持つ魔女の実力は生半可な私の実力とでは圧倒的な差がある。
 「ほらイーリス、私を解放しろよ。今回は特別に見逃してやってもいいんだぜ?」
 「……」
 ミシェーラのその一言は天使の囁きのように聞こえた。そしてその一言で私の判断は決まった。
 「ッ!?があああっ!!!」
 「無駄よ。その程度で私が揺らぐ訳ないでしょ」
 私はアフラの審判を発動させた。するとミシェーラは息が出来なくなったかのように悶え苦しみ出した。いや、かのようにではなく、本当に息が出来なくなっているのだ。
 「イ…イーリス!!ふざ…けんなよ!!テメエ……!!」
 さっきまで憎たらしい笑みを浮かべていたのに今は苦痛の表情を浮かべている。だがもう少しでその苦痛ともおさらばすることになるだろう。自分の命と共に。
 「たとえ魔女達を敵に回したとしてもなんとかしてみせるわよ。だって私はママの、最強の魔女、アイリス・ヴァンドレッドの娘なんだがら!」
 「…ッ!?クソ…がああああ…!!!!」
 私の決意を告げると共にミシェーラは呻き声をあげそれからピクリとも動かなくなった。
 「…さようなら、ミシェーラ」
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