俺の高校生活に平和な日常を
第4章 #25「鍵の行方は?」
 ---「………」
 「………」
 玄関前でただ立ち尽くす俺と有紗。何故そんな状態になっているのか大体察しはつくと思うが、鍵を失くしてしまった。
 「おっかしーなー?ポケットの中にちゃんと入ってたはずなんだけどなー?」
 「………」
 俺の胡散臭そうに鍵を手当たり次第に探していると段々有紗の表情に苛立ちを見せているのが見えてきた。別に俺も胡散臭そうな芝居をしているわけではなく本当に見当たらないのだ。
 いつもズボンのポケットの奥に突っ込んでいる為、中々落ちることはないのだが何かの拍子で落ちてしまったのか?
 しかしいつどこで落としたのか全く覚えがない。こうなると帰路を一から戻って探してみるしかない。そうなると一体何時間かかるだろうか?
 「今更だけど私の合鍵、いつになったら作るのよ!?」
 「ごめん、今度作りに行くよ」
 そう言われてみればそうだった。最近は一緒に帰ることが多かったから合鍵なんか作る必要はないと考えていた。今思えば有紗にも合鍵を渡しておけば探す手間が省けるのだが。
 「梓は今日泊まりに行ってるし…ハア、探すしかねーかー」
 よりによって唯一の合鍵を所持している梓は今日、イーリスちゃん家に泊まりに行くと言っていた。あの時以来、一層仲が深まった2人は週末は泊まりに行くことが多くなっていた。仲がよろしくて結構なのだが今回ばかりは困ったものだ。
 「ならとっとと探しに行くわよ!」
 「えっ!?」
 俺は自分の失態に文句をつけていると有紗は階段の方に歩いて行った。まさか手伝ってくれるというのか?
 「私1人ここに居ても意味ないでしょ?2人で探す方が少しは効率よくなるし暗くなる前に早く探しに行くわよ!ボサッとしない!」
 「は、はい!?」
 俺は何も言い返せず有紗と2人で鍵を探すことになった。今の時間は17時を回ろうとしていた。辺りはオレンジ色に染まっていた。暗くなるまでとなると2時間あるかないかと言ったところか?帰路を戻って所々探しながら学校まで行くとなるとギリギリの時間かもな。なら早く探した方がいいのはまさしく正論だ。
 ---「ん〜、どこだ〜?」
 愚痴を時折溢しながら捜索を続ける俺と有紗。しかし見当付かずで探している為、中々見つからない。せめて心当たりがありそうな場所があればいいのだが帰る途中、ポケットに手を突っ込んだ記憶がない。
 「最後にポケットに手ぇ突っ込んだのは確か〜…自販機で飲み物買おうとして財布取ろうとした時だけど…」
 だがそれは昼飯の時の話でその時財布をポケットに戻した際にポケットの底にある鍵が財布に触れる感覚が俺にも伝わっていた。要するにその時に鍵は落としてはいなかったということだ。
 そうなると振り出しに戻ってしまうがもう探し始めて1時間、オレンジ色に染まっていた辺り周辺も暗くなり始めていた。
 「くっそ、やべーな」
 暗くなるにつれ視界も悪くなってくる。腰を下ろさないと足元に落ちている物がよく見えない。
 一応スマホのライトを点けてみるが真っ白過ぎて眩しいし見える範囲も限られてくる。まあそんな文句を言ってられる程、こちらには余裕がないのだが。
 ---「ハア、仕方ねー、奥の手使うかぁ」
 鍵を探して2時間は軽く超えた頃、気がつけば学校の前まで来ていた。部活生もチラホラ帰って行く中、挙動不審にあちこち動きながら学校に歩み寄っていく男女2人。学校の制服を着ていなければ通報されてもおかしくない気がする。
 しかしその成果も虚しくここまで来て成果なし。後探す所といったら学校ぐらいだが部活生も帰っているという事はもうじき学校が閉まるという事だ。しまったなぁ、先ず学校を調べた方が良かったかな?
 そんな訳で捜索を諦めた俺は梓に鍵を持って来て貰うことにした。先にそうすれば良いと思うがなにぶんイーリスちゃん家は家とは真逆にあるらしい(梓から聞いた話で実際行った事はないが)。
 そんな苦労を妹にかけさせまいという兄の心遣いなのだが最終的には頼ってしまうことになった。全くもって意味のない心遣いだ。
 「あら?こんな所に居た!?」
 「ん?」
 梓に電話をかけようとした時、ふと誰かに声をかけられた。女の人の声だがみのりの声ではない。でもどこかで聞き覚えのある声だ。
俺はスマホから声の聞こえた方に視線を移した。
 「あっ!?」
 そこに居たのは我が担任の先生、白石先生が立っていた。
 「………」
 玄関前でただ立ち尽くす俺と有紗。何故そんな状態になっているのか大体察しはつくと思うが、鍵を失くしてしまった。
 「おっかしーなー?ポケットの中にちゃんと入ってたはずなんだけどなー?」
 「………」
 俺の胡散臭そうに鍵を手当たり次第に探していると段々有紗の表情に苛立ちを見せているのが見えてきた。別に俺も胡散臭そうな芝居をしているわけではなく本当に見当たらないのだ。
 いつもズボンのポケットの奥に突っ込んでいる為、中々落ちることはないのだが何かの拍子で落ちてしまったのか?
 しかしいつどこで落としたのか全く覚えがない。こうなると帰路を一から戻って探してみるしかない。そうなると一体何時間かかるだろうか?
 「今更だけど私の合鍵、いつになったら作るのよ!?」
 「ごめん、今度作りに行くよ」
 そう言われてみればそうだった。最近は一緒に帰ることが多かったから合鍵なんか作る必要はないと考えていた。今思えば有紗にも合鍵を渡しておけば探す手間が省けるのだが。
 「梓は今日泊まりに行ってるし…ハア、探すしかねーかー」
 よりによって唯一の合鍵を所持している梓は今日、イーリスちゃん家に泊まりに行くと言っていた。あの時以来、一層仲が深まった2人は週末は泊まりに行くことが多くなっていた。仲がよろしくて結構なのだが今回ばかりは困ったものだ。
 「ならとっとと探しに行くわよ!」
 「えっ!?」
 俺は自分の失態に文句をつけていると有紗は階段の方に歩いて行った。まさか手伝ってくれるというのか?
 「私1人ここに居ても意味ないでしょ?2人で探す方が少しは効率よくなるし暗くなる前に早く探しに行くわよ!ボサッとしない!」
 「は、はい!?」
 俺は何も言い返せず有紗と2人で鍵を探すことになった。今の時間は17時を回ろうとしていた。辺りはオレンジ色に染まっていた。暗くなるまでとなると2時間あるかないかと言ったところか?帰路を戻って所々探しながら学校まで行くとなるとギリギリの時間かもな。なら早く探した方がいいのはまさしく正論だ。
 ---「ん〜、どこだ〜?」
 愚痴を時折溢しながら捜索を続ける俺と有紗。しかし見当付かずで探している為、中々見つからない。せめて心当たりがありそうな場所があればいいのだが帰る途中、ポケットに手を突っ込んだ記憶がない。
 「最後にポケットに手ぇ突っ込んだのは確か〜…自販機で飲み物買おうとして財布取ろうとした時だけど…」
 だがそれは昼飯の時の話でその時財布をポケットに戻した際にポケットの底にある鍵が財布に触れる感覚が俺にも伝わっていた。要するにその時に鍵は落としてはいなかったということだ。
 そうなると振り出しに戻ってしまうがもう探し始めて1時間、オレンジ色に染まっていた辺り周辺も暗くなり始めていた。
 「くっそ、やべーな」
 暗くなるにつれ視界も悪くなってくる。腰を下ろさないと足元に落ちている物がよく見えない。
 一応スマホのライトを点けてみるが真っ白過ぎて眩しいし見える範囲も限られてくる。まあそんな文句を言ってられる程、こちらには余裕がないのだが。
 ---「ハア、仕方ねー、奥の手使うかぁ」
 鍵を探して2時間は軽く超えた頃、気がつけば学校の前まで来ていた。部活生もチラホラ帰って行く中、挙動不審にあちこち動きながら学校に歩み寄っていく男女2人。学校の制服を着ていなければ通報されてもおかしくない気がする。
 しかしその成果も虚しくここまで来て成果なし。後探す所といったら学校ぐらいだが部活生も帰っているという事はもうじき学校が閉まるという事だ。しまったなぁ、先ず学校を調べた方が良かったかな?
 そんな訳で捜索を諦めた俺は梓に鍵を持って来て貰うことにした。先にそうすれば良いと思うがなにぶんイーリスちゃん家は家とは真逆にあるらしい(梓から聞いた話で実際行った事はないが)。
 そんな苦労を妹にかけさせまいという兄の心遣いなのだが最終的には頼ってしまうことになった。全くもって意味のない心遣いだ。
 「あら?こんな所に居た!?」
 「ん?」
 梓に電話をかけようとした時、ふと誰かに声をかけられた。女の人の声だがみのりの声ではない。でもどこかで聞き覚えのある声だ。
俺はスマホから声の聞こえた方に視線を移した。
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