俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章番外編 #8「約束」

 「嘘じゃねーさ!叶えられる願いは1つだけだがどんな願いだって叶えてやる!」

 「どんな願いでも?」

 「ああそうさ。2人の仲を深めることなんかあさめし前だせ!」

 その言葉を聞いて私の心は安心という気持ちに呑み込まれました。私が魔法少女になれば2人が仲良しになれる。そうすれば家族円満に暮らせる。そんな考えが私の中に浮かんできました。

 「どうだ!いいことづくめだと思わないか?」

 「うんそうだね」

 「じゃあ契約は成立ってことでいいか?」

 「ん?ん〜…」

 「んん?どうした?」

 だけど私はどこか腑に落ちないところがありました。

 「でもそんなんでいいのかな?」

 「何が言いたいんだよ!?2人に仲良くなって欲しいんだろう?」

 「うん、そうなんだけど…」

 (でも何か違う!)

 「でも何か違うの!その…なんていうか…ホラ、急に2人が理由もなく仲良くなったら違和感があるっていうか、気味が悪いというか…」

 私は真っ白な頭の中に出てきた言葉をそのまま口に出しました。でもそれは思いつきで適当に言っている訳ではなく本当にそう思って出てきた言葉なので嘘ではありません。バードさんも私の見解を聞いて何度も頷きました。

 「なるほど、確かに違和感はあると思うがそれでも俺は叶えるべきだと思うぞ!」

 納得はしてくれたもののどうにか説得してくるバードさん。でもやっぱり私にはどうしてもその違和感を拭えないことに決断を鈍らせていました。

 「ねえバードさん」

 「ん?」

 「お願いします!少し私に考える時間をくれませんか!?」

 私にとっても家族にとってもとても重要なことだと思い私はバードさんにその場で土下座をしながら考える猶予を貰おうとしました。するとバードさんは頭を掻きながら少し悩んでいたようでしたが小さくため息を溢した後、ゆっくりと口を開きました。

 「…しょーがない、1日ゆっくり考えてみたらいいさ!」

 「本当にいいの?」

 「あんまり無理強いさせるのも良くないしな。1日だけだったら待ってやってもいいぞ!」

 やれやれと言わんばかりに話すバードさん。本当はココで契約したかったと顔に書いてありました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 「じゃあ明日な!いい返事期待してるぜ!!」

 「あっ、でもどこで待ち合わせ…」

 顔を上げてそう言い切る前には既にバードさんの姿はありませんでした。瞬間移動でもしたのかな?と思う程にまさに一瞬の出来事でした。それにしても待ち合わせとかしないで大丈夫なのか?とか思いながらも私はお家に帰ることにしました。

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