俺の高校生活に平和な日常を
第3章 #28「2人の友情」
 「イーリスちゃんが私を…」
 俺は今までの事を素直に梓に話した。梓にはイーリスちゃんのことを誤解して欲しくないと思ったからだ。
 しかし俺の予想とは裏腹に梓の目から涙が流れていた。
 「あ、梓!?」
 俺はどうしたらいいのか分からずただ慌てることしか出来なかった。
 「ゴメンねお兄ちゃん。違うの。私、嬉しくって」
 「嬉しい?」
 あっちにはあっちなりの事情があるとはいえあんな目に遭わされて何故嬉しいのか俺にはよく分からなかった。
 「イーリスちゃんは私のことをそんなふうに思ってくれていたなんて思うと嬉しくて嬉しくて…」
 手で涙を拭きながらその訳を話してくれた。それを聞いて俺は2人がどれだけ思い合っているのかを再確認させられた。どうやら今回の件で2人の友情は更に深まっただろう。
 「ところでイーリスちゃんは!?」
 「え?」
 すると梓はイーリスちゃんのことを俺に聞いてきた。一瞬驚きはしたものの俺はスッと立ち上がり部屋を出た。
 「??」
 梓は首を傾げたが、俺はすぐに戻ってきた。
 「!!イーリス…ちゃん!?」
 「………」
 俺はイーリスちゃんの両肩を掴みながら連れてきた。実はいうとイーリスちゃんはドアの方でずっと待ってくれていたのだ。本人は会わせる顔がないと思っていたのだろうがどうやら梓の気持ちは真逆のだったらしい。
 「イーリスちゃん!!」
 「きゃあ!!」
 すると突然梓はイーリスちゃんに抱きつくように飛びついてきた。イキナリ飛びついてこられてビックリするイーリスちゃん。
 「ありがとう、イーリスちゃん」
 さっき流し終わった涙が再び流れてきた梓。しかしさっきより涙の量が多く顔がぐしゃぐしゃになる程泣いてイーリスちゃんの体を抱きしめた。
 「…私こそごめんなさい」
 イーリスちゃんは梓につられるかのように涙を流し謝罪をした。そんな2人を俺は何も言わずただ黙って見守っていた。その後2人は泣き疲れてお互いを抱き合いながら眠ってしまった。2人共まるで幼稚園児のような愛らしい寝顔をしていた。
 「よかったな、梓」
 俺は小さく独りで呟きながら掛け布団を2人に被してその場を後にしたのだった。
 ---そんなこんなでGWも最終日を迎えた。有紗もちょうどその日に帰ってきて約束していたお出掛けをすることにした。本来は3人で行く予定だったが梓の希望でイーリスちゃんも含めて4人で動物園に出かけた。そうして俺の長いようで短かった高校1年目のGWは幕を閉じたのだった。
 俺は今までの事を素直に梓に話した。梓にはイーリスちゃんのことを誤解して欲しくないと思ったからだ。
 しかし俺の予想とは裏腹に梓の目から涙が流れていた。
 「あ、梓!?」
 俺はどうしたらいいのか分からずただ慌てることしか出来なかった。
 「ゴメンねお兄ちゃん。違うの。私、嬉しくって」
 「嬉しい?」
 あっちにはあっちなりの事情があるとはいえあんな目に遭わされて何故嬉しいのか俺にはよく分からなかった。
 「イーリスちゃんは私のことをそんなふうに思ってくれていたなんて思うと嬉しくて嬉しくて…」
 手で涙を拭きながらその訳を話してくれた。それを聞いて俺は2人がどれだけ思い合っているのかを再確認させられた。どうやら今回の件で2人の友情は更に深まっただろう。
 「ところでイーリスちゃんは!?」
 「え?」
 すると梓はイーリスちゃんのことを俺に聞いてきた。一瞬驚きはしたものの俺はスッと立ち上がり部屋を出た。
 「??」
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 「!!イーリス…ちゃん!?」
 「………」
 俺はイーリスちゃんの両肩を掴みながら連れてきた。実はいうとイーリスちゃんはドアの方でずっと待ってくれていたのだ。本人は会わせる顔がないと思っていたのだろうがどうやら梓の気持ちは真逆のだったらしい。
 「イーリスちゃん!!」
 「きゃあ!!」
 すると突然梓はイーリスちゃんに抱きつくように飛びついてきた。イキナリ飛びついてこられてビックリするイーリスちゃん。
 「ありがとう、イーリスちゃん」
 さっき流し終わった涙が再び流れてきた梓。しかしさっきより涙の量が多く顔がぐしゃぐしゃになる程泣いてイーリスちゃんの体を抱きしめた。
 「…私こそごめんなさい」
 イーリスちゃんは梓につられるかのように涙を流し謝罪をした。そんな2人を俺は何も言わずただ黙って見守っていた。その後2人は泣き疲れてお互いを抱き合いながら眠ってしまった。2人共まるで幼稚園児のような愛らしい寝顔をしていた。
 「よかったな、梓」
 俺は小さく独りで呟きながら掛け布団を2人に被してその場を後にしたのだった。
 ---そんなこんなでGWも最終日を迎えた。有紗もちょうどその日に帰ってきて約束していたお出掛けをすることにした。本来は3人で行く予定だったが梓の希望でイーリスちゃんも含めて4人で動物園に出かけた。そうして俺の長いようで短かった高校1年目のGWは幕を閉じたのだった。
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