デイズ

鬼怒川 ますず

朝がやってくる

朝、クリスマスのこともあって冷え込んだ空気に触れて目を開ける。
目の前では君が静かに寝息を立てていた。

綺麗な寝顔だ。

僕は君のおでこにキスをした。
そしていつの間にか握っていた手を見て決心する。

絶対に君を守る、そのためにはどんな奴らでも倒してみせると。

少年漫画をあまり読まない自分でもこのセリフはくさいと思うが、それでも君に人殺しをさせた奴らを許すわけない。

僕は起きて普段着に着替える。
彼女はまだ寝ているので、僕はそっと部屋を出る。

リビングに行くと母親が僕と君の分の朝食を作って置いてくれていた。
父は朝早いのでもういない。

それにしても力の入った朝食だった。
台所を見ると大量の小豆を用意し、なぜか料理本を開いて赤飯を炊こうとしている。

なんでか母に聞くと、母は涙を流しながら僕を見る。

「ったくあんたってば、まさか自分の部屋に招いてやるなんて……立派な息子に育ってくれたわ」

どうやら朝、君を起こしに行った時に部屋にいないので探したら僕と一緒に寝てるところを見られていたらしい。

違うよと言って母に誤解を解くように説明した。
その姿を、いつの間にか起きた君が笑いながら見ていたのに気づくのは母が君に朝の挨拶をした時だった。


「お、おはようショウくん…ぷくく…」

「夜中に部屋にやってきた君のせいだからね!? 」



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