ころせ

君は気がつくと、壁が白一色の大きな部屋に閉じ込められていたらしく、上の方にまるで見下ろすかのようにガラス張りが出来ており、そこに見覚えのある姿があった。

赤いスーツの男だ。
彼はマイク越しに彼女に対してある条件を言ってきた。

「君は私のスカウトを断ったからこうなったんだよ。自分の軽薄な行動が大切な人の命を奪った。だから君にチャンスをあげるよ」

「いいから早く出してよ！ここはどこなのよ！？」

「チャンスは簡単、これから毎日君は私が差し出す検体と殺し合いをしてもらう。数は200人くらいかな？全部殺せたら帰してやってもいい。途中で死んだらそれでアウト」

それは君にとって理解できないことだった。

男が言ったのは200人殺したら解放。
それが示すのは、自分が人殺しをすること。

そんな事、当然出来っこなかった。