連奏恋歌〜設定資料集〜

川島晴斗

世界観

・世界観について

 物語の中で語られる【世界】……例えば【地球】であったり【ヤプタレア】であったり、それは全て神や律司神(名称上は神の上位存在、または概念)の作ったプログラムであり、観測される世界。律司神達はそれぞれが概念であり(例えば愛、自由等)、それぞれがさらなる発展や自身の意味をさらに解明し、そのデータを集積して全ての概念の頂点に立つ唯一神を作り出すために【地球】等の世界を作って研究している。

 特に律司神の中でも上位に存在するのが管理律司神であり、全てのデータや神の行動を管理、制限している。また、律司神はあらたな概念、または他の神が自分以上に概念の知恵を持つ、若しくは辞退により交代することができる。

 この中で、善、悪という2人の律司神に生み出されたのが【サウドラシア】という世界であり、自由律司神によって生み出されたのが【ヤプタレア】である。【地球】における記述は特にしていないが、物語上ではこれも律司神によるプログラムの1つとする。

 なお、数十億年前から星が存在し、数多の生命が生まれたなどの仮説が【地球】その他の世界で存在するが、それらの事実はこの世界においても同じである。この物語においてはビッグバンが起きていると仮定するが、そこから遥か遠い別の星ではまた律司神がそこを観測している。

 わかりやすく言い換えるなら、宇宙は1つのフォルダで、新しいデータを作成するのがビッグバンである。なお、ビッグバン以外にも星の生成する方法はあり、たまたま【地球】における生成がビッグバンであったに過ぎない。何が言いたいのかといえば、"60億年前から地球ができたんではなく、本当は観測生命の誕生する数日前にはもう既にできている"ということである。



 以下に3つの世界について説明を記す。
・地球
 かつて恐竜の研究をしていた律司神が恐竜の絶滅により放流した世界。不要な世界は基本的に、共通のダストファイルに放流し、その世界を必要に応じて誰でも観測できるようにしている。
 現在では知的生命体である人間が世界を支配し、科学技術を発展させた。現在の地球は、響川瑞揶、川本霧代が居るように、我々でいう所の現代にあたる。


・サウドラシア
 善並び悪律司神による研究世界。星の生成時にその星の性質を決めつける【界星試料】、【フランタグレア】を投入する。
【フランタグレア】は改良版であり、前回の研究世界ではマントルに埋め込まれていたが、サウドラシアでは人間が発見できるように地上に通路があり、地下8階まで存在する。 地上に出ている形は城そのものであり、人間が西大陸と定義した大陸の中心部に建っている。

 【フランタグレア】の効果により、この世界では善意と悪意が平等となり、不均一を許さなくする。さらには善意と悪意が魔力となり、人間の血統と意思により魔法の能力が変わる。
 また、星の中心に天使または精霊を置き、世界での魔法の発動有無を管理している。
魔法に関する情報は別途記載。

 民度と人口について。
 科学技術に関しては、科学よりも魔法が優遇される世界のため、発展は乏しい。数学の教養はまだXY平面図も存在しない程度。
 〜歌われぬ原初のバラード〜地点において電灯というものは存在しない。科学技術が注目を浴び始めたのはフォルシーナの魔物解放後であり、魔物に対抗する手段として試行錯誤したが、銃などは出来なかった。
 しかし真空管に電気を流すと放電する現象を〜求愛する贖罪者〜地点では観測され(魔破暦127年)、バスレノス等で取り入れられている。
 また、人口については旧暦(歌われぬ原初のバラード地点)の【サウドラシア】では2億人、魔破暦140年地点で3億6千万人。【ヤプタレア】では天界1億人、魔界19億7千万人、人間界48億人。【地球】は現在の人口を参照。

音楽文化について
これが栄えた理由は、芸術を自己表現としてではなく、自分の時間を犠牲にして人を満足させようという善意の象徴として絵画、小説、音楽、踊り等の文化が各地方で栄えた。その中心として、もっとも広まったのが音楽であり、東大陸のフラクリスラルや西大陸等で脚光を浴びた。


・ヤプタレア
自由律司神の作った世界。自由に生きさせるため、【界星試料】は特にない。しかし、世界に危機を及ぼすような存在には自由律司神が自らブロックを仕掛ける。

天界、人間界、魔界が存在するが、これを作成した理由は"その方が面白そうだったから"という自由律司神のコメントがある。全ての世界において技術レベルはほとんど同じであり、天界のみ最先端技術がより研究されている。天界はアキュー自身が別荘を作っており、世界の中に入ってはひょっこりお邪魔している。

民度は地球と特に変わるところはないが、天界、人間界、魔界でのそれぞれについて少々述べる。

1.天界
天界は地上5万mに存在する浮遊大陸で、通常の人間では生息できない。殆どが天使で統治する土地であり、機械技術が人間界よりも発達している。自由律司神を実質補佐する天使が天界の代表を務め、ヤプタレア全体の民度や技術レベルを調整、管理している。

2.人間界
【地球】のように海に面している陸の部位。人間、魔人、天使が共通して生息する世界で、1つの惑星全体である。太古から魔界、天界による人間界略奪戦争が勃発したが、200年前に共和条約が締結し、3つの世界のヒト型の生命が暮らしている。血筋(DNA)によって魔人、人間、天使になるかが男女の違いのように分かれていたが、今月が当然となった現代では何の種族で生まれるかが不明であり、天使と魔人から人間が生まれることもある。
文化レベルは【地球】と遜色ない。

3.魔界
【ヤプタレア】の高度10万mを超えると次元ファイルを超えて別の魔界ファイルに行くことができる。
魔界では昔より建つ建造物が今でも使用され、物語上の【ブラシィエット】などがいい例である。空は夜が青く、朝が赤い。
魔界は魔王の管轄にあり、魔王は各国の行いや行動を決める決定権がある。

魔界もまた1つの惑星であるが、その大きさは地球の1/3程度のものである。

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