異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)
58 . 海の上を旅する
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
私、海の上を、飛んでいます。
「な、何そんなに叫んでるんじゃ!?」
「これめちゃくちゃ楽しいですよ!!」
「すっごい楽しいやん!!帰りもこれやろうや!」
「気持ちいです〜!」
皆んな数匹の烏に身体を掴まれ飛んでいるのだが、なかなかに高い。
海面から50メートルはある。
落ちたらこれ死ぬ。
失神して浮いてこなくて死ぬ。
「アイナ様ー!もうちょっと楽しみましょうよー!!」
私が蒼白となっている所なぜこんなに三人が楽しんでいるのかわからない。
「うぇぇ…」
吐きそうになりながらなんとか耐えて海上を飛び抜けた。
私、高所恐怖症になります。
「もう着きやしたよ」
少し上の方を大きな羽を動かし飛ぶリロロが大きな声で言うと烏たちは止まり宙ぶらりんになった。
「あ、あの。リロロ殿。ここからどうやって降りるのですか」
純粋なアイの質問に漠然と笑顔でリロロは答えた。
「落とせばええじゃろ」
「「「「はっ?」」」」
パチンとリロロが指を鳴らすと同時に烏たちが手を離し空中へ放り出された。
「「「「わあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」」」」
ドッボーンッ!と高く海水が上がり辺りは波に包まれた。
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