異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

57 . 颯爽の鴉


差出人は16幹部の一人、アレアというセイレーンからだった。
内容はこうだ。
怪しげな部下達の秘密の会議が偶然耳に入ってきたらしい。奴は調子に乗りすぎて被害が出ているから町外れの広間で奴を始末しよう、という会話だった。
これじゃ殺されると思ったアレアは魔王に助けの援軍をよこしたという事だ。

「…と、いう訳だ」

「「「なるほどわからん」」」

書斎に呼び出した三人の声がハモった。
もちろん三人とは三姉妹だ。
「…とりあえず」
一息つき口を開いたのは真ん中にいたアイだった。
「アレア殿がいなくなられては海の中が荒れ、毎年の海水浴もままならなくなってしまいます」
なにそれそこのところをもっと詳しく。 
「そういう訳で助けに行っては?」
「でも、海底都市のマリンファールってめちゃくちゃ遠いですよ〜?」 
アイの提案にメイが口を挟む。それにうんうんとマイが頷いた。
ふむ、なんか馬鹿2人と同じ意見なのが気にくわないので助けに行くとしよう。
「アイナ様声漏れてます」
「酷いです!!」
マイ達はが涙目でこちらを睨んでくるが知らんこっちゃない。
「まぁまぁ。ってかそんなにマリンファール?って遠いの?」
疑問符混じりに質問するとバァンッと奥の扉が開いた。
そして現れたのは__

「わっちが乗せてってありやしょう」

鴉の黒い羽の生えた日本美人、リロロ・カラスギだった。

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