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異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

33 . どちら様ですか?

「酷いですアイナ様ー!!!」
事情を説明するため青髪の少女を連れ帰って来ると早速待ち構えていたマイが涙目で何かを訴えている。
「なんで置いてくんですか!?なんで勝手に外へ出るんですか!?困るんですけど!困るんですけど!!!」
あーあー聞こえない聞こえない。
「ってかこの人どちら様ですか!?」
って、あれ?敷地内にいたからここの人だと思っていたがどうやら違うようだ。マイは青髪の少女と肩の緑のドラゴンを指差す。
「こら、私は人に指差すような子に育てた覚えはありませんッ!」
「奇遇ですね!私もアイナ様に育ててもらった記憶ないですけど!!??」
というか今更なのだがなぜマイ一人だけなのだと思いながら辺りを見渡すが残りの二人は当然のように居ない。
「あの、貴女は誰、です?」
首を傾げながら青髪の少女は口を開く。
「ハッ、貴女ちゃんと教育を受けてるんですか?名乗らせるならまずは自分からという言葉を知らないのですか!?」
「おいこら」
「あだッ」
ベシッと口だけ威勢のいいマイを黙らせると少女は『はてなまーく』を浮かべた。
「私はソレラ、です。名乗りました、ですよ、金髪の方」
「誰がチャラい女よ!」
言ってねぇよ。
「私はここの長女、マイよ!崇めてくれても構わないわ!!」
「黙れよ」
「痛い!アイナ様やめてくださいよ!」
「まずお前がやめろ」
青髪の少女はこちらを見てやはり首をかしげると物珍しそうに屋敷内を見渡した。
「それで、黒髪の貴女は、なんですか?」
「私?私はアイナ」
その言葉を聞くと少女はボソボソとアイナ、アイナと繰り返していた。
「…それで、アイとメイは?」
やはりあの二人の姿が見えない。一体どうしたのだろうか?某団子さん兄弟のように三人セットのイメージなのだが…。
「あぁ、二人はいまお母様にイメチェン(強制)を行われてますよ」
「イメチェン…だと?」
「ええ、なんでも三人揃って同じ髪型とか個性なさすぎだと言われまして」
まぁそりゃそうだろう、私だってそう思う。
「えっと…あの…」
か細い声控えめな声が後ろから聞こえたので振り返ると一人の少女がいた。陶器のような肌がほんのり赤く染まりふっくらとした唇にパッチリとした伏せられた瞼。茶色ベースのメイド服に身を包んだ、赤髪のポニーテールの___

……………。

「どちら様ですか?」

「わ、私です…。アイです…。その、髪結んでみたんですが…」
ふむ、少しでた触角の部分を右手で恥ずかしそうにいじるなんていつものアイとは思えない。
うむ。

「偽物だ」
「ち、違います!!」

「どうですか〜?メイもいい感じですよ!」
てくてくと奥から歩いてきたのは長かった緑髪を少し切って、三つ編みのおさげにしてやって来た。
「へぇ、可愛いじゃん」
「ふふふ、でしょ〜?」
「そんでこの偽物はどうする?」
「だから違いますよぅ!!!」

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