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異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

27 . ゲームをしましょう

「ねぇーマイマイー」
「かたつむりみたいに呼ばないでくださいよ。なんですか」
呆れた顔のマイを一瞥して広がる平原を見渡し、こう呟いた。
「ものすごーく暇」
そう、暇である。あれから一時間は経ったであろうか、暇すぎる。
「んなこと言われましても」
「そうですね〜、海街のマリティモに着くまでにあと一時間はありますよ〜」
相変わらず本を読んでいるメイがポツリと絶望の言葉を放った。
あと…一時間…。
アイは私の隣で寝ていた。こんにゃろう、可愛い寝顔しやがって。
「あっ!アイナ様、そういえば私カードゲーム持ってきてましたー!」
パチンとマイは手を叩くと荷物の中をガサゴソと探り始める。あれー?どこだっけー?とか言っているのでやっぱり長女にしてはこいつ不安すぎる。
「あ、ありましたよ!!」
パァッと表情を明るくさせたマイは鞄から小さな長方形の箱を取り出した。
「…何これ?」
見たことのない青色のパッケージに『ビシュタイン』と綴られている。滑らかそうな紙面が天井のシャンデリアの光を跳ね返していた。
「これはビシュタインというカードゲームです!カードは100枚入ってて、そのプレイヤーにより中身が変わるのです!つまり依り代ですね!」
「へぇ、でもデッキとか私作ってないけど」
「その人の魔力や属性によって自動編成及び自動作成されるので大丈夫です!!」
せっせと出した壁側にしまわれていた長机の上にマイはカードを分け始める。
「絶対やめたほうがいいと思うねんけど」
それを見ていたのか、いつの間にか起きたアイがボソッと呟いたのを私は聞き逃さなかった。ちらりとアイの方を見れば壁に寄りかかりながらマイを可哀想なものを見るような目で見ている。
お忘れではなかろう。
私は全属性、最大級魔力だ。
さらに前の世界で遊○王やバト○ピを男共の中に混じって勝ちまくっていたのだ。

勝てる。

そう確信する。
「では!最初に7枚引いてください!」
右上に配置された裏向きのデッキから7枚引いて手元に置いた。どちらかと言うと遊○王とデュ○マを足して割ったような感じのルールだろう。何やら強そうなキャラクターカード、否、モンスターカードがある。
マイも同じように引き準備は整った。

「では!デュエルスタート!ですッ!」

渾身の力を込めて言い放ったマイのお決まりの言葉が部屋中に響いた。


閑話休題。


結果から言うと、あっさり圧勝した。
「ううぅ…アイナ様…本気出すなんて酷いです…グスッ」
まず初っ端から引いたど強いカードを場に出し、引きの悪かったマイは出せるカードが無く一方的に私に責められるという形になってしまった。お忘れではなかろうか。
私は幸運も強いという事をッ!
「やからやめたほうがいいって言ったんや」
これまたボソッと右隣から聞こえたがスルーする。一方マイは泣きべそかいていた。
「じゃあ次メイが倒してみせます!!」
今までの戦いを見ていたメイが啖呵を切って立ち上がった。と、その瞬間車内が揺れすとんとまたメイは座る。
「いいぞ、受けて立とうではないか!!」
両手を広げてあからさまな演技をすると半端引くような表情で窓側にいたメイとマイが交代した。
そしてまたシャッフルし終えまたデッキが完成するとお互い無言で7枚を引く。今度は別の強そうなモンスターカードが現れた。攻撃力12防御力8。中々強い。
「それでは〜?デュエルスタートです!」
今度は満面の笑みを浮かべた可愛らしいメイの声が響いた。

閑話休題。

結果から言うと、あっさり圧勝した。
「アイナ様何者ですか…化け物ですか…」
まだ涙目で外を眺めているマイの隣でカタカタと震えているメイが青ざめている。 
なに、そんなに先程のようなリンチはしてない。最初からまたど強いカードを場に出してメイの場のカードを殲滅させただけ。
「……ふっ」
隣から今度は何か言うでも無しに鼻で笑った。
「おい今鼻で笑ったろ」
「い、いや、笑ってま…フフ笑ってませんよ」
「笑ったろ!!!」
「今よアイ!三姉妹の実力見せつけてやりなさい!」
それを見ていたマイが捲したてる。
「そうですよ!三姉妹の実力見せつけてやってくださいよ!!」
それに便乗してメイもアイに詰め寄った。それを見て心底嫌そうな顔で、
「それうちが勝っても三姉妹の実力にはならんからね」
とボソッと呟くと思いついたような顔でこう言った。
「あ、そんなことよりケーキ食べましょうよ。そろそろ三時のおやつじゃないですか?そこでメイのお土産の品を」
こいつ、お菓子とかあんま好きそうじゃなかったのに。
アイの出したジェルの花のケーキによりマイとメイの機嫌は無事治った。
はっきり言ってやっぱりちょろい。

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