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異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

2 . 進路確定

 目覚めたのは純白の豪華な造りでできたベッドの上だった。

「......あれ」

 ________まじか。
本当に入れ替わって生き返ってしまったか。
最っ悪だ......。


「おはようございます、エイル様」


 私を覗きこんできたのは頭に一本の角の生えたメイド服を着ている美女だった。金髪の髪を三編みでしばりくりくりとした赤の瞳がこちらを覗いている。前言撤回、最高万歳。
「おはようレム」
「マイです。誰ですかその方」
 にまにまする私を他所に部屋を掃除していたレム、もといマイさんがこちらを見るなり変なものでも見るような顔をしてくる。
「どうされました......具合悪いんですか?」
「いや、ちょっと......ね」
 ってかメイドに高級そうな部屋、高級そうなベット、まさかあの女令嬢とかだったのか?
まじかよ、一気に大分有利だぞ。てかこの人角生えてるけど鬼なのか?それこそ異世界なのか?でも私トラックに轢かれた記憶もトラクターに轢かれた記憶もねぇぞ。でもなんかマイさんめっちゃ不思議そうな目で見てるからなんかいった方がいいのか?えっと、えーっと_____


「えっと。ここ、どこ?」


「エ、エイル様がああああああああ!?」


 ええええええええ。予想以上の反応にこちらもビックリしてしまう。バタバタと足音が無数に聞こえ部屋の扉が開くと入ってきたのは赤髪の緑色の瞳のマイさ__マイさん?

「どうしたんおねーちゃん!何があったねん!」

 全く同じ容姿......だと?
「エイル様が、エイル様が記憶喪失になられたの!」
 赤髪のマイさんがこちらを睨むように向いた。しばらく見つめあったあと赤髪っこはマイに何か耳打ちをした。
そして二人でこちらに向き直る。
「エイル様、おねーちゃんがほんとのこと言ってるのか証明して見せてください」
「なんでよぉおお」
「お、おう」
「まず私達の名前を答えてください」
「えーっと、泣きついてる方がレムでお前がラムだろ?」
「違います、誰ですかその方」
同じこと言われた。
「私がアイです、んでおねーちゃんがマイ。そして___」

「お姉さまああああああ遅れてすみません!すみません!」

 部屋にダッシュで飛び込んできたのは緑髪のマイさんだった。
......最高かよ、異世界万歳。

「......この子がメイです」
「お、おう......」

「では最後に、あなた様のお名前をどうぞ」



「相澤藍那」




 三人が一瞬固まるとまた耳打ちし始めた。今度はなんだか話し合っているようだ。
くるりとこちらを再度向くとにこやかな笑顔でマイさんが口を開いた。
「えーっと、それではアイナ様。改めてご紹介いたします。私が側近華族メイデス家長女、マイ・アンドレア・メイデスでございます。そしてこちらが次女、アイ。三女、メイでございます。この度は我らが魔王、エイル・ティディメア・サディエスム・アラ・キールヴェザーニトン様と『変え月』を行ったということでこれからは私共はアイナ様と__」

「ちょっとまって」

「はい、なんでしょうか?」




「魔王がなんとかってなに」





「だから、貴方様。アイザワアイナ様とこの世界の闇の頂点、魔王エイル様が体を交換して生き返ったと」

 異世界チート魔王という最高のルートが確定してしまった瞬間だった。

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