遅熟のコニカ
62「アメナメトマグワイ」
「で、その魔女の子孫とやらさんはホントに人間じゃないんですくぁ?」
ボケッとした、背の少し低い警官が、隣の巨漢な警官にへと質問する。
ククノチの警官、騎士の襲撃があったにも関わらず、すぐに行動しなかった所を見ると、ボケッとした警官がいるのも納得できるだろう。
「大きな声で喋るなッバカッ お偉いさんの会議を盗み聞きして得た情報だ。バレたら洒落にならん」
小さな警官を小突き、耳を引っ張って、少量の声で聞こえるように話す。
「痛いですよぉ、でもちょっと楽しそうですねぇ」
耳をさすりながら、小さな警官は、大きな警官と話す。
「まさかなりたいとか言わないよな?」
大きな警官が、呆れた顔で、小さな警官を見下す、というより、身長差があるせいで、ただ見ているだけで見下しているようになってしまう。
「まさか~殺すのがですよぉ~」
「ま、同感だな」
二人が勤務する場所、その場所の名前は、警察庁特殊人間犯罪捜査課、もとい魔女の子孫研究所だった。
普通の警察では取り扱う事も出来ず、ないがしろにされる事件がここに送られ、捜査する、それが彼等のお仕事。
しかし、周りの警官からは、暇人やら、オカルト研究課などと呼ばれてはいる。
ただ、現国際手配されている者のほとんどが、魔女の子孫とされており、特殊人間犯罪捜査課に押し付けられているような形で任されている。
そのため、評判は悪いし、風評も悪いが激務と言った、最低最悪の課だった。
「今熱いのが猫まんまですっくぇ?」
小さな警官が、椅子の背もたれにのしかかるように座り、資料をペラペラと捲る。
「『生母事』だバカ。しかもアイツは『万』に付いて回るただの小判鮫の一般人だぞ」
  巨漢な警官は、どっしりと椅子に座り、資料を捲り、目を通す。
「えぇ~なんか惹かれたんだけどなぁ。次の目標って誰ですっけ?『万』です? 」
包み紙を破いて、口の中に飴を入れ、三十秒ほど口の中でコロコロと転がし味わえば、ゴミ箱に吐き捨てた。
「おいおい毎回思うが、勿体無いだろうが」
巨漢な警官が、資料を見るのを一端やめ、ゴミ箱にある、てかてかと光るまだ丸い飴を見て、呆れながらも、資料の一ページを引きちぎり、手渡す。
「『万』はまだ早い、時期じゃない。俺らの相手は、『斬り裂き権兵衛』被害者は女に限られ、目撃情報によると犯人は凶器を持たないらしい」
『斬り裂き権兵衛』の犯罪や、経歴、服装、人相の書かれた一枚の紙。
しかし、人相、服装は様々で、女とも報告があり、更には子供とも報告がある。
「えぇだって飴は最初が美味しいだけで、後はゲロマズなんですもん」
「つまり相手は、自分自身の体を変える能力を持つ可能性ありなんですぬぇ、めんどうですぬぇ」
小さな警官は、眼鏡をかけ、立ち上がる。
そして、キャンディを手に取り、蛇のようにチロチロと舐め、 引き出しから、一本の警棒を取りだし、一度降って見せて、もう一度チロチロとキャンディを舐める。
「キャンディは良いよね、自分の都合で舐められるから」
────────────
「待て、その事が本当であれば、そこの女、私の所へ来い、そして目合おう、いや目合え」
一人、影のような服を着た女が、急にコニカの背後にへと現れ、耳を食むように、滑らかに、空気に溶け込むように、誘う。
「オンター・ビーツ・イルゼ、遅れて来ておいて、我が妻を寝取る等と戯言を言うとは、それ相応の覚悟は出来ているのだろうな?」
オンター・ビーツ・イルゼ、彼女の事を、コニカは、知っていた。いや、大衆も、子供も知っている。
童話にすらなった存在なのだ。
ボケッとした、背の少し低い警官が、隣の巨漢な警官にへと質問する。
ククノチの警官、騎士の襲撃があったにも関わらず、すぐに行動しなかった所を見ると、ボケッとした警官がいるのも納得できるだろう。
「大きな声で喋るなッバカッ お偉いさんの会議を盗み聞きして得た情報だ。バレたら洒落にならん」
小さな警官を小突き、耳を引っ張って、少量の声で聞こえるように話す。
「痛いですよぉ、でもちょっと楽しそうですねぇ」
耳をさすりながら、小さな警官は、大きな警官と話す。
「まさかなりたいとか言わないよな?」
大きな警官が、呆れた顔で、小さな警官を見下す、というより、身長差があるせいで、ただ見ているだけで見下しているようになってしまう。
「まさか~殺すのがですよぉ~」
「ま、同感だな」
二人が勤務する場所、その場所の名前は、警察庁特殊人間犯罪捜査課、もとい魔女の子孫研究所だった。
普通の警察では取り扱う事も出来ず、ないがしろにされる事件がここに送られ、捜査する、それが彼等のお仕事。
しかし、周りの警官からは、暇人やら、オカルト研究課などと呼ばれてはいる。
ただ、現国際手配されている者のほとんどが、魔女の子孫とされており、特殊人間犯罪捜査課に押し付けられているような形で任されている。
そのため、評判は悪いし、風評も悪いが激務と言った、最低最悪の課だった。
「今熱いのが猫まんまですっくぇ?」
小さな警官が、椅子の背もたれにのしかかるように座り、資料をペラペラと捲る。
「『生母事』だバカ。しかもアイツは『万』に付いて回るただの小判鮫の一般人だぞ」
  巨漢な警官は、どっしりと椅子に座り、資料を捲り、目を通す。
「えぇ~なんか惹かれたんだけどなぁ。次の目標って誰ですっけ?『万』です? 」
包み紙を破いて、口の中に飴を入れ、三十秒ほど口の中でコロコロと転がし味わえば、ゴミ箱に吐き捨てた。
「おいおい毎回思うが、勿体無いだろうが」
巨漢な警官が、資料を見るのを一端やめ、ゴミ箱にある、てかてかと光るまだ丸い飴を見て、呆れながらも、資料の一ページを引きちぎり、手渡す。
「『万』はまだ早い、時期じゃない。俺らの相手は、『斬り裂き権兵衛』被害者は女に限られ、目撃情報によると犯人は凶器を持たないらしい」
『斬り裂き権兵衛』の犯罪や、経歴、服装、人相の書かれた一枚の紙。
しかし、人相、服装は様々で、女とも報告があり、更には子供とも報告がある。
「えぇだって飴は最初が美味しいだけで、後はゲロマズなんですもん」
「つまり相手は、自分自身の体を変える能力を持つ可能性ありなんですぬぇ、めんどうですぬぇ」
小さな警官は、眼鏡をかけ、立ち上がる。
そして、キャンディを手に取り、蛇のようにチロチロと舐め、 引き出しから、一本の警棒を取りだし、一度降って見せて、もう一度チロチロとキャンディを舐める。
「キャンディは良いよね、自分の都合で舐められるから」
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「待て、その事が本当であれば、そこの女、私の所へ来い、そして目合おう、いや目合え」
一人、影のような服を着た女が、急にコニカの背後にへと現れ、耳を食むように、滑らかに、空気に溶け込むように、誘う。
「オンター・ビーツ・イルゼ、遅れて来ておいて、我が妻を寝取る等と戯言を言うとは、それ相応の覚悟は出来ているのだろうな?」
オンター・ビーツ・イルゼ、彼女の事を、コニカは、知っていた。いや、大衆も、子供も知っている。
童話にすらなった存在なのだ。
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