遅熟のコニカ
25「ショクシクワレル」
慰め役という物が、何の役かはコニカは瞬時に悟った。
であれば納得するヒルコ行動が多々あった。
つまり、ヒルコは、コニカを慰め役として、ここに置いているのか、ただ一つ言えることは、これがただのグロルの推測に過ぎないという事だった。
しかし、コニカはこの上無い怒りを覚えていた。
自分がただの、ヒルコを満足させる道具である事を伝えられ、まるでヒルコのご機嫌取り、そして夜伽である事を決定付けられているようだった。
なによりも、自分が力もない、男にすがり、自分の体を使う事でしか生きる事が出来ないと思われるのが何よりも腹立たしかった。
女性至上主義の帝国の女、そのせいかコニカはその扱いが腹立たしくて仕方がなかった。
「調子に乗るな化け物が」
コニカは、地に伏しながら、怒りという石炭を燃やし、 そして、蒸気機関車が如く、機動力を生んだ。
ほとんど地面に倒れていた状態からコニカは、跳んだ。
低く、しかし素早く、その跳躍はグロルとの距離を無くし、そしてグロルの両足を刈り取った。
しかし、グロルが倒れる事はなかった。
いや、何故か、腕すらなかった、背中にあるはずのを腕も。
そして爬っていた。
そしてコニカは、追撃を行わなかった。その姿に恐れた、ある程度距離を取らねば、そうコニカは思わさせられた。
グロルの姿、それはまさに大蛇、全長は5mを越えていた。
淡い渇色が全体に広がり、鱗が鮮やかに輝き、身を固める。
頭部にも鱗が覆い、先程の輝きとはまた違った輝きを見せる。
そして目が黒く、白を飲み込む。
「再構築する人形、お前これの事、勘違いしてんだろ?」
コニカは確かに、グロルの遺能の能力を、自分の腕を、自分の体の任意の場所にへと移動する事だと思っていた。
違う、本当の能力は、自分の体を人間にする、又は、肌、頭、腕、足などの人間の部位を生やす、もしくはそう見えるようにする、そういう能力だった。
そして、グロルはコニカの体を抱き締めた、いや巻き付いた。
「どっちがいい? 骨を折られ、苦しんで死ぬか、食われ窒息した後、じわじわと消化され死ぬか、選べ」
グロルは徐々に、締め付ける力を強める。
骨が軋む音が、僅かながらに体外にへと漏れる。
しかし、コニカは痛みを感じてはいたが、それに応じて、コニカは、一つの感情が濃くなる。
殺さねば。
黒く、一変する事のないその感情は、狂気などという生易しい言葉では表せられない程に、コニカの心は浸食されていた。
自分が自分でなくなる瞬間、コニカはそれを、目的遂行のためならばと、安く身も心も差し出した。
コニカは、力で、グロルという大蛇の締め付けを突破した。
ヘビの締め付けの力は、最大の物で推定650kg程の力を誇る。
それは、ゴリラの推定握力を越える。
グロルがそこまでいってはいないとしても、力でその締め付けから逃れるのは、理論上人間では無理だった。
しかし、コニカはそれを行った。
「久しぶりに蛇が食べたくなった」
ボソッと呟いた言葉は、まるでコニカの物とは思えないほどの圧力、そして重圧、更には狂気を持って、その言葉が届く範囲の者の耳へと入っていった。
グロルは恐怖した、食われるという事などあるはずがない、筈がないのにグロルは自分が今、皿の上に乗り、コニカに食されるのを待つだけである事を想像していた。
食うはずだったのに、今、感じているのは食われるという恐ろしさ。
グロルは否定したかった、そのため起こした行動は、自分が補食する側である事の証明、つまり、暴れるという行為による力の提示だった 。
コニカは、ただその場に倒れ、暴れる大蛇の姿を意識もなく見るだけだった。
しかし、何かに、見ることを阻まれた。
記憶が途絶えた。
であれば納得するヒルコ行動が多々あった。
つまり、ヒルコは、コニカを慰め役として、ここに置いているのか、ただ一つ言えることは、これがただのグロルの推測に過ぎないという事だった。
しかし、コニカはこの上無い怒りを覚えていた。
自分がただの、ヒルコを満足させる道具である事を伝えられ、まるでヒルコのご機嫌取り、そして夜伽である事を決定付けられているようだった。
なによりも、自分が力もない、男にすがり、自分の体を使う事でしか生きる事が出来ないと思われるのが何よりも腹立たしかった。
女性至上主義の帝国の女、そのせいかコニカはその扱いが腹立たしくて仕方がなかった。
「調子に乗るな化け物が」
コニカは、地に伏しながら、怒りという石炭を燃やし、 そして、蒸気機関車が如く、機動力を生んだ。
ほとんど地面に倒れていた状態からコニカは、跳んだ。
低く、しかし素早く、その跳躍はグロルとの距離を無くし、そしてグロルの両足を刈り取った。
しかし、グロルが倒れる事はなかった。
いや、何故か、腕すらなかった、背中にあるはずのを腕も。
そして爬っていた。
そしてコニカは、追撃を行わなかった。その姿に恐れた、ある程度距離を取らねば、そうコニカは思わさせられた。
グロルの姿、それはまさに大蛇、全長は5mを越えていた。
淡い渇色が全体に広がり、鱗が鮮やかに輝き、身を固める。
頭部にも鱗が覆い、先程の輝きとはまた違った輝きを見せる。
そして目が黒く、白を飲み込む。
「再構築する人形、お前これの事、勘違いしてんだろ?」
コニカは確かに、グロルの遺能の能力を、自分の腕を、自分の体の任意の場所にへと移動する事だと思っていた。
違う、本当の能力は、自分の体を人間にする、又は、肌、頭、腕、足などの人間の部位を生やす、もしくはそう見えるようにする、そういう能力だった。
そして、グロルはコニカの体を抱き締めた、いや巻き付いた。
「どっちがいい? 骨を折られ、苦しんで死ぬか、食われ窒息した後、じわじわと消化され死ぬか、選べ」
グロルは徐々に、締め付ける力を強める。
骨が軋む音が、僅かながらに体外にへと漏れる。
しかし、コニカは痛みを感じてはいたが、それに応じて、コニカは、一つの感情が濃くなる。
殺さねば。
黒く、一変する事のないその感情は、狂気などという生易しい言葉では表せられない程に、コニカの心は浸食されていた。
自分が自分でなくなる瞬間、コニカはそれを、目的遂行のためならばと、安く身も心も差し出した。
コニカは、力で、グロルという大蛇の締め付けを突破した。
ヘビの締め付けの力は、最大の物で推定650kg程の力を誇る。
それは、ゴリラの推定握力を越える。
グロルがそこまでいってはいないとしても、力でその締め付けから逃れるのは、理論上人間では無理だった。
しかし、コニカはそれを行った。
「久しぶりに蛇が食べたくなった」
ボソッと呟いた言葉は、まるでコニカの物とは思えないほどの圧力、そして重圧、更には狂気を持って、その言葉が届く範囲の者の耳へと入っていった。
グロルは恐怖した、食われるという事などあるはずがない、筈がないのにグロルは自分が今、皿の上に乗り、コニカに食されるのを待つだけである事を想像していた。
食うはずだったのに、今、感じているのは食われるという恐ろしさ。
グロルは否定したかった、そのため起こした行動は、自分が補食する側である事の証明、つまり、暴れるという行為による力の提示だった 。
コニカは、ただその場に倒れ、暴れる大蛇の姿を意識もなく見るだけだった。
しかし、何かに、見ることを阻まれた。
記憶が途絶えた。
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