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幽霊女子小学生が俺の家に居候することになった

片山樹

5

 マリカと言えど最近のマリカと違い、俺の持っているマリカではジャンプアクションも壁を走ったりもしない。まぁ、要するに昔のマリカということである。小学生時代に親に買ってもらったGCゲームキューブのマリカを今からするのである。どうでもいいけどGCのソフトは神ソフトが多い。大乱闘も風のタクトもサンシャインもエアライドもかなり熱い!
(持っていない人は買ってした方がいいぞ!)
まぁ、そんな余談も挟みながらゲームの線をテレビに挿し込んでいく。どれをどれに入れていいのか分からずに焦っていると、夏樹ちゃんが「これここですよ!」と教えてくれた。

「へぇ〜詳しいんだねぇ〜」と褒めてあげると夏樹ちゃんは少し照れていた。

「よし! 準備は整ったよ! 始めよっか?」
俺が声を掛けると、夏樹ちゃんは今か今かとコントローラーをパタパタとして待ち構えていた。2Pでプレイを選択して、レースを選択。
題名にあるダブルダッシュという言葉通り、このゲームではマリカ史上初キャラを二人選択ができるのだ。キャラ選択画面に移動すると夏樹ちゃんは手慣れた手付きでキノピオとべビィマリオを選択していた。この娘、もしかしてダブルダッシュやったことがあるのか?
そんな疑問が過る。しかしそんなはずはないだろう。

「まだなの?」
無邪気な少女が笑う。

「あ、ちょっと待ってね」
俺はポチポチとキャラを選択。
べビィルイージとパタパタだ。

「最初はキノコカップからでいいよね?」
一応確認をしてゲームを開始。
あ、言い忘れてたけど100ccである。
自分も久しぶりだからこれぐらいが丁度良いと思ったし、夏樹ちゃんは初心者だと思うからナイスチョイスだと思った。しかしこんなナイスチョイスは合コンでは全く役に立たないのが世の中の定理である。やっぱり世の中、顔とお金なんだよね。

「はぁ……」
嫌な気持ちになる。

「って、えっ? もうゲーム始まってるし」
いつの間にか、レースは始まっていた。
上画面の俺の順位は12位。
下の順位は1位だった。
タイムは30秒経過した程度。

「まだ、間に合う……」
俺は漸くレースを開始。

「なんで? 止まってたの?」
彼女から痛い質問が飛ぶ。
人生は止まりながらも進むものなのさとか言いたいけど、言った所で彼女は理解できないだろう。それにこれは楽しいゲームなんだ。こんな大人の事情とかを出されたら困るよな。

「ハンデだよ。夏樹ちゃんは初心者だからね。熟練者プロである俺はこれぐらい無いと……」

「むっぅぅぅぅーーー!?」
夏樹ちゃんはおもむろに顔を膨らませて怒った。
こういう所も可愛いぜ。
てっ? えっ? 
「へへっ、赤いの当たった!」
おいおい、確かに1位が投げた赤亀は12位に当たる様になってるけどさ。あまりにもアイテム運良くね? それに俺のキャラパタパタだよ。
赤亀使いだよ。それ、俺の専売特許でしょ。
おいおい……俺は何を無気になってるんだ。
所詮相手は小学生だ。熟練者である俺はこんな事でめげたりはしない。

「やったぁー! スターGET!」
おいおい、確かにヨッシーとキャサリンのスペシャル技でコースに落ちてる事はあるよ。
だけどさ、流石に折り返し地点でスター当たって……行きますよね。やはり。
俺もCPUに無理矢理当たって行きます。
だって楽しいですもんね。とっても分かります。しかし、甘かったな。
俺は最強のアイテムを持ってるんだよ。
カミナリというな。11位との距離はすぐに縮み、10位、9位と抜かす事ができた。おまけにアイテムでワンワンを獲得。かなり付いている。それに前のキャラが青亀を投げている。
形成逆転も時間の問題だな。

「だ、だからね! 折り返し地点は嫌いなんだよ!」
ボン! と青亀が1位の夏樹ちゃんに当たり、俺も巻き添えを食らった。最悪である。
しかしワンワンを使い挽回でき、順位は4位まで上昇。残りのラップ数は1周。
果たして……どちらが勝つのやら?

「絶対に死守する!」と言い放つ小学生女子と
「絶対に抜きます!」と言う大学生。
ここで矛盾が起きた。
ちょっと、待て!
これはやめておこう。コメント欄が荒れる。
とりあえずまだまだ白熱のレースは終わらない。


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