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幽霊女子小学生が俺の家に居候することになった

片山樹

3

影が無い。これに言葉の誤りも無ければ、比喩表現も無い。ただ、純粋に真面目に率直に少女の影が無かったのだ。有るべきものが無かったのだ。

しかし、俺は怖がる事は無かった。寧ろ、嬉しかった。本当に幽霊って存在するんだ。そういうような感覚の方が強かった。確かに、少女の影が無いのはおかしいと思うし、怖い。だが、見た目はただの小学生だ。そんな少女を、そんな人間の形をした化物だったとしても、それは俺にとってはただの人間と何も変わっていないのだ。

 ただ、影が無いという事と周りの人には見えていないという事を除いては……

「ねぇ、夏樹ちゃん。帰る場所、無いんでしょ?」

「う、うん……」

ポロポロと涙が流れていく。

「なら、俺の家に来ないか?」

「えっ?」

突然の俺の誘いに困った顔をした夏樹ちゃんは腕を組んで悩み始めた。意外と切り替えは早いようだ。

「まぁ、俺の家はそんなに広くは無いし、普通のアパートだ。だけどそんな所でいいなら俺と一緒に暮らそう」

「えっ……そう言われてもですね……私は一応、地縛霊でして……」

「地縛霊? それって特定の場所にしか居られないはずじゃ?」

「はい、その通りです。あ、ダッツライトでした」

「いちいち、英語にしなくてもいいぞ。といっても、夏樹ちゃんはもう特定の場所から離れてるじゃん!」

「えっ……あれ……あ、確かにそうですね。普通では離れようとしたら、バリア的なものでそれ以上先には行けなくなるんですが……」

なるほど、地縛霊の世界も厳しいんだな。俺は狭い所が苦手だから絶対に無理だな。

「ふぅ〜ん……そっか。何かと大変なんだな。それで、俺の誘いどうする? もう、帰る場所は無いんだろ? 俺が夏樹ちゃんの帰る場所を作ってあげるよ」

「じゃあ……よろしくお願いします!」

頭を下げ、夏樹ちゃんがそう言った。

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