東方魔人黙示録〜番外編〜
10年後・・・謎の双子
幻想郷に住む住人にとって流れる時にとても鈍感である。
と、言ってもそれは妖怪や神などの人外に限った話だ。ただ、流石の人外でも10年という月日を過ぎれば変わるものである。
ここは地霊殿。幻想郷の地底に佇む立派な屋敷だ。屋敷の主である古明地さとりは今日も日課をしているかと思えば、見知らぬ双子の少年少女と遊んでいた。
「さとり様〜!次は花札しよ〜!」
金髪と青色が混じった不思議な髪の色、短く切られたショートカットの緑眼と赤眼のオッドアイの少女が笑顔で言った。少し男勝りなこちらはお姉ちゃんのように見える。
「え〜!将棋が良い!」
金髪と赤髪が混じった少女と同じように不思議な髪の色をし、前髪を後ろにあげた少し髪が長めの緑眼と青眼のオッドアイの少年が駄々をこねる。こちらは少し幼いが弟だろうか?
「はいはい、喧嘩しないでください。順番にやりましょう?それと私の事はお姉ちゃんと呼びなさい!」
『は〜い!さとりお姉ちゃん!』
元気に挨拶をする姿はとても可愛らしい。
そんな二人を見てさとりも幸せそうにダラシない顔となっていた。
三人で遊んでいると天邪鬼の正邪がお菓子のたくさん入った袋を片手に地霊殿を訪れた。
彼女が来たことに気づいた二人はドタドタと荒々しい足音を立てて正邪に飛びついた。
「正邪だ〜!!」
「遊ぼ〜!」
「うわっ!?」
二人に飛びつかれた正邪は支えきれずに地面に腰をついた。痛そうに腰をさする彼女に御構い無しに二人は遊ぶ事を欲求する。
「いっつ〜......急に飛びついたらダメだろう!全く...誰に似たんだが...」
『ごめんなさ〜い』
「はぁぁ...まあいいや。ほら!お菓子持ってきたよ?」
『お菓子〜!?』
お菓子と聞いただけで嬉しそうに目を輝かせる二人に意地悪するように二人の手がギリギリ届かないあたりでブラブラと袋を揺らす。
「ほらほら〜?」
「むぅ〜!正邪のいじわる!」
「ちょうだい!」
「どうしよっかな〜?」
厭らしい笑みを浮かべ、子供二人に大人気なく意地悪をする姿、正に外道。
だが、子供でも怒ったら何をするか分からない。双子の少年が怒って地団駄をする。その瞬間、正邪の足元から大量の武器が現れた。
流石の正邪も肝が冷えたようで引きつった笑みを浮かべ二人にお菓子を渡した。
『わ〜い!』
機嫌をよくした二人は嬉しそうにさとりのいる部屋へと戻って行った。正邪の周りに大量の武器を残したまま。
「だ、誰か助けて....?」
その後、通り掛かったお燐に救われる正邪であった。
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