闇夜の世界と消滅者
十八話 女装しないぞ!
思わず突っ込んでしまったが、この状況で突っ込まなかったらいったい誰が指摘するのだろう。
「別に不思議なことは何も……」
「あるだろ! なんで窓から侵入するんだよ常識がなってねぇよ!」
なんでティナの周りにいる人間はこう………こう、攻撃力にしろ行動力にしろ、いちいち極端なのだろうか。
「面倒だったからですが……」
「面倒!? 面倒だから窓から侵入すんの!?」
「れ、戀君落ち着いて。キャラ崩壊してるよ」
ぜぇーはぁーと肩で息をする戀にティナは落ち着かせるように言う。
確かにここまで感情を露わにするなんて、今までの戀には到底考えられなかったことだろう。
「それだけ兄様の精神が治ってきている証拠ですよ」
鈴音はまるで戀の心を見透かしたように微笑みながら言った。
「それにしても随分男装が得意なのですね。一瞬本当に男性かと思いましたよ」
「男だよ!!」
「またまた御冗談を。そんな嘘が私に通用するとでも思っているのですか?」
「いや陽美香ちゃん。戀君はれっきとした男の子だよ。確かに女の子にしか見得ない顔だけど、戀君は男の子だよ」
「おいティナ! 俺のどこが女だと思わせるんだ!」
「失礼ですが兄様。その顔ならまず間違いなく女性だと思われます。今からでも遅くはありません。兄様から姉様に代わりませんか?」
「やだよ! なんで抹消したトラウマを呼び起こそうとするの!」
「なにをおっしゃいますか兄様! 私からみても女装した兄様は世界のだれよりも可憐で凛々しいものでしたよ!」
「大絶賛だね、戀君」
「私も少し見てみたい………かも?」
「誰が何と言おうとも絶対に女装なんてしないからな!」
「ちょ、戀君それフラグ………」
「そんなフラグ俺がへし折ってやるわ!」
なんだかこんなに叫んでいるのは初めてな気がする。
「なんだか戀君らしくないよね……」
「俺らしいってなんだよ」
「うーん、単純に強いところ?」
「なぜに疑問形………?」
まあ、自分でもらしくないと思うのだが。
「まあこの話はさておくとして」
陽美香が気を取り直して、ティナに向き合う。
「学園長がお話になっていた、北側の洞窟、《草薙》についてですが、たった今調査が完了しました」
陽美香がそう言うと、ティナの目がたちまち鋭くなった。
………どうやら結構危ない話らしい。
「聞かせて」
「その前に、そこの三人を部屋から退出させたほうがいいのでは?」
そう言って陽美香は戀と鈴音、イルディーナを見る。
「大丈夫。イルディーナさんと鈴音さんは生徒会役人だし、戀に関しては協力してほしいくらいだから」
鈴音って生徒会役人だったんだ。
「わかりました。お聞かせください」
「協力してほしいって……俺は学生扱いだぞ」
戀はそう言うが、ティナは真剣な顔で言う。
「戀君が話していた異常事態に繋がる可能性があるんだ」
そういわれると嫌とは言えない。
「………わかった。但し聞くだけだ。協力するかどうかは話し次第だ」
「ありがとう」
そういってティナは微笑む。
「じゃあ、聞かせてもらおうかな」
陽美香は頷き、語りだす
「別に不思議なことは何も……」
「あるだろ! なんで窓から侵入するんだよ常識がなってねぇよ!」
なんでティナの周りにいる人間はこう………こう、攻撃力にしろ行動力にしろ、いちいち極端なのだろうか。
「面倒だったからですが……」
「面倒!? 面倒だから窓から侵入すんの!?」
「れ、戀君落ち着いて。キャラ崩壊してるよ」
ぜぇーはぁーと肩で息をする戀にティナは落ち着かせるように言う。
確かにここまで感情を露わにするなんて、今までの戀には到底考えられなかったことだろう。
「それだけ兄様の精神が治ってきている証拠ですよ」
鈴音はまるで戀の心を見透かしたように微笑みながら言った。
「それにしても随分男装が得意なのですね。一瞬本当に男性かと思いましたよ」
「男だよ!!」
「またまた御冗談を。そんな嘘が私に通用するとでも思っているのですか?」
「いや陽美香ちゃん。戀君はれっきとした男の子だよ。確かに女の子にしか見得ない顔だけど、戀君は男の子だよ」
「おいティナ! 俺のどこが女だと思わせるんだ!」
「失礼ですが兄様。その顔ならまず間違いなく女性だと思われます。今からでも遅くはありません。兄様から姉様に代わりませんか?」
「やだよ! なんで抹消したトラウマを呼び起こそうとするの!」
「なにをおっしゃいますか兄様! 私からみても女装した兄様は世界のだれよりも可憐で凛々しいものでしたよ!」
「大絶賛だね、戀君」
「私も少し見てみたい………かも?」
「誰が何と言おうとも絶対に女装なんてしないからな!」
「ちょ、戀君それフラグ………」
「そんなフラグ俺がへし折ってやるわ!」
なんだかこんなに叫んでいるのは初めてな気がする。
「なんだか戀君らしくないよね……」
「俺らしいってなんだよ」
「うーん、単純に強いところ?」
「なぜに疑問形………?」
まあ、自分でもらしくないと思うのだが。
「まあこの話はさておくとして」
陽美香が気を取り直して、ティナに向き合う。
「学園長がお話になっていた、北側の洞窟、《草薙》についてですが、たった今調査が完了しました」
陽美香がそう言うと、ティナの目がたちまち鋭くなった。
………どうやら結構危ない話らしい。
「聞かせて」
「その前に、そこの三人を部屋から退出させたほうがいいのでは?」
そう言って陽美香は戀と鈴音、イルディーナを見る。
「大丈夫。イルディーナさんと鈴音さんは生徒会役人だし、戀に関しては協力してほしいくらいだから」
鈴音って生徒会役人だったんだ。
「わかりました。お聞かせください」
「協力してほしいって……俺は学生扱いだぞ」
戀はそう言うが、ティナは真剣な顔で言う。
「戀君が話していた異常事態に繋がる可能性があるんだ」
そういわれると嫌とは言えない。
「………わかった。但し聞くだけだ。協力するかどうかは話し次第だ」
「ありがとう」
そういってティナは微笑む。
「じゃあ、聞かせてもらおうかな」
陽美香は頷き、語りだす
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