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闇夜の世界と消滅者

三浦涼桜

六話 精神統一

 第二闘技場控え室。
 そこで戀は精神統一を行っていた。
 だが………。

「破滅魔法をやるって何を考えてるの!? あれは世界を言葉通りに破滅させることくらい戀君は知っているでしょう!?」

 ティナが荒れ狂っていた。
 まあ、それも無理はないだろう。
 破滅魔法というのはすべての魔法の最終着点であり、この世界で使用できる人間は二十人程度しかいない。
 戀はそのうちの一人である。

 戀が持っている破滅魔法は、その二十人の中でも特に危険視されている。
「破滅は魔法はすべてを崩壊させる魔法。それを教えるなんて君、正気の沙汰じゃないよ!」
「そうだろうな。でもまあ、安心しろよ。別に神祖を教えるわけじゃない。今回教えるのは、その派生形だ。しかもかなり殺傷能力を抑え込んだやつだからな」
 そう言ってティナを軽くあしらいながら、戀は感覚を研ぎ澄ませてゆく。

 ゴーン、ゴーン。
 時計台の鐘がなった。試合が始まる合図である。
「それじゃ、行ってくるよ」
「………気を付けてね。いくら君が強いといっても、この学園の生徒会長を務める彼女も相当の実力者。手を抜いたら速攻で負けるよ。彼女のランクはAAなんだから」
「わかってるさ」
 短くそう言い、出場ゲートまで歩き出す。

(別に相手をなめているわけじゃないし、あいつがかなりの実力者なのは出会った時からわかっていた)
 それこそ、そこら辺の警備隊など問題にならないくらいに。
「まったく、期待させやがる」
 戀は笑みを浮かべながらゲートをくぐった。

   ◇  ◇  ◇

 一方その頃、イルディーナは戀と同じように集中力を高めていた。
 ある程度時間が過ぎると、やがて眼を開いた。
「いったい、どのような戦い方をするのでしょう」
 それは先ほどから気になっていたことだった。

 歩いているときや話しているときなど。
 彼はどの瞬間でも気を抜いてはいなかった。
 歩き方も、まるで頭が上下に揺れていないのだ。
 これは、あまり詳しくはないが確か古歩と呼ばれる歩き方だったはずだ。

 この歩き方ができているということは、全身の筋肉や骨、神経までもを完全にコントロールしていることになる。
 さらには、例の噂も相まって、余計に彼がただものではないということを意識してしまう。
 それほどの実力者ならば、おそらく剣技のほうも相当なものであるはずだ。

「だからこそ、最初から本気で行かなければなりませんね………」
 そう意気込み、彼女はゲートをくぐった。


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