二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~

魔法少女どま子

リア充ならではの危険予知

 学校への道すがら、俺はあることを思い出した。

 ポケットに入れていたスマホを手に取り、ラインの着信数を確認してみる。

 その数、二百以上。まあグループトークの未読も含まれているから、俺個人に当てられたメッセージは十やそこらだが。

 横断歩道の赤信号で自転車を止め、俺はひとつひとつのメッセージを確認していく。

 だいたいが他愛もない雑談だった。昨日どうして学校来なかったのかと心配する声もあったので、素直に謝罪とお礼を述べておく。

 メッセージは彩坂からも届いていた。わずかな胸の高鳴りを意識しつつ、彩坂との個人トーク欄を開く。


 ーー今日は助けてくれたり、お話してくれたり、ほんとにありがとう。嬉しかったですーー


 一件目のトークがそれだった。
 たしか、いじめから彩坂を救いだし、その後教室で二人で駄弁る……ということがあった。それに対するお礼だろう。

 デレデレ笑いを隠しもせずに浮かべていると、隣の高城から鋭い視線が突き刺さってくるのを感じ、慌てて真顔に戻る。そのまま何の気なしにページの下部分を見ると……

「ん?」
 思わず不審の声をあげた。


 ーー吉岡くん、今日は学校に来ないでください。危ないですーー

 ーー大丈夫ですか? 既読がつかないので心配ですーー



 俺は顔をしかめた。
 どういうことだ? 学校に来るなって、いったい……

「吉岡くん」

 高城がふいに肩を叩いてきた。

「見て、まわりを」

「……え?」

 いつの間にか数人の人間が俺たちの周囲を囲っていた。

 同じデザインのブレザーを羽織っているので、同じく桜ヶ丘高校の生徒だと思われるのだがーー

 どうも様子がおかしい。信号が青に切り替わったにも関わらず、彼らは依然として動かない。それどころか、虎視眈々と俺に飛びかからんとしているようにすら見える。

 彼らひとりひとりの頭上を見て驚いた。それぞれにステータスが浮き上がっている。

「リベリオンの連中か……」

 誰に言うでもなく、俺はひとり呟いた。

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