二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~
女って怖い!
魔法にはそれぞれ役割がある。
たとえば闇魔法であれば、生命体の「支配」が可能である。
光魔法であれば、無から万象を「創造」することができる。
かつて俺が敵の心臓を粉砕したのは、闇魔法の力によって、相手の身体そのものを乗っ取ったからだ。
そして、リベリオンがファンタジー然とした巨大なタワーを保有していられるのは、光魔法による「創造」の力である。
それぞれ力が異なり、どちらが強いとはなかなかに語れないが、戦闘面のみで考えれば闇魔法に軍配が上がるだろう。
しかしながら、通常、魔法使いはそれぞれの世界に適応した属性しか修得できない。つまり、ここの世界は「光」だから、闇魔法を使える者はいない、ということになる。
ただし、稀に見られる天才においてはその限りではない……と佐久間が教えてくれた。
その天才は、正しい指導さえ受ければ、対となる属性魔法すらも使えるようになる。たとえば古山章三は両属性の使用が可能だし、自慢ではないが俺もそうだ。
さて。
魔法使い同士が戦う場合、MDーー魔法防御が作用する。それにより、闇魔法使いは相手を「使役」することができなくなる。
つまりは、闇と光の魔法使いが戦ったとして、闇魔法で相手を「使役」して勝利するーーなどということにはならないわけだ。
その場合は、純粋なMAーー魔法攻撃力による戦いが行われる。
以前に古山が放った闇の可視放射もその一部だ。
当時の俺はこの知識がなかったために、古山相手に「使役」を発動してしまい、機先を制される格好で負けてしまった。
さて、ここで「天才」たる俺や古山のチートっぷりが現れる。
魔法使いは、対となる属性の攻撃を受けたとき、通常の倍のダメージを受けることになるのだ。
たとえば俺がまったく同じステータスの相手と戦ったとしても、相手の対となる属性で攻撃すれば、倍のダメージを与えることができる。
反して、俺は両方の属性が使えるのだから、どんな魔法を受けようとも通常のダメージしか受けない。これが、俺や古山が「異常」とされる所以のひとつである。
「だから、もし万が一、闇使いが現れたら俺に任せてくれ。そのほうが有利だからな」
俺の長ったらしい説明を、高城は真剣きわまる表情で聞いていた。俺もさっき佐久間から教わったばかりだから、うまく伝えられたのか不安なところだが。
「で、でも」
と高城はすがるように言い出した。
「私、魔法なんて使ったことないし、いざというとき、どうすればいいのかわからないよ。大丈夫かな……」
「まあ、それはそうだよなぁ……」
気持ちはよくわかる。
俺はさっき訓練したおかげで少しは自在に魔法を扱えるようになった。だがそれまでは、前の戦闘を思い出しつつ魔法を使っていたのである。高城の心配はもっともだ。
かといって、この場で練習なんてできるはずもないし……どうするか。
と俺が考え始めた、その瞬間。
「見つけたぞ!」
ふいに背後から声が聞こえて、俺は戦慄した。
警察官だ。
ライトでこちらを照らし出しながら、驚喜のいろを浮かべて駆け寄ってくる。
「くそっ……!」
話に夢中になるあまり、すっかり油断してしまっていた。できれば戦いは避けたかったが、こうなれば仕方ない……!
とーー
「い、いやあああっ!」
俺の脇を、突然すさまじいスピードで金色の光線が走っていった。
「うおっ!」
思わずよろめいてしまう。あと数センチ立ち位置が違っていたら、真っ黒げになっているところだった。
見れば、光線をまともに受け、ぐったりと気を失っている警察官の姿が。
俺はぴくぴくと乾いた笑みを浮かべながら、背後の高城を見やった。
「こ、これ、おまえがやったんだよな……」
当の高城絵美は両腕をこちらに突き出したまま、ぽかんと口を開けていた。
「え、これ、マジ、私……?」
うん、心配はまったくいらなかったようだ。
たとえば闇魔法であれば、生命体の「支配」が可能である。
光魔法であれば、無から万象を「創造」することができる。
かつて俺が敵の心臓を粉砕したのは、闇魔法の力によって、相手の身体そのものを乗っ取ったからだ。
そして、リベリオンがファンタジー然とした巨大なタワーを保有していられるのは、光魔法による「創造」の力である。
それぞれ力が異なり、どちらが強いとはなかなかに語れないが、戦闘面のみで考えれば闇魔法に軍配が上がるだろう。
しかしながら、通常、魔法使いはそれぞれの世界に適応した属性しか修得できない。つまり、ここの世界は「光」だから、闇魔法を使える者はいない、ということになる。
ただし、稀に見られる天才においてはその限りではない……と佐久間が教えてくれた。
その天才は、正しい指導さえ受ければ、対となる属性魔法すらも使えるようになる。たとえば古山章三は両属性の使用が可能だし、自慢ではないが俺もそうだ。
さて。
魔法使い同士が戦う場合、MDーー魔法防御が作用する。それにより、闇魔法使いは相手を「使役」することができなくなる。
つまりは、闇と光の魔法使いが戦ったとして、闇魔法で相手を「使役」して勝利するーーなどということにはならないわけだ。
その場合は、純粋なMAーー魔法攻撃力による戦いが行われる。
以前に古山が放った闇の可視放射もその一部だ。
当時の俺はこの知識がなかったために、古山相手に「使役」を発動してしまい、機先を制される格好で負けてしまった。
さて、ここで「天才」たる俺や古山のチートっぷりが現れる。
魔法使いは、対となる属性の攻撃を受けたとき、通常の倍のダメージを受けることになるのだ。
たとえば俺がまったく同じステータスの相手と戦ったとしても、相手の対となる属性で攻撃すれば、倍のダメージを与えることができる。
反して、俺は両方の属性が使えるのだから、どんな魔法を受けようとも通常のダメージしか受けない。これが、俺や古山が「異常」とされる所以のひとつである。
「だから、もし万が一、闇使いが現れたら俺に任せてくれ。そのほうが有利だからな」
俺の長ったらしい説明を、高城は真剣きわまる表情で聞いていた。俺もさっき佐久間から教わったばかりだから、うまく伝えられたのか不安なところだが。
「で、でも」
と高城はすがるように言い出した。
「私、魔法なんて使ったことないし、いざというとき、どうすればいいのかわからないよ。大丈夫かな……」
「まあ、それはそうだよなぁ……」
気持ちはよくわかる。
俺はさっき訓練したおかげで少しは自在に魔法を扱えるようになった。だがそれまでは、前の戦闘を思い出しつつ魔法を使っていたのである。高城の心配はもっともだ。
かといって、この場で練習なんてできるはずもないし……どうするか。
と俺が考え始めた、その瞬間。
「見つけたぞ!」
ふいに背後から声が聞こえて、俺は戦慄した。
警察官だ。
ライトでこちらを照らし出しながら、驚喜のいろを浮かべて駆け寄ってくる。
「くそっ……!」
話に夢中になるあまり、すっかり油断してしまっていた。できれば戦いは避けたかったが、こうなれば仕方ない……!
とーー
「い、いやあああっ!」
俺の脇を、突然すさまじいスピードで金色の光線が走っていった。
「うおっ!」
思わずよろめいてしまう。あと数センチ立ち位置が違っていたら、真っ黒げになっているところだった。
見れば、光線をまともに受け、ぐったりと気を失っている警察官の姿が。
俺はぴくぴくと乾いた笑みを浮かべながら、背後の高城を見やった。
「こ、これ、おまえがやったんだよな……」
当の高城絵美は両腕をこちらに突き出したまま、ぽかんと口を開けていた。
「え、これ、マジ、私……?」
うん、心配はまったくいらなかったようだ。
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