異世界から「こんにちは」
目覚めぬワコーと温かさの消えた弁当
人々の笑顔は自分の笑顔。
そうして連鎖していき世界全体が笑顔を絶やさなくなる。
それなのに仲間からも見捨てられ、悔いばかりでこの世を去るなんて。
いや、もうこの世じゃないか。死んだんだからな。
黒服の言う通りだったのかもな。
__ワコー、ここに命尽きたり。
「なんでっ! なんでこうなるんですか!」
顔を手で覆ってシャマは慟哭する。
僕だって知りたいよ。
僕だって悔しいよ。
ボロボロと涙を溢すシャマを見て僕も泣けてくる。
今にも涙腺が崩壊しそうだ。
ベットでワコーは仰向けになって唸り続けている。目を開くことなくずっと。
「苦しい夢でも見てるのかな?」
「……そこは問題じゃない、なぜこうなったのか、だ」
ブルファが冷静に疑問を述べるがしかし、本人しかそれを知らない。
僕も医者だが精神については門外漢だ。
体の外傷がない限りやはり悪夢としか考えられないのだ。
「今は、見守ることしかできないな」
「俺はワコーがこうなってしまった原因を倒れていた周辺で調査してくるよ」
そう言ってブルファは立ち上がり振り向くことなく部屋を出ていく。
「私、買い出し言ってくるね」
俯いたままシャマも。とに続く
買い出しってことは市場に行くってことか。
二人まで襲われたらどうしようと不安にな
のは必然なのだろうか?
苦しむワコーを見て心配になる。
目を覚ましてくれることを祈ろう。
雲量は三割くらいかな?
そんな不毛なことを考えながら一人教室で青々とした空を眺める。
「学食の余り物でも買いに行くかな」
そう思って、立ち上がろうとしたとき肩を軽く叩かれる。
振り返るとそこには笑顔の冬花が知らぬ間にいた。まったく気がつかなかった忍者みたいだな。
後頭部にちょこんとポニーテールを垂らした赤髪に、ぱっちり気味の眼に、キレイにバランスのとれたスタイルに加え整った容貌、相変わらずだ。
名前と髪色が相対しているのが、冬花の魅力なのかもしれない。
学食の弁当を差し出してくる。
「買ってきてやったわよ、味わって食べなさいよ」
頼んでねーぞ。
いつもこちらに視線を合わせずたまにチラチラっと見ながら学食を差し出してくる。
「百円」
あー、はいはい。
制服の胸ポケットから財布を取りだし、中を確認する。
千円札が一枚、あいにく百円銭がない。
「なぁ冬花、百円銭ないのだがどうすればいい?」
「そう……ならゼロ円でいいわ」
そうなるとこちらが釈然としないのだが。
「千円札でもいいか」
「ダメ! タダであげるわけではないから近いうちに何か奢ってもらうから、オーケー?」
「えっ、ああ」
困惑しながら頷くと弁当を俺の机にドンと置いていくと苛立ったまま教室を退室した。
なんで怒ってるんだ?
よくわからん。
乱暴に置いていった弁当を手に取ると温かさはなかった。
学食の弁当は普段、昼食の直前に作り終わるから出来立てのはずなのに。
まぁ贅沢言ってられないか。
温かいとごろか冷えている弁当を一人で咀嚼し始める。
今頃、リアンは何をやってるのだろうか?
そんなことをゆっくりと進む雲を眺めて思うのだった。
そうして連鎖していき世界全体が笑顔を絶やさなくなる。
それなのに仲間からも見捨てられ、悔いばかりでこの世を去るなんて。
いや、もうこの世じゃないか。死んだんだからな。
黒服の言う通りだったのかもな。
__ワコー、ここに命尽きたり。
「なんでっ! なんでこうなるんですか!」
顔を手で覆ってシャマは慟哭する。
僕だって知りたいよ。
僕だって悔しいよ。
ボロボロと涙を溢すシャマを見て僕も泣けてくる。
今にも涙腺が崩壊しそうだ。
ベットでワコーは仰向けになって唸り続けている。目を開くことなくずっと。
「苦しい夢でも見てるのかな?」
「……そこは問題じゃない、なぜこうなったのか、だ」
ブルファが冷静に疑問を述べるがしかし、本人しかそれを知らない。
僕も医者だが精神については門外漢だ。
体の外傷がない限りやはり悪夢としか考えられないのだ。
「今は、見守ることしかできないな」
「俺はワコーがこうなってしまった原因を倒れていた周辺で調査してくるよ」
そう言ってブルファは立ち上がり振り向くことなく部屋を出ていく。
「私、買い出し言ってくるね」
俯いたままシャマも。とに続く
買い出しってことは市場に行くってことか。
二人まで襲われたらどうしようと不安にな
のは必然なのだろうか?
苦しむワコーを見て心配になる。
目を覚ましてくれることを祈ろう。
雲量は三割くらいかな?
そんな不毛なことを考えながら一人教室で青々とした空を眺める。
「学食の余り物でも買いに行くかな」
そう思って、立ち上がろうとしたとき肩を軽く叩かれる。
振り返るとそこには笑顔の冬花が知らぬ間にいた。まったく気がつかなかった忍者みたいだな。
後頭部にちょこんとポニーテールを垂らした赤髪に、ぱっちり気味の眼に、キレイにバランスのとれたスタイルに加え整った容貌、相変わらずだ。
名前と髪色が相対しているのが、冬花の魅力なのかもしれない。
学食の弁当を差し出してくる。
「買ってきてやったわよ、味わって食べなさいよ」
頼んでねーぞ。
いつもこちらに視線を合わせずたまにチラチラっと見ながら学食を差し出してくる。
「百円」
あー、はいはい。
制服の胸ポケットから財布を取りだし、中を確認する。
千円札が一枚、あいにく百円銭がない。
「なぁ冬花、百円銭ないのだがどうすればいい?」
「そう……ならゼロ円でいいわ」
そうなるとこちらが釈然としないのだが。
「千円札でもいいか」
「ダメ! タダであげるわけではないから近いうちに何か奢ってもらうから、オーケー?」
「えっ、ああ」
困惑しながら頷くと弁当を俺の机にドンと置いていくと苛立ったまま教室を退室した。
なんで怒ってるんだ?
よくわからん。
乱暴に置いていった弁当を手に取ると温かさはなかった。
学食の弁当は普段、昼食の直前に作り終わるから出来立てのはずなのに。
まぁ贅沢言ってられないか。
温かいとごろか冷えている弁当を一人で咀嚼し始める。
今頃、リアンは何をやってるのだろうか?
そんなことをゆっくりと進む雲を眺めて思うのだった。
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